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【4】テレビゲームに隠された思考

テレビゲームとは、家庭用テレビにゲーム画面を表示させるテレビゲーム機による、コンピュータゲームを指し示す和製英語だ。任天堂にんてんどう 株式会社(Nintendo,.co.Ltd.)が1983年7月15日に発売したファミコン(ファミリーコンピュータ)によるゲーム遊びの流行ブームが【エポックメイキングな遊びの文化】を生み出し、世の中へ定着した言い回しである。

で、メリケンだのブリテンな英語では「Video game 表記なのさ!」とか「 TV game はテレビのクイズ番組だべさ!」などと異論反論が出てくるがだまらっしゃい。ジパングにはジパングの道行きがあるからテレビゲームなのだ。

経緯はこうです。

そもそもの始まりは1980年4月28日。ざっとファミコン発売の三年前に登場した携帯型 液晶ゲーム機、ゲーム&ウオッチにある。今は亡き横井 軍平さんが新幹線で見かけた「液晶電卓の計算遊び」をヒントに生み出された、電卓サイズのゲーム機だ。ポイントはゲーム&ウオッチのウオッチな時計だ。ぶっちゃけ、用意した三つのゲームが一つおもしろくなかったので時計機能がプラスされたのだが、当時は大人がゲームを買うには敷居が高かったからゲーム付の時計ならば買いやすいだろうと想定された。

つまり、遊ぶ時はゲームで遊ばない時は時計という二刀流のポジショニングが、ゲーム&ウオッチなのであった。ちょっとした空き時間を埋める、パッと見でわかるルールでついついやめられなくなる中毒性を秘めた、アイデア勝負のゲーム達。無関心の壁に風穴を開けていく、関心のスレッジハンマーから快音が響き渡る。

というわけで、テレビゲームに隠された思考とは、まさしくゲーム&テレビだった。テレビに【ゲーム】という新たなチャンネルが開設された。そして日夜、アイデア勝負の大一番が繰り広げられていった。

当時、テレビは娯楽の王だった。

一家に一台、家族団欒の真ん中へ君臨し、一瞬で目の前に夢の世界が広がる魔法の箱。全国レベルの一斉配信が国民的ニュース、国民的スター、国民的ドラマ、国民的流行歌を生み出していく国民的メディア。

その証拠に、電化製品の三種の神器として、敗戦後に白黒テレビ・洗濯機・冷蔵庫が、高度成長期にカラーテレビ・クーラー・カーが人々の憧れとなった時、真っ先に普及したのは二度ともテレビであった。

テレビゲームという言葉には、コンピュータゲームが娯楽の王たるテレビと渡り合ってきた歴史が刻まれている。やっぱりビデオゲームやゲームじゃ物足りない。もちろんファミコン(ファミリーコンピュータ)やNES(Nintendo Entertainment System)はテレビゲームの象徴シンボルとして語り継げばよろしい。

さて、どうでしょう?

追伸:ふと気になったことがある。

2023年4月。三度目の映画化がなされたスーパーマリオブラザーズが、劇場公開されるのをご存じだろうか?

ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー - Wikipedia

日米では劇場公開日が異なり、米国は4月5日、日本は4月28日となった。日本の公開日が、奇しくも横井 軍平さんが手掛けたゲーム&ウオッチの発売日と同じ日付となった。

大型連休ゴールデンウィークだと言ってしまえばそれまでだ。マリオシリーズを手掛けた宮本 茂さんは横井軍平さんを師と仰いでいる。脳裏に浮かんだのは私だけだろうか。ならばせめて私くらいは構うまい。【運命は必然という偶然でできてる】と記しておくとしよう。



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