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伊東豊雄の『MIKIMOTO Ginza2』を題材にGH書いてみた

建築家 伊東豊雄さんによるテナントビルです。
ファサードはランダムに穿たれた様々な形状の開口が特徴となってます。
今回はこのファサードデザインをシミュレーションするGHを書いていきます。
ヨコミゾマコトさんの『GSH』に一見近いファサードデザインですが、実はデジタルデザイン上、大きな違いがあり、まったく異なるアプローチでデジタルデザインしています。

MIKIMOTO Ginza2の作り方

まずは、建物外形を作成していきます。
Rectangle』で長方形平面を作成し、『Extrude』で立ち上げます。

外壁として厚みを持たせていきます。
外壁面を取り出し、各面ごとに『Evaluate Surface』で法線ベクトルを求め、『Extrude』で厚みを持たせます。

ベースとなる建物外壁の作成と並行して、ランダムな開口を開けるための準備も進めていきます。ここが今回の肝になります。

ここで、『GSH』と異なる『MIKIMOTO Ginza2』の特徴ですが、『MIKIMOTO Ginza2』はコーナー部をまたぐように開口が開いているデザインとなっています。
『GSH』の場合はコーナー部に開口がないため、それぞれの面ごとに独立して開口を開けるロジックでしたが、今回はその方法だとコーナー部にまたがる開口が生成できません。
そこで、外壁面を『Unroll』で展開し、一度、1枚の面にした上でランダムに開口を開け、最後に立体に戻します。

展開したSurfaceに対して『Voronoi』でボロノイ図形を生成することで無数のランダムな多角形を生成します。
面ごとに分けた範囲でなく、全体を一面としてボロノイ図形を生成することで各面をまたぐ多角形の開口が得られます。

次に、ランダムな開口とするためにボロノイ図形から『Random Reduce』で間引きを行います。残った緑のCurveが開口候補となる多角形です。

いよいよ間引いて得られたランダムな多角形を立体の外壁面に戻していきます。ボロノイ図形を描いた展開の面から立体の面に戻すには『Orient』コンポーネントを使用します。
素直に『Map To Surface』を使いたいところですが、このコンポーネントは中々クセのあるコンポーネントで思うように動いてくれないことが実は多いので他の方法も知っておいて損はありません。今回も『Orient』コンポーネントを使用しました。

平面のCurveを『Orient』で立体のSurface面に再配置
展開した面と立体の面の向きを合わせる部分がポイント

次に、バラけた多角形の開口とするために、隣接する多角形がある場合は取り除く処理を『Collision Many|Many』で行います。

他の多角形と隣接するパターンを取り除く

最後に、外壁から開口部をくり抜き、ガラス部と併せてそれぞれマテリアル設定をして完成です。

展開したSurface上に生成した多角形Curveが立体に再配置された結果
外壁とガラスのそれぞれをマテリアルを与えながら表示


プログラム全体像

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そのまま使えるGHファイルを以下で公開してます。

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