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タイムマシンとしてのデジタルデザイン

従来のCADによる建築設計では、
企画設計→基本設計→実施設計→生産設計→施工
と、上流から下流へと流れていくように検討粒度が上がっていくのが一般的です。

  1. 企画設計:建物ボリュームを検討(1/300のスケール感)

  2. 基本設計:企画設計で検討された建物ボリュームをベースに各室の設計やデザイン検討を行っていく(1/50~1/200のスケール感)

  3. 実施設計:基本設計でまとめた基本計画を実現するために、より詳細な検討を行っていくフェーズ(1/50のスケール感)

  4. 生産設計:実施設計図から施工できるだけの詳細な検討を行っていくフェーズ(1/25のスケール感)

  5. 施工:施工図から実際に建物を立ち上げる最終フェーズ

最後にアウトプットして形に残るのは、施工された建物=1/1のスケールでの評価になりますが、詳細な納まりまで含めて検討し始めると計画に変更が生じたり、、とすると1つ前の検討に戻って計画を見直した上で、再度詳細検討をし直すという手戻りが起こることとなり、非効率にな手戻り作業となります。

ここで、
従来、生産設計フェーズで行っていた検討が前倒して取り込むことができるとすると・・?
そして、その検討が多少の変更があったとしても後々再度やり直す必要なく検討結果が活かせるとすると・・?
実現可能なレベルまでの検討ができた上での計画の検討ができていることになり、かなり設計として精度が上がってくるのではないでしょうか?
詳細まで検討してみて、何かまずそうであれば、細かいところまで手を動かす前に計画を見直して手戻らないようにしましょうという話です。
つまり、上流から下流への流れは相変わらず水のように流れていくことは変わっていない点がポイントです。

これまでのデザインは1つ1つの積み重ねでしたが、デジタルデザインでは、うまくロジックを検討してあげることで、ある程度遡ってアウトプットの変更・調整を行うことが可能になるのです。

例えば、
従来、上流から下流へと一方通行の流れで設計してきましたが、
デジタルデザインではある程度検討を遡って(検討条件を後から変えて)アウトプットを出すことが可能となるわけです。
重要なのは、ロジックをうまくデザインしてあげることになり、『設計』におけるデザインが直接的なものから最終アウトプットの産み出し方のデザインへと変わっていくことになります。

設計の仕方が変わることで検討の仕方も変わり、新たな建築が産み出されることを思い描いて『設計の仕方を設計する』をライフワークとして考えてます。

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