自作ボドゲ「タブーコード」がバズるまで。~ケンチャンヌの説明書~

吾輩はケンチャンヌである! 名前はケンチャンヌです。

この記事はBoard Game Design Advent Calendar 2023 の12月24日の記事として書きました。

今年はケンチャンヌ5周年の節目としてボードゲームデザインアドベントカレンダーに記事を書かせていただくことにしました。
ゲーム制作に関する考えのアウトプットの機会とさせていただきます。(運営の上杉さん、ありがとうございます!)


初めての方も いらっしゃると思うので、軽く自己紹介いたします。
私は主にボードゲーム製作における、アートワークと英訳以外を担当しています。我が名をYoutubeで検索すると有名人様のプレイ動画が、Amazonだと商品が出てきます。
ケンチャンヌは滋賀を拠点に活動している怪物で、怒らせたら貴方の水道を本当に止めるので『琵琶湖の悪魔』として恐れられています。



それでは「タブーコードがバズるまで」と題しまして、我が人生を記します。4500字なので15分程度で読めるでしょう。


タブーコードは
・自分だけ見えないタブー(言葉/行動)を破ったら即脱落。
・しかし、自分のタブーが何か感づけたら解除チャレンジができて、当たっていたら即勝利。
・5分で決着がつかなかったら、最も喋ったり動いてた人の勝ち。
というトーキング デス バトルロワイヤルである。


いきなりだが、幸せとは何だろうか?(答えを考えついてからスクロールしてね↓)












人によって違う?というのが無難な答えだと思う。
しかし、私はあえて「身近な人との仲が良いこと」だけであると言い切る。

どれだけ成果が出なくても友人が居たら そんなに辛くないし、どれだけ成果が出ても独りなら辛い…そんな経験は無いだろうか?


私は、全人類が身近な人との関係が良好である世界を目指している。
そしてボードゲームには、その手助けとなるツールになりえると信じている。


私は中高大とクラスや学年の代表/まとめ役をやってきた。成人式もだ。大変だったが、別に嫌いではなかった。
なぜなら、代表は孤独を感じることが少ないからである。

孤独感は1人で居るときには感じない。
集団で独りのときに感じるものだ。1人は良いが、独りは良くない。
全員と話すことになるポジションは孤独になりにくい。

あなたはイジメ・ハブられた経験はあるだろうか?
私はある。生まれてから小学校高学年までに何回も そういう出来事があった。
身体能力で優位が決まる時期に、運悪く私は周りより成長が遅かった。
自分で解決する方法も分からず、成長スピードをコントロールすることは当たり前だが出来なかった。
全人類の肉体が平等だったら良かったのにと思っていた。

中学からは身体が追い付き、強化部に入ってスポーツに打ち込んだ。
高校3年になるころには、体力テストD判定からA判定になっていた。
これまでの人生で部活より、体力的に辛いと感じたことは無い。
クラス対抗の体育祭で私たちは2年生の時から優勝し、学校初の2回優勝したことのあるクラスとなった。しかし、部活動で私は結局1度もレギュラーを獲ることはできなかった。

この時期は誰でもスパイダーマンに成れる方法を考えていた。
当時は、人類の身体能力を同じに近づけることで身体的に劣っている小中学生を全員救えると思っていたからだ。
考えは変わらず、そのまま大学は生命科学系へ。ヒトから糸を出すことは難しいが、超人くらいなら割と出来そうだということが4年間で分かった。筋肉がつきやすくなるので、ダイエットで苦しんでいる人の助けにもなり、医療費削減にも貢献できるかなーと思っていた。美容整形やレーシックと同じように最初は批判されるだろうが、受け入れられるだろうと。ガンになりやすくなる問題は今も考え中である。
簡単に説明すると、筋肉にだけ特異的に輸送するアデノ随伴ウイルスベクターにミオスタチンという筋肉の成長を抑制するホルモンを生産するミオスタチン遺伝子を壊すブツを運ばせるのだ。かなり昔からマウスでは成功している。

その筋肉が付きやすくなる怪しい液体を作ってマウスに打つまでの工程を1人でできるようになるまで実験/練習した。そのためには周辺の知識をおろそかにすることはできなかった。2年生の時には所属している研究サークルでアメリカの学会へ行って金賞を取ったりしたし、3年の時は合格率15%の試験にも受かった。
しかし、卒業までに超人化の研究費と倫理的な許可が降りることはなかった。

それらの実験の間に作ったのが、「タブーコード」である。
ちょうど資格試験の勉強期間と重なる。私は2プロジェクトの同時並行が得意なのだと思う。1つでも3つでも力を発揮できない。
私はボドゲ制作に限らず「いろんなことをやってみて1回目で結果が出なかったら辞める」を繰り返すスタイルで生きている。今でも。


当時、主なゲームのデザイン/テストプレイは、カタンとインサイダーゲーム以外のボドゲを ほとんど知らない大学の友人たちに手伝ってもらった。もともとカタンとインサイダーゲームを遊ぶ習慣があり、それらを遊ぶノリで楽しみながら作った。メカニクスという言葉すら知らず、面白いか面白くないかだけを考えた。(今では考えられないが、大学生は1つのゲームを100回とか遊ぶのだ。それくらい お金がなかった)
このnoteを読んでいる人の99%を敵に回すだろうが、この時からボードゲームを作るために最も重要なのは制作の知識ではなく、
バカみたいに一緒の時間を楽しんでくれる友人であると確信している。

話を戻す。タブーコードの原案ができた後はゲームを作ったことのある先輩たちに相談して、頂いたアドバイスの良い部分だけ採用した。アドバイスはすべてルールや お題以外のところだった。
特にタイトル「タブーコード」の名付け親である「らっくむーびーイマイさん」には頭が上がらない。

その次に行ったPR戦略は今と変わっていない。「1万円クラウドファンディング」だ。
たとえ9万円しか集まらなかったとしても900%達成と色んなところに書ける。すでに有名な人はやる必要はないと思う。デメリットもあるので。

Youtuber水溜りボンド様が動画で「クラウドファンディングで30分で達成したらしい」と言っている。

私は30分で達成したことをツイッターでしか発信していない。もしクラウドファンディングのサイトを見ていたら9万しか集まってないじゃんとなるはずだ。そもそも開始した瞬間から30分間張り付いて見ているということは無いだろう。
上記の発言から、私のTwitterを見ていたor私のフォロワーの誰かが薦めてくれたと推測した。後者の可能性が高いと判断し、薦めてくれたフォロワーを5年間探している。はやく名乗り出てほしい。
ちなみにゲムマ2023秋でもUUUMのYoutuber様が来てくれた。広めてくれてるフォロワーありがとう。

クラウドファンディングの後はゲームマーケット2018秋だ。ニコボドのニコさんがゲムマ注目作としてブログを書いてくれていた。
それもあってか、1か月前の段階で たしか予約が165件入っていた。それも本名や電話番号を必須にしていたのにだ。この時点でバズっていたと言っても良いかもしれないが、水溜りボンド様に紹介されたところまでエッセイは続ける。
後ここらへんの時期に会社を作った。最初は税理士を雇っていたが、大した業務じゃないので、「ひとり社長の経理の基本」という本を読んで理解出来たら要らないと思う。わからないことがあれば税務署に行って聞けば良い。法務も同様である。登記はもっと簡単だ。(私は普通の人よりケチなのと、20代のうちは苦労してでも能力を身に着けたいと思っている。)

初めてのゲムマは滋賀から車で行った。もろもろ計算して最も安かったからだ。汐留ビルディングの駐車場が謎のセールで1日900円で駐車できた。
ちなみにタブーコード(カードスタンド4個入り)の原価は今でも変わらず400円程度である。割と低く抑えられているのではないだろうか?よくタブーコード2200円は安い!原価気にして!と言われるが、すでに原価の5倍以上の値段なのである。ラストペンギンは200円台後半である。ちなみに印刷会社は京都の「グラフィック」だ。


ゲームマーケット会場に到着すると、隣の卓がOink Gamesの中の方だった。大尊敬してる企業の人と一番最初に、まだ会場に来ただけなのに会えるとは思っていなかった。
開場するとタブーコードは一瞬で完売し、終わりまで試遊卓を回し続けた。のどは枯れたが、最高の時間を味わえた。仲間は自分事のように喜んでくれた。
どれだけ自分が有名になっても、売り手と買い手の交流は出来るようにしたいなと思った。この瞬間を提供してくれた人たちには感謝しかない。

翌日は合格率15%の資格試験だった。いろいろトラブルはあったが、結果は先述の通りだ。

私は準備の人間なのだと思う。有名なデザイナーはゲームマーケット直前まで作っていて発表も直前。それで売れるんだから本当に凄い。長年の信用があるのだと思う。
私はXデーから逆算して、やることをリストアップして1つずつこなす真逆のタイプだ。というか本当はゲームデザイナーじゃなくてプロデューサーとか編集の才能が有るんだと自分で思うし、ここ2年で そう言われることが増えた。

ゲームマーケットが終わって、年が明けた頃マーマンAsobiチャンネルさんがプレイ動画にしてくれたり、ほらボドのmomiさんがレビューをしてくれた。
ちなみにマーマンさんは水溜りボンドのトミーと顔が似ている。最初は「弟ってことか!」と思った。が違うらしい。
いま水溜りボンド様に紹介してくれた人物はmomiさんではないかと疑っている。

2月は丁合と実験の繰り返しだ。どこの企業からも、この量一人で作ってんの?と引かれた。
丁合作業といえば、私は足だけが冷えやすいのだが、「YAMAZENの電気ストーブ」を買ってから寒い思いを一切していない。ストーブを持ってない人にはオススメである。

そして3月。水溜りボンド様の動画が投下された。再生数 約300万回。
影響力の原子爆弾のように一瞬でムーブメントを起こし、業界に衝撃を与えた。
最初、実感が湧かず嬉しさを感じれなかった。少しでも普段ボードゲームをやらない人に興味を持ってもらえたら良いかなとだけ思っていた。
しかし、ゲームが当たるか分からない頃から無償で手伝ってくれていた友人たちが自分より喜んでいる姿を見て、とても嬉しいと感じた。

今タブーコードは3000個単位で印刷しているが、「リメイクさせてください初めは、なんと1000部印刷します!」と言われても、ありがたいけど丁重に断らせていただく。
全世界で1000万部 販売するという意志を持った出版社を紹介いただけると助かる。


クリスマスに予定は無かったが、今年はボードゲームを作る予定ができた。
私の予定を埋め、孤独を解消してくれるボードゲームと友人に感謝する。

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