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1か月予報はどのくらい適中するのか?(その3)

※2)
東日本と西日本の日照時間の予報確率の入力に誤りがあったことに気付きました。あらためて訂正させていただきます。(2021/2/25 AM5:30訂正)
※1)
文中、最も多用した一番大切な言葉で誤字がありました。
「的中」(誤)→「適中」(正)でした。

その1、その2では、予報区分ごとの適中率や時系列での適中状況をお伝えしました。今回は予報要素ごとにどんな確率の予報がどのくらい発表されていて、その確率ごとの適中率がどうだったのかをお伝えします。

確率ごとの発表回数

気温
2020年は(も)高温傾向が続き、気温が高い確率が大きいとする予報が多く出されました。その結果、平年並みが絡んだ予報は全予報回数の25%にとどまりました。
 気温が高い確率が50%以上 148回(71%)
 気温が低い確率が50%以上  8回(4%)
 ほぼ平年並         22回(11%)
  (40:30:30、30:40:30、30:30:40)
 平年並みか高い      20回(10%)
  (20:40:40)
 平年並みか低い       9回(4%)
※年間予報回数は208回:1予報区分52回/年×4予報区分

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降水量
降水量は平年並みが絡んだ予報が年間予報回数の9割を超えていました。
 降水量が多い確率が50%以上  18回(5%)
 降水量が少ない確率が50%以上  6回(2%)
 ほぼ平年並          217回(60%)
  (40:30:30、30:40:30、30:30:40)
 平年並みか多い        61回(17%)
  (20:40:40)
 平年並みか少ない       62回(17%)
  (40:40:20)
※年間予報回数は364回:1予報区分52回/年×7予報区分

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日照時間
日照時間も平年並みが絡んだ予報が全体の9割を超えていました。
 日照時間が多い確率が50%以上  12回(3%)   *2) 14回(4%)
 日照時間が少ない確率が50%以上 20回(5%)   *2) 12回(3%)
 ほぼ平年並           224回(62%)    *2) 218回(60%)
  (40:30:30、30:40:30、30:30:40)
 平年並みか多い         57回(16%)    *2) 70回(19%)
  (20:40:40)
 平年並みか少ない        51回(14%)    *2) 50回(14%)
  (40:40:20)
※年間予報回数は364回:1予報区分52回/年×7予報区分
*2) 訂正前 の誤っていた値

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予報確率ごとの適中率

季節予報(確率予報)の精度について気象庁は気象庁のHPの中で次のように表現しています。

「気温が「高い」となる確率が50%」という予報を100回発表した場合、50回つまり50%の割合で実際に気温が「高い」となったときに、予報した確率が適切であったということができます。仮に「気温が「高い」となる確率が50%」と予報しているにもかかわらず、実際には20%や80%の割合で気温が高くなったならば、予報した50%という確率が大きすぎ、もしくは小さすぎたことになり、確率が適切であったとはいえません。

https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/kisetsu_riyou/accuracy/index.html

今回まとめた適中率はあくまでも独自の考え方で整理していることをあらかじめご承知おきください。


適中/ほぼ適中/やや不適中/不適中について
「1か月予報は適中するのか(その1)」に上記4つの分類の考え方について記載しましたが、改めて示しておきたいと思います。

20:40:4040:40:20の確率は最大の確率が2つ存在するので、実況がそのどちらかであれば、これをほぼ適中として橙色で表現しました。

30:30:4030:40:3040:30:30の確率は気象庁の季節予報の解釈としてはほぼ平年並みですが、この3つの予報確率については、最も高い確率と実況が合致していれば適中、最も高い確率と隣り合う確率と実況が合致していればやや不適中として灰色で表現しました。したがって、30:40:30の確率の場合は実況が低くても高くても結果はやや不適中となります。

気温の適中

高い確率が50%以上のとき     81%[120/148]
低い確率が50%以上のとき    100%[8/8]
平年並みか高い(20:40:40)   65%[13/20]
平年並みか低い(40:40:20)   89%[8/9]
※[]内は[適中数/発表数]
ほぼ平年並みの予報(発表数は22回)では30:40:30を除くと図に示す通りやや不的中まで含めても60%程度の的中率となりました。

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降水量の適中率

多い確率が50%以上のとき     57%[13/18]
少ない確率が50%以上のとき    50%[3/6]
平年並みか多い(20:40:40)   90%[55/61]
平年並みか少ない(40:40:20)  78%[49/62]
※[]内は[適中数/発表数]
ほぼ平年並みの予報(発表数は218回)では30:40:30を除くと図に示す通りやや不適中まで含めても77%程度の適中率となりました。

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日照時間の適中率

多い確率が50%以上のとき     92%[11/12]  *2) 57%[8/14]
少ない確率が50%以上のとき    55%[11/20]  *2) 50%[6/12]
平年並みか多い(20:40:40)   82%[47/57]  *2) 74%[52/70]
平年並みか少ない(40:40:20)  82%[42/51]  *2) 64%[32/50]
※[]内は[適中数/発表数]
ほぼ平年並みの予報(発表数は217回)では30:40:30を除くと図に示す通りやや不適中まで含めて86%程度の適中率となりました。

*2) 訂正前 の誤っていた値

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