星新一のショートショートで生成AIに縛られる私たちの「今」が見える話

本日は"また"ではありますが
ネタは割と新鮮な「生成AI」の話です。

世の中が「AIまみれ」になりつつある中で
何がどうなっているのやら・・・
とお考えの方にもご参考になれば幸いです。


●ChatGPT4oの一部が無料に
→よってChatGPTベースの「ツール」は上書きモードが進む

お気づきの方は多いかと思いますが、生成AIのトップを走る
ChatGPTの無料版が、

従来:ChatGPT3.5

今:ChatGPT3.5 とChatGPT4oの一部機能

まで拡張されました。

有料版はChatGPT Plusのままでこれは
最新情報まで学習しているChatGPT4をベースにしていますが

ChatGPT3.5
ChatGPT4
ChatGPT4o

と並ぶだけでわけがわからなくなっても当然です。

細かい説明はまた別の機会にして、ざくっと言うと

ChatGPT3.5とChatGPT4の違いでは、
後者がマルチモーダル(後で説明します)、
アウトプットにおける知識などの優秀性
正確性、そして有料であることなどいくつかポイントがあります。

で、ここでお話しておきたいのは
ChatGPT4oであり、その「o」ってなに?
と思われる方がほとんどだと想像しています。

「o」は「omini(オムニ)」の略で
オムニバスという言葉ならよく知られているように
「全部」という意味合いを含んでいます。

なにが全部なの?

という点ですが、ChatGPT3.5でも他のライバルの多くも
テキストを入力して、テキストを吐き出す仕様ですよね?

ですがChatGPT4oの「o」にはテキスト以外の情報も含める狙いがあります。

例えば、カメラで撮った映像プラス、マイクで録音した会話があるとします。

ここには映像と音という2つの情報源があるわけですが、
その情報源から映っている人が、どんな会話をしているのかを
中身を人ではなく「AI」が分析することもできます。

あるケースでは、ヤバイ話をしているぞと防犯に役立つかもしれませんね。
ただ同時にプライバシー侵害のリスクもそこに存在します。

ともかくこのように2つ以上の別々の情報を一緒に扱えることを

「マルチモーダル」と呼んでいます。

ChatGPTを始めとする世の中の生成AIはことごとく
そのマルチモーダル化を加速しています。

「五感をもつAI」というべきでしょうか。

で、とりあえずここでお話しておきたかったのは
ChatGPTベースのアプリ(市販のツールの98%以上はChatGPTベース)は、
このような生成AIのマルチモーダル化の加速に合わせて
どんどん上書きモードが進むということです。

私が今年リリースした以下の「AIアシストアフィリエイト」では
この上書き状態が水面下で進行中でしたのでLPでも触れています。

https://ai-asst-aff.com/

つまり古いアプリはどんどん淘汰されます。
まだ立ち上がったばかりの過渡期なので
何らかのAIツールを購入する場合にはその点に留意してくださいね。

一瞬で他のツールに支配される戦いがしばらく続くので
体力勝負(資本と独創的な技術力)になります。

メジャーな戦いはマグニフィセント・セブンの間で熾烈に行われており、
国内で太刀打ちできる企業は今のところ存在しません。

もしご自分でChatGPTベースのアプリを作り販売したいなら、
販売開始後のAPI仕様変更や他社との差別化を
どうやって対応するのかをよくお考えになるほうが賢明です。
(何を置いてもAIを優先するオタクくらいでないと
環境変化に振り回され挫折が見えています)

因みにマグニフィセント・セブンとはこの記事でご紹介しています。
ChatGPTを提供するOpenAIはMicrosoft傘下と理解しましょう。

https://www.ifrv.net/strategy/16833/


●星新一は生成AIに縛られる私たちの生き様を予言していた!?

星新一(敬称略)といえば、私は少年時代からの大ファンで
出版されたすべての本を買い漁っておりました。

もうずいぶん前にお亡くなりで寂しいばかりですが、
小松左京・筒井康隆と並んで「SF御三家」と呼ばれています。

星新一のSFショートショートは、一篇が数ページものですので
パッと読めて、毎度シュールな未来世界を予感させるものでした。

最近ひさしぶりに、1970年に出版された彼の『声の網』を
読み返して、「う~ん」と唸ったまま声が出ないほど
衝撃を受けたことことがあり、詳しくはまたあらためて解説しますので
今回はそのポイントだけ。

1970年代といえば当然ながらネットもPCも携帯もありません。

ネットという概念すらなかったので、その状況を一般の人が
想像することすらできないと言って間違いないと思います。

通信手段の主なものといえば「電話」
固定電話のことです。
家の黒電話か公衆電話か、という時代です。

電話の役目は、まさに電話で話をする以外に考えられない時代です。

『声の網』では、その「電話」を使ってお金の振込みや引き出し、
また診察も受けられるというものでそこに「AI」らしき機能が
重要な役割をもっているような話があります。

つまり電話に託す"夢"の生活が描かれていたのです。

さらに、自分自身の記憶や情報を電話を使って記録しておくという
今では不思議でもなんでもなくても当時は
「そんなことできるわけがない」話であり魅了されました。

この話の延長線上に、2024年の今、現実に起こりつつあることと
似た描写がありとても衝撃を受けたのです。

生成AIのよくあるツールを思い出してください。

誰かが生成AIを使ったツールにて(ChatGPTそのものでも、有料アプリでも同じ)
ある文章を作らせ、それをまるまるコピペしてネットに投稿。

アフィリなんぞでよく使われてる手ですが、今度は読み手の話です。

読み手側もその投稿記事をじっくりと読むのではなく

「生成AIを使って要約」したものを選択的に読む、

ということが起こりつつあります。

これは何を意味するのでしょうか?

情報の提供側でも消費する側(=読む側)でも
情報の扱い方、特に消費の仕方が変わりつつあるという状況です。

生情報ではなく、AIに要約させて、つまり加工され必要な情報だけ消費。

言いたいことを誰かに作らせ記憶させておき(=コンピュータに言わせ)
知りたいことの要点を誰かにまとめさせ(=コンピュータに任せ)

というように、"人は何もしないで楽できる"
夢のような世界です(笑)

こういったことが50年以上前に予言されていたように感じて、

人間っていったいなんなんでしょうね?

ということを星新一へ聞いてみたかったです。

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