ハウス・ジャック・ビルト

あらすじ
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1970年代の米ワシントン州。 建築家になる夢を持つハンサムな独身の技師ジャックはあるきっかけからアートを創作するかのように殺人に没頭する…。彼の5つのエピソードを通じて明かされる、“ジャックの家”を建てるまでのシリアルキラー12年間の軌跡。
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感想
《カンヌ国際映画祭公式上映で途中退出者続出!!》という謳い文句と日本版では規制がないR18版ということで結構グロいというかスプラッター要素が強い印象だったけど実際はそんなことはなく視覚からの直接的なものではなく1人の人間が堕ちていく様子、【材料】および【材料】の加工の生々しさが嫌悪感を煽ってくる感じですね。

ストーリーの展開としては"ジャックの家"が建つまでの回想を5つのエピソードとしてシリアルキラーの軌跡を追っていく話。
エピソード間でジャックと謎の老人の会話があり、ジャックの人格、論理などパーソナルな部分に触れらている。

最初のエピソードでの【材料】の調達を機に自分を行動を自分なりの理論で正当化し、自分の理想(芸術)に行き詰まって堕ちていく様子、それでも自分の芸術を貫き通そうとする様子はサイコパスとみるか芸術家とみるか分かれると思います。
個人的には3番目のエピソードが1番ジャックの芸術性という異常性が見ることができるのと生理的嫌悪感を覚えるであろうエピソードで好きでした。
本編の終盤="ジャックの家"が完成してからは回想が終わり物語が進むのだがこれまでとテイストが違うのと地獄に向かっていく(堕ちていく)様子が描かれていて作品を通してジャックが堕ちていくのが面白い作品でした。

この映画はスタッフロールの最後の一文がこの映画を面白さを表していると思うので最後までみてもらいたいですね。

ただ、プロットとして
・ジャックは強迫性障害を患っていて自分を『建築技師』と思い込んでいる

・「ヴァージ」および地獄の階層はダンテの『神曲』から引用されている

という事を頭に入れとかないと内容の理解出来ないかもしれませんね。

■作品のあらすじ~ネタバレ
https://cinemarche.net/suspense/the-house-that-jack-built-maru/#i-2

■作品のワード解説等
https://ciatr.jp/topics/242230


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