見出し画像

『言語化力』を読んでみた。

■本レポートの抜粋--------------

「想いや考えを伝える」「人を動かす」「自分の道を切り開く・やる気を出す」

誰でも簡単に意識せずに日常的に使っている「言葉」こそが、あなたの価値を明確にし、あなたの願いを叶え、あなたを成長させるたった一つの、そして最強の武器だ。

ーーーーーー書籍情報ーーーーーー

書籍名:言語化力

著 書:三浦崇宏

ーーーーーーーーーーーーーーーー

◼️本書の選定理由

普段の広告にも使える『伝え方』の勉強にもなりますが、直近コロナウィルスの影響もありクライアントも経済的不況に見舞われているところが多いです。

そんな状況の中、クライアントにWeb広告施策の重要性を説く場面が、打合せや普段のコミュニケーションの中でよく発生します。ところが今回課題として挙げる『伝え方』や『言葉の選び方』が原因で、伝えたい内容を100%伝達できていない、対策をするべきだと思い、今回本書を選びました。

(営業のKさんのnoteをみて良さげな本だと思ったのも理由の1つです)

先週も同様にクライアントとの関わり方を改善したくて、書籍『年間報酬3000万円超えが10年続くコンサルタントの教科書』を読みましたが、合わせてこちらも学ぶことでより深い学びに結びつけて行きます。

ーーーーーーーーーーーーーーーー

◼️スタンスを決める

瞬時に言葉が出て来る人、出てこない人とでは何が違うのか。著者はこれを『自分のスタンス(構え方)、つまり社会に対する向き合い方がある程度固まっているから』と表現しています。例えば、

政治的な事 → スタンス:『原則的には民主主義には賛成だが、衆愚政治に陥ることに対しては警戒的』

この『軸』や『一貫性』とも呼べるもの、スタンスを持っているか考えているかが重要で、僕の場合は正直ない・フワッとしているところがありました。業務で言えば理念が当てはまりますが、自分自身の内側から滲み出て来たものを持っていないからこそ言葉が出てこないというのは書籍を読んで図星をグサッと突かれた感があります。

当然ぼくを含めて、誰か個人の回答が社会における絶対的な正解であることはありえない。だから正解も間違いもない。こんな気楽な問題はない。

書籍内にあるスタンスを決めるための質問2種に沿って、スタンスの切り出しをやってみます。

◼️言語化には段取りがある

ある問題や事象について、何かを語るとき、思考を言語化するには次のプロセスが必要だと著者は述べている。

0:スタンスを決める
1:本質をつかむ
2:感情を見つめる
3:言葉を整える

0:まずは自分の世の中との向き合い方を決めないといけない。難しく考える必要はなく、自分の社会における立ち位置と世の中に対する好き嫌いを明確にしておくくらいのイメージで良いと著者は述べています。

この自分自身と世の中に向き合うスタンスが定まっていれば、どんな質問が来ても自分のスタンスで考えられるのでスムーズに自分の考えを口にすることができます。※趣味など熱中できるものだと強いそう

例)アドフラウド問題、コロナ問題、旅行(これは僕の趣味)

重要なこと、僕たちができる精一杯のことはたった一つ、目の前に現れる無限の思考の分岐点で自分のスタンスを貫き続けることだ。

1:次にやらなければならないことは、その問題や議論の本質をつかむ作業(いわゆる『抽象化』)だと著者は述べています。表面的に現れている現象を追いかけるのではなく、現象が起きてしまっている構造を大づかみにしないといけません。具体的なプロセスは下記が該当します。

・固有名詞を省いて
・時系列も無視して
・行為と現象と関係性だけを抜き出す

例えば自転車に乗ること。これも下記のように分解できる。

・鍵を解除して
・サドルに腰を下ろして
・ハンドルを握って
・ペダルをこぐ(この時重要なのは両足にかける力を均等にすること)

慣れるまでは大変だが、これも単に脳の運動にすぎないため何回か練習をこなせば、自然と習慣になっていきます。

2:問題の本質をつかむ、これは主観や自分自身を排除して、問題に対して徹底的に客観的になることです。そしてその次は、逆に思いっきり自分に目を向けて見ることが必要と著者は述べています。

これは書籍内に記述はありませんが、社長が述べていた『一貫性』と同義だなと思うと同時に、僕自身この自分にベクトルを向けて見るがマルッとスポッと抜けていることに気づけました。

自分の意志・感情・意見がない言葉をどれだけ紡いだところで、そこには何の意味もない。人はそんな言葉に心を動かされることはない。人の心を動かすのはいつだって解説ではなく、感情だ。

問題の本質をつかんだら、自分のスタンスと照らし合わせ、自分がそれに対してどんな感情を持ったかを丁寧にすくい上げる

ムカついたのか、誰かに伝えたくなったのか、自分一人で大切にしまって起きたくなったのか。。そうすると次第に自分の感情の輪郭が見えてくる。

そして、自分がその感情を抱いた理由を考える。答えが出てくるまで自問自答を繰り返す。自分自身で納得できるように紐解いて行くことで、あなたの言葉、思考にオリジナリティが生まれるのです。

3:ここまで『スタンスを決める』『問題の本質をつかむ』『自分の感情を見つめる』と言うステップを踏んで来たら、最後は『言葉を整える』のが最後です。※料理に例えるなら下記

『スタンスを決める』=どんな料理を作るか決める
『問題の本質をつかむ』=食材を決める
『自分の感情を見つめる』=調理加工する
『言葉を整える』=最後にお皿に盛り付ける

そして言葉を整えるとは、具体的に下記のような作業を行って行くことです。

・言い方を丁寧にする:『相手のせい』→『相手にも責任がある』
・ネガティブをポジティブに言い換える:『もう1つしかない』→『最後の1つになった』
・自分の責任にする:『電車が事故で遅れた』→『事故で遅れる電車に乗ってしまった』
・可能性を残す:『ゲームは一方的に終了』→『今回のゲームはあっという間に終わってしまった』

この最後のステップより、それまでの3つのステップが重要で、それらを丁寧に仕込んでいけば、十分に強い言葉を手に入れることができます。

◼️『印象に残る言葉』をいかに生み出すか

『パンチライン』という言葉をご存知でしょうか? ラップの世界では記憶に残り、感情を動かす強い決めの言葉をそう呼ぶそうです。仕事で企画書を書く時、人に手紙やメッセージ、LINEで長い文章を送るとき、そして何かのメディアの取材に答える時に著者はこのパンチラインを残すことを意識しており、その中でも特に気をつけている最低限のポイントは以下4つ。

・『短くシンプル』か
・『意外性』があるか
・『学び』があるか
・明日から『すぐにやれるか』

これらの他にも少し本質的なポイントがあると著者は述べています。それが下記4つのポイントです。

1つ目:『視点を上げる』→自分が『社員』だったら『部長』の視点、『社長』の視点で物事を見てみる
2つ目:『領域を広げて、一般化して考える』→ 読モの友達がインスタのDMでセクハラをされている=『実は世の中の女性は、生きているだけで悪意に晒されている』
3つ目:『逆張りをする』→ 『人脈が大事だ』と言ってる中で『人脈なんて言葉を使ってるやつはクソだ』といえばこれは明確な逆張りになる(本当に伝えたいことを伝えるためにも、まず逆張りした強いメッセージを発信することはとても有効)
4つ目:『ゴールから逆算する』→ 人が気づいていない世界の真実、本質的なことをきちんといえば、それは当然ながら強い言葉になる。

4つ目に関してはお酒が例になっている。『お酒を飲めないと、広告代理店では出世できない』という印象があって、お酒を飲んだ方が周囲からの印象もいいし、お酒を飲めない奴はつまんない奴だと思われがちな状況が前提としてあるとする。

すると著者の回答は『酒が飲めないなら、別の面白さを見せればいいだけ』となる。(飲めないことを武器にして開き直って話せばいい)

『お酒を飲んで欲しい』と言う人々の欲求の本質は何か?を考えたとき、それは『無理をして欲しい』から、というのが広告業界のTOPで10年以上働いた経験のある著者の回答になっています。

マーケティングの世界でよく出てくる例えに『顧客が本当に欲しいものはドリルではなく、穴である』という有名な言葉があります。印象に残る言葉、パンチラインを生み出すために本質をつく、そのためのプロセスの考え方は生活の中全てで鍛えることができます。

1つ前の章と合わせて言えること、直近の課題に対してだと『アフターコロナに希望の光になるため』が今回僕の中で出て来たパンチラインになります。誰しもが不安を抱える中で『生き抜くために』と言った言葉を考えましたが、社員も、エンドユーザーも経営者自身も、業界全体も不安に狩られているはずです、だからこそ率先して先手を打つ動きを見せる、そのための協力者としてパートナーとしてできることをやって行くスタンスを見せることが今重要だと言うことを伝えられるなと思ったからです。

こればかりは本書を読んだ目的以外にも使えるため、日常から鍛えていきます。

◼️人を動かすときの3つのポイント

①目的を明確にすること
②目的に向かうプロセスを明確にすること
③主語を複数にすること

言葉で人を動かす。難しいように思えるがそんなことはないと著者は述べています。なぜなら、人は言葉でしか動かないからです。上記は著者が考える人を動かす時の3つのポイントになります。

①:桃太郎を例にすると、ただ『動け』というより、『鬼を退治しに行こう』と目的をはっきりさせると動きやすい。

②:著者がかつて所属していた広告代理店チームで過去、カンヌ国際映画祭で賞を取ることが至上命題になっている時期があったそうだ。その時自身のチームと毎年賞を取っていたチームのプロセスの違いが下記だそうだ。

・『みんなで頑張ってカンヌ獲ろうぜ!』
・『ここまで頑張ればカンヌ獲れるぞ』

目的にたどり着くための条件、プロセスを明確に定義づけ出来るから努力のゴールイメージが明確になる。ゴールがあって人は頑張れるのです。

③:また桃太郎を例に出しますが、『鬼を退治してこい』でなく『一緒に鬼退治しに行こう』と伝える。視点を『I』から『We』に変えることが有効だと著者は述べています。

この③は特にクライアントワークでも使えるなと感じました。常に相手の視点に立つ、代理店でなくパートナーとして覚悟(スタンス)を決めて、一緒に目的(事業を伸ばす)を達成する。自身が変わるのもそうですが、チームがそうなればより今回のコロナのように大変な時期でも、共に前に進んでいけるはずです。

◼️言葉で相手との関係を変える

著者はクライアント、ではなくパートナーと読んでいる前述した③と同じで一緒に売り上げをあげて行くための共同体、代理店ではなくパートナーだという立ち位置を形成する、伝えることが重要だと思います。

先週読んだ書籍『年間報酬3000万円超えが10年続くコンサルタントの教科書』にもありましたが、月々の代行費が10万円だったと仮にすると、それをクライアントにとってただの『代行費』とするのか、『役割は幹部社員クラス、報酬は新入社員以下で、社外ナンバー2として価値提供する"パートナー型"コンサルティング費用』とするのか、どちらのスタンスを取り、そのスタンスを顧客へどう伝えるかも今回のコンテンツに当てはまるように思えます。

※ちなみ電通はクライアントのことを『お得意』、博報堂では『得意先』と言うようで、同じ広告代理店というビジネスなのにちょっとした言葉遣いが違うのも面白いです。

顧客の呼び方を『支援先』と呼ぶ代理店もあるそうですが、それだと上から目線感があるし、逆に広告会社を『代理店』と捉えるか、『ベンダー』と捉えるか、お客さんにどちらで捉えて欲しいかを伝える伝えないも各コンサルの意識(スタンス)次第です。

どんな関係をつくっていくかは、言葉の使い方で変わってくる。逆に言えば、言葉の使い方によって相手との関係をコントロールできるということにもなります。『言葉を見る』のではなく『その向こうで何が動くか』、変化を起こせるかの視点を常に持ち行動に落とすことで周囲の環境は変えられます(最初うまくいかなくても練習しコツを掴めば身につくはず)

◼️まとめ

前提として今回の読書の目的は、現状のコロナウィルスに対して今できる対策や関係値づくりを強化するためでした。その目的というフィルターを通して+普段の在り方の2軸で結果的に本書を読んでみたのですが、どちらにもプラスとなる学びを以下得ることができたのはよかったです。

また言葉の重要性、作り方、意味付け・意義づけについて著者の体験を交えて話がまとめられていて読みやすく、再現性も高い書籍になっていました。特に読んでいて驚いたのは先週読んだ『年間報酬3000万円超えが10年続くコンサルタントの対話術』と同じく『スタンス』の話が出てきたところです。

・代理店として

・コンサルとして

・普段の自分の意見として

どういったスタンスをとるか決めている、決めていないかによっても日々の行動は変わるし、変えられる。その重要性が2冊共通で書いてあったことに驚きました。(この点が刺さったのも、普段からスタンスを意識した生活や行動を取っていなかったからだと勝手に反省する部分もありました)

【スタンス】

・自身は運用型広告において社内一の分析力を持っているコンサル

・クライアントと自分は『We』の関係

自身のスタンスは上記に決めました。変わる可能性がある前提+そのほかのスタンスについては別途時間を取って考えて見る予定です。また上述した『印象に残る言葉』、こちらは即作れるように普段からプロセスを踏んで習慣化できるようにしてみます(1日1個まず1週間)

最後に『変化』を起こしてこそ価値が出る。『変化』を起こすことができるのが『言葉』と本書にはありました。書籍を読んでインプットで終わり、でなく、実際に『変化=行動』を起こすことが重要なので、しっかりアウトプットに取り組んでみます。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?