#2 聖地巡礼と地元愛
滋賀県が大津
先週末、滋賀県大津に行ってきました。
きっかけは宮島未奈先生の小説「成瀬は天下を取りにいく」とその続編「成瀬は信じた道をいく」を読んだからである。
もっと言うとこの作品の主人公が住む街はどんな街なのか、更には作者の宮島未奈先生は何を観て感じてこの作品を書いたのかが気になったからである。
「成瀬は天下を取りにいく」「成瀬は信じた道をいく」は宮島未奈先生による小説。
「成瀬は天下を取りにいく」は2024年の本屋大賞を受賞した。
決してブレる事のない主人公成瀬あかりとそれに振り回される島崎みゆきを中心に様々な人物が交差していく、読みやすく読み応えも抜群な作品。
この2冊についての詳しい話もどこかで出来たらなと思います。。
小説とその聖地
滋賀県、楽しかった。聖地巡礼ということを抜きにしても楽しかった。
特に琵琶湖の大きさには驚いた。多分何も知らずに連れてこられたら海と間違えるほどには大きかったし綺麗だった。
琵琶湖周辺だけで無く、作品も舞台である京阪膳所駅にも行った。きらめき坂なども観たが敢えて誤解を恐れずにいうとすごく「ありきたりな街」だった。名所となる様な特別な何かがあるわけでも無く、眩しい都会でもない。
だからこそ私はその景色に感動した。「成瀬や島崎は本当にここに住んでいる」とも思えた。
作品を読んでイメージしていた膳所と現実の膳所が違和感なく一致した気がした。
作品を透かして街を見ているというよりももっと自然に、初めからそこにいて文字に起こしたという方が正しい気がするくらい自然に現実とフィクションが一致した。
小説はご存知の通り文字だけである。その描写から我々は作品の舞台、街並み、登場人物も表情を頭の中に投影しながら読んでいく。だからこそ想像の街はイメージが膨らむから私は漫画や映画の舞台よりも実際に見てみたい気持ちが強くなる。
大津もその気持ちに駆られて足を運んだのである。
地元愛と東京
突然だが私の地元は東京都の大田区である。産まれこそ東京ではなかったが物心ついてからの記憶は東京しかなく地元は東京となるのだが、最近自分を含めて東京都民は地元愛があまり無いのでは無いかと感じる事が多い。
ここ数年東京以外、特に関東圏外の出身の人物と関わる事が多いのだが殆どの人が自分の地元、区や市単位で自分の地元に誇りを持っておりそこに帰属意識があった。
東京はどうだろうか?自分はスポーツをやっていたこともあり様々な人と関わってきたが、区単位で自分の地元が好きだ。という人はあまり見てこなかった。
それどころか(謙遜かもしれないが)地元トークでよくない点について話している方が多い気がした。実際私も大田区の良いところは?と聞かれてもすぐ出てくるか怪しい。。
ではなぜ私は(自分の観測範囲ではあるが)東京とそれ以外で明確に地元愛が違うと感じたのだろうか?色々考えたが、正直分からなかった。東京都の成り立ちや発展まで掘る必要がありそうだとも思う。今後、東京の歴史を振り返る回もやりたい。
とりあえず今の東京にだけ目を向けると「東京の中でも一極集中しているから」と考えた。東京都民の中でも結局集まるのは渋谷、新宿、原宿、六本木など今上げたエリアの周辺になる事が多いのではないだろうか。私が地元の友人と遊ぶ、飲みにいく際も今挙げた近辺で集まる事が多い。
東京都民にとって地元は大人になると「住んでいるだけ」となってしまっているのかもしれない。自分の地元にもまだ見ぬ発見があるかもしれないのに東京のアイコンに釣られてしまっている。snsでバズっているから?皆んなが行っている街だから?何故かはわからないが自分の意思とは関係なく足が進んでいる。
まぁ正直決してこれが悪い事だとも思わない。実際楽しいのはもちろんだし。
今回「成瀬は天下を取りにいく」を読んで、その聖地である膳所へ足を運んで、成瀬が誇りを持っている街を見て私ももっと地元を知りたいと思った。そしてまだ見ぬ魅力を伝えたいとも思った。
踵を返して家に帰ろう。
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