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「冴え」の要素を考える

剣道で聞きなれた言葉には曖昧なものが多くて困り果ててしまう。
学校の勉強が途中でわからなくなり、投げ出してしまうときの心境によく似ている。

投げ出さずに剣道を続けているあなたはきっと「見て見ぬふり」を決め込んでいるに違いない。
正しい判断だ。
しかし、たまには向き合ってみるのも良いだろう。

代表的な曖昧な言葉に「冴え」がある。
打突の冴えだ。

冴えとは何か。
曖昧過ぎて多くの人が疑問に感じているに違いない。
とりあえず、辞書で調べてみた。

1 寒気・光・色・音などが澄みきること。「月光の—」
2 頭脳の働きや感覚が鋭いこと。技術などが鮮やかなこと。「勘の—」「包丁さばきの—」
3 江戸時代の遊里で、遊興のこと。また、酒宴。

weblio辞書

迷宮入りだ。
ラビリンスだ。
ミノタウロスすら出られないように作られているらしい。
入ったらもう抜け出すことすら困難だろう。

しかし、諦めるのはまだ早い。
辞書の意味から考えてみようではないか。

強いて言うなら「光・音などが澄みきること」が近いか。
または「技術などが鮮やかなこと」であろうか。
どちらも具体的なイメージが湧かない。

感覚的には「スーッと入ってスパーンと打つ」だ。
ミスタージャイアンツを彷彿させる。
「冴え」とは、それほど感覚的なものかもしれない。


伸びることが冴えにつながる?

「奈良・八起堂治療院」の記事が興味深い内容だったので、とりあえず読んで欲しい。
そして、読んだらもう一度ここに戻ってきて欲しい。
我が儘わがまま・気まま・うちのママで申し訳ない。

記事の内容を簡潔にまとめると……

ねじると伸びる

衝撃展開。
つまり、その気になればゴムゴムのガトリングやゴムゴムのピストルもできるに違いない。
いや、そこまでは伸びない。

そこまで伸びないとしても、メリットはあるだろう。
しかし、疑問も残る。

そもそも、打突時にねじってるのか?

ということだ。
記事内では「手の内を締める」と書かれているが、最終的にはねじると変化していた。
(今は記事を修正されています)
手の内を締めることは本当にねじることなのだろうか。

私が剣道を習い始めた頃、
「打突時には雑巾を絞るようにしろ」
と先輩に教わった。

明らかにねじっていた。

馬鹿正直な私は、愚直にそれを続けていた。
四段に合格するまで。
それでも、四段には合格できた。(9回目で)
もしかすると、五段も六段も合格できるかもしれない。

詳しくは書籍に書いてあるので、興味があったら読んで欲しい。

私は五段を受けている途中で「雑巾絞り」が間違いだと気付いた。
衝撃的だった。
正に伝言ゲーム。
誰がどんな風に言ったのか……
小学生の「絵しりとり」くらいの正答率だ。

専門書にはどこにも書かれていない。
書かれているのは「茶巾絞り」なのだ。
実は、茶巾はギュッと絞らない。
キュッと絞るのだ。
ミスタージャイアンツここに在り……ではない。

ギュッとキュッでは全然違う。
何を隠そう、ねじらないのだ。

打突時にはねじらずに絞り込む

ねじらないならどうするべきなのか。
絞り込むのが正解っぽい。
八段の先生が言ってるので間違いない。

技を出すとき、わたしは右手の小指でわずかに絞り込むような気持ちで押すようにし、両手の小指をわずかに絞るようにしています。こうすることで剣先が走り、竹刀の物打ち部分に力が備わった強くて冴えのある打ちになると考えています。

剣道時代「手の内と打突の冴え(笠村浩二)」

最初の部分はよくわからない。
ただ、最終的に小指を絞ることはわかった。
つまり、キュッと絞るのである。

絞るという表現が適切でないなら、握ると言い換えても良いだろう。
打突の瞬間に小指をキュッと握るのだ。

特に左の小指は竹刀の端を持っているので、剣先に力を加えるときには重要な役割を果たす。
右手はその時の支点となるのではないだろうか。
素人考えだが、てこの原理が働くものと考えた。
剣先が走ることにもつながる。

結果的に澄みきった音となる
 ・
 ・
 ・
に違いない。
冴えの正体はそれだけではないが、大きな要素となるだろう。

しかし、本当にねじらないのだろうか?

お前はもう、ねじっている

Fit Boxingのサブタイトルが「お前はもう痩せている」と知り驚愕した。
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「奈良・八起堂治療院」の記事では「ねじる」ことについて書かれていたが、実際の打突時にはねじらない。
(今は表現を修正されています)
しかし、もしかすると
「お前はもう、ねじっている」
のかもしれない。

打つ前にねじっているなんて、お得だ。
最初から腕が伸びている状態なのだ。

どういうことか。
構えた時点で、多少ねじれているのではないだろうか。
「上から握れ」とよく表現される。

極端に捻《ねじ》って持つわけではないが、
「親指と人差し指でできる"V"を柄革の縫い目に合わせる」
と考えると、多少ねじれてしまう。
知らず知らずの内に腕は伸びていた。

きっとそう。

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