考えるな!感じろ!を考えろ!
ブルース・リー主演『燃えよドラゴン』の名台詞は何?と問われれば、
「考えるな!感じろ!!」
と答える人が多いでしょう。
うんうん、考えたらアカン!!
そのとおりや!
あなたもそんな風に考えながら試合や審査に臨んでいるかもしれません。しかし、実際に映画を見ると、最初の方の場面だったことに驚かされます。剣道の稽古にたとえると、基本稽古の切り返しをしているときに「考えるな」と言われているようです。
台詞はたしかにカッコイイ!しかし、実際の稽古となると、感じて技を出すのはなかなか難しいのではないでしょうか。基本稽古となれば、なおさらです。
試合や審査のときは、考えるよりも集中が大事でしょう。
無心です。
集中していれば、相手の動きにも柔軟に対応できます。まさに不動心。そして、常に冷静になっていなければなりません。平常心です。そこに行きつくまでには、日々の基本稽古でしっかりした技を身につけるべきでしょう。
う~~ん……
この人、何がしたいのかよくわからない……
そんな人と稽古をしたことはありませんか?私はときどきあります。小中学生ならまだしも、良い年をした大人でも。剣道歴が長くて三段くらいの人に多い気がします。四段に挑戦している人も。
三段までは基本がしっかりできていれば合格できると言われるので、基本の打突は問題無いレベルかもしれません。一方で、相手とのやり取りという点においては、やや疑問を感じるケースです。
自分勝手に打ってきます。当たろうが、当たるまいがお構いなし。こちらは構えたままなのに、何も考えずに打ってきます。何かを感じたのでしょうか。誰しも通る段階かもしれませんが、あまりにも酷い場合があります。
だから、私は、聞きます。
「いつ打つんですか?」
「どうすれば四段に合格できると思って取り組んでいますか?」
と。
この人は何かを狙っているに違いない。もしかすると、私の気付かないような狙いがあるのかもしれない。考えずに感じているのかもしれない……
そう考えての質問です。
その人は言います。言葉で表現するのは難しいと。
曖昧過ぎます。アイマイミーマイン(NHK「ひとりでできるもん!」より)です。
そこで私は、「打突の好機」を打つようにしていると伝えました。すると、いつも考えて稽古しているのかとさらに問われます。考えているというか狙っているのですが……
「私は考えていたら動けません」
そんな答えが返ってきて驚きました。
カンガエテイタラ、ウゴケマセン……?
何かの呪文だろうか。
いや、考えなくてもできる天才肌ということか。
なるほど、長嶋茂雄タイプね……
一瞬頭を過りましたが、それは違うようです。なぜなら、理にかなっていないから。その人が打突するタイミングは、剣道の理合いに則っていないように感じました。
剣道で打つべき機会は『打突の好機』としてまとめられています。昇段審査の学科試験にもよく出題されるので、あなたもご存知でしょう。
試合や審査で有効打突となる場面は、上記の6つのケースのみと言っても過言ではありません。それ以外のケースがあるのなら教えてほしいと思います。
しかし、言葉で覚えているだけで、実践しようとしていない人が多いようです。私自身も若い頃はそうでした。
何となくの感覚だけで稽古をして、何となく打てたからOK。天才でもないのに、まぐれ当たりを頼りにしていただけです。
ただただ、何も考えず「打った」「打たれた」の稽古をしていました。打てた理由、打たれた理由も知らずに……
しかし、感覚だけで稽古に取り組んでいては成長はありません。成長する可能性はありますが、成長速度は非常に緩やかでしょう。
我々が求めているのは、春先の筍のような成長スピード。早く収穫して調理しないと、すぐに食べられなくなってしまうようなスピード感です。
もし、あなたがいつ打てば良いのかわからないのであれば、いつまで経ってもまぐれ当たりをアテにするしかありません。もはや残された道は、ラッキーで勝つ方法のみ。
それって面白いですか?
考えていたら動けません!
頑なに考えることを拒む人がいます。思考停止状態です。
考えていたら動けない人は、いつになったら動けるようになるのでしょうか。やはり自分の経験則に則って打つしかないでしょう。体が勝手に動くようになるまで、ひたすら稽古を繰り返すだけです。
脳筋を鍛えるのです!!
何も考えずに……
それでいいのでしょうか?
「うん、それでいい」
という人もいらっしゃるでしょう。
考え方は人それぞれなので否定しません。いや、否定したい。本音を言うと、否定しまくりたいのです。
考えなくてできないのなら、考えよう!!
「できていないから、今そうなってるんでしょ?」
スピーカーが割れるほど、ボリュームを大にして言いたい!ぜひ、思考停止から脱却していただきたいと思います。
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