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不況の今だからこそ読むべき書籍、『年間報酬3000万円超えが10年続くコンサルタントの対話術』

■本レポートの抜粋--------------

経営コンサルタントは、「大企業を顧客とする戦略系コンサルティングファームに所属する人」と、「中小企業を顧客とする独立系コンサルタントや士業者」に大別される。本書は、後者とその予備軍を読者対象とする、成功のためのガイドブック。
独立系コンサルタントの最大の武器は、中小企業経営者から信頼される「コミュ力」。とくに、経営者が本当にやりたいことを明確にし、解決策を本人から引き出すコーチング力が欠かせない。本書は、そこを軸にしつつ、「新規開拓」「困りごとの適切な解決」「訪問回数と価格設定のバランス」「契約の長期継続」などのコツを解説する。また、最終章では、コンサルタント業を発展・継続させるのに欠かせない「ビジネスモデル」の組み立て方についても、最新事例を交えながら解説していく。

ーーーーーー書籍情報ーーーーーー

書籍名:年間報酬3000万円超えが10年続くコンサルタントの教科書

著 書:和仁達也

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◆本書の選定理由

・不況の影響を受けるのはコンサルファーム。
・価値を感じてもらい、契約を継続してもらうには?
・今こそコンサルとしての価値や位置認識、スタンスが重要になる。

直近コロナウィルスを巡る騒動で広告STOPがかかることが多くなってきています。現状に対して、会社からのトップダウンではなく、自分自身クライアントに継続いただくための運用面ではなく、『コンサルティング』面を強化しなければならないと考え本書を選定しました。

自宅でWebMTGをする際に価値を感じてもらえているのか?本質的にお客様の悩みに寄り添えているか?特にやりとりが担当者と発生する場合に決裁者の意図は聞き出せているのか、、、

ここを今以上に強化していかなければならないと、実際のWebMTGで感じたことがきっかけになっています。

また、①『言語化力』、②『仕事も人生も変わる「影響力のある話し方」』これら2冊の書籍とこちら、どちらを読むべきかを考えましたが、結果今自分に必要な書籍に優先順位をつけたときに本書が重要だと思いこちらを選定しました。

新規営業のためのノウハウやコンサルティングの方法も細かく説かれているため、そちらは機を見て再読。今回は既存顧客に対してのアプローチに必要な箇所のみピックアップしています。

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◆コンサルタントには2種類ある、自分はどちら?

あなたがこの記事を読んでいるということは、自分自身がコンサルタントとしての職務を持っているからでしょう。本書ではそのコンサルタントという職務の顧客に対するアプローチ方法は主に2種類ある前提で話が進められています。それは下記です。

・『先生型』コンサルタント
・『パートナー型』コンサルタント

前者の『先生型』コンサルタントとは、イメージ通りいわゆる『クライアントが知らないことを教える』アプローチです。元々のコンサルタントのイメージといえば、こちらを持たれている方が多いと思います。

ところが、このやり方は短期集中で行くには良いですが、複数年にわたって関係を継続するには向いていません。なぜならそもそもクライアントである社長は『上から目線で人に教えられたくない人たち』だからです。

もちろん、数ヶ月の短期集中型で深く関わって、その代わり高額な報酬を得る道もあるのでそのスタイルがあっている人はそれを目指すと良いと著者は述べています。

しかし本書で主に解説するのは後者の『パートナー型』コンサルティングについてです。こちらは納得の報酬を得ながら、複数年の長きにわたってクライアントの右腕としてビジョンに関わって行くというスタイルです。

今やインターネットの普及が進む中で、調べれば様々な情報をすぐに手に入れられる時代になってきました。Web広告もその中に含まれているはずです。情報化社会に入ると、『情報や正解』ではなく、『自分で意思決定するための判断基準』に価値がシフトします。

だからこそ自分自身クライアントとの関係を構築をして行くに当たっては後者の『パートナー型』コンサルティングを磨いて行く必要があります。下記ではその為に必要な箇所+既存顧客との間で効力を発揮する考え方をまとめます。

◆本当にできるコンサルタントは知っている、"教えないのに感謝される"トーク術

『先生型』では主に”教える”ことがメインになりますが、”パートナー型”では教えない。では一体何をするのでしょうか?

それは『パートナー型』コンサルタントは『相手が見落としていた盲点に気づかせる』のです。

どんな優秀な社長にも、盲点というものがあります。その人の立場や目線からは見えにくい着眼点のことです。さらに言うと盲点には2種類あります。

①『選択肢の複数化』

社長は他人に頼るまでもなく、自分なりにいくつか選択肢を持っています。例えば1つの案件について、2つか3つの選択肢はあらかじめ思いついているとします。するとパートナー型コンサルタントと対話することで4つ目、5つ目とその選択肢が増えていきます。その増えた選択肢の中に自分1人では思いつかなかったベストな判断があったとすればどうでしょうか?

②落とし穴の早期発見

もう実行することは決断している。ただ、そのゴール直前に思いがけない落とし穴がある場合があります。社長視点で例えるならば、幹部社員の造反、社員の不正行為で指揮がダウンするなど。そんな思いがけない出来事に直面する。それに前もって気付かされたとき、社長は感謝してくれます。

①②のような関係性は社長にとって快か、不快かでいえば、快です。このように思いがけない着眼点を提示して、『選択肢の複数化』と『落とし穴の早期発見』すなわち盲点に気づかせながら、相手が望む成果をサポートするのがパートナー型コンサルティングの肝となります。

◆お困りごとトップ3の言語化が価値をつくる


コンサルタントとしての価値は、知識やスキルの違いで生まれるものではなく、『見込み客のお困りごとをつきとめられるか』にあります。特に本書で語られているのは、見込み客の頭の上にある『お困りごとトップ3』にアプローチすることだと語られています。

その際に効果的なトークは以下となります。

「〇〇社長は順調にビジネスをされているので、きっと悩みごとや困っていることなんて、ないでしょう?」

まずは、相手の会社の成功体験や社長がしゃべりたいことを話してもらいます。その後に次の質問をするのです。
コンサルタントとして、相手の経営者のお困りごとを、言語化してあげることで、信頼の構築や価値を伝えることができます。

◆スタンスや立ち位置を言語化して伝えることが重要


トップコンサルタントは上述したお困りごとトップ3の言語化とともに、もう一つ心がけることがあります。それが自分がコンサルタントとして、どういったスタンス、立ち位置でコンサルティングをするのかを言語化して伝えることです。

本書ではそのために自分自身のビジョナリープランを立てることの重要性が説かれていました。

「自分のビジョンを実現しながら、クライアントのビジョン実現化をサポートする、ビジョナリーパートナーというのが、私のセルフイメージで、そのスタンスに共感してくださる方のお力になりたいんです。」

クライアントと同じ目線で一緒にビジネスを拡大させていくというスタンスなのであれば、必ずその点を事前に伝えておく必要があるという事です。

例えば相対する方が決裁者(社長)ではなく、担当者だった場合・担当者に切り替わった場合、自身がどういった立ち位置でどんなビジョンをもっていてこれまでコンサルティングをさせて頂いていたのかを伝えることが重要になってきます。

◆『場作り』の発想を持つ

上記で『お困りごとトップ3』、スタンスや立ち位置を伝えることの重要性が述べられていることは記載しました。しかし実際にクライアントに対していきなりこれらを実施しても不審がられたり、答えたくないと思われることが多々あるはずです。

その際に重要なのが、『安心・安全・ポジティブな場を作ること』です。著者は『コンサルで成果を出すために、一番大切なこと』として述べています。

想像してみてください、自分自身しかめっ面でクライアントに対してコンサルティングをしていませんか?自分はそうでないかもしれませんが、無意識でそのような立ち振る舞いをしているかもしれません。

本書では『安心・安全・ポジティブな場を作り』をするために必要なことはたった4つしかないと述べています。

それは『言葉・表情・態度・行動』4つです。

◆相手の質問にはそのまま答えない、本質を探る


本書ではデキる、デキないの差は、相手の質問にどう答えるかだと語られています。これは、人を見抜くヒントにもなります。

・デキない営業マンやコンサルタントは『相手の質問』にそのまま答える。
・デキる営業マンやコンサルタントは、『質問の意図』に答える

重要なのは、質問そのものではなく、質問に隠された「意図」です。しかし、質問から意図がくみ取れないケースもあります。その場合は、尋ね返せばいいのです。

ちなみに、なぜ質問をお聞きになりたいんですか?」
「ちゃんと意図をくみ取ってお答えしたいので確認したいのですが」

など、言葉の冒頭に付け加える。伝え方を少し変える・整えるだけでさらに言いやすくなります。またこの質問は前述した環境づくり『安心・安全・ポジティブな場』ができているか否かで大きく効力は変わります。

担当者が変わった、案件を新たに引き継ぐことになったタイミングで重要なのは前担当者がどのようなポジションを取っていたか。クライアントは決裁者(社長)か、担当者かといった情報を引き継ぐ側も引き継がせる側も意識しておく必要があります。

◆『自分が何と比べられるか』を相手まかせにしない発想

本書では価格設定について言及されていますが、既に契約が進んでいる中で自社、または先方側で担当者が変わる。外部コンサルが新たに入った際にも使える考え方になります。

仮に月額10万円の費用が既存の契約にかかっているとした場合、『何と比べられれば、月額10万円が安く感じるのか』を真剣に考えてみましょう。

この考える作業を行う際のコツは『そのサービスが顧客にもたらす本質的な価値を突き詰めること』と述べられています。著者はその職種上から、同業者や税理士、社労士と比べられるのではなく、全く違った所に着眼しました。それは『クライアントの幹部社員』です。

社員数30人以下の会社では、社長の下はほとんど真っ平らの『文鎮型の組織』が多い。つまり、社長が頼りにできるナンバー2がいないということです。

『もしかすると、経営者に取って優秀なナンバー2とは、月に1回の経営会議の時に来てくれれば、ほとんど事足りるのではないか。月に1回の来社時に社長と面談をし、営業ミーティングをし、経営の重要な事項について全て検討する。さらに必要であれば社員と面談をして個別指導をする。これだけでほとんどの役割を終えてしまうのではないか』

『常勤のナンバー2だったら報酬を月額70万円とか80万円、場合によっては100万円以上支払わなくては行けないかもしれませんが、月1回の出社なので月額10万円でいいですよ』

つまり役割は幹部社員クラス、報酬は新入社員以下で、社外ナンバー2として価値提供する『パートナー型』コンサルティング。

これだったら相手も月額10万円でもお得だと感じるかもしれません。今の職種柄運用型広告の場合は成果を求められるため、成果が重要な鍵にはなって来ます。

ですが、成果だけではなく普段のコンサルティングの視点を高め、自分自身が価値を高く感じてもらうための立ち振る舞えを意識する+実施することでも『パートナー型』コンサルティングとして、不況の際も長くお付き合いができるようになるはずです。

◆顧客に期待されるパートナー型コンサルタントとは

また新規での契約を増やすためにといった形で本書には記載がされていますが、このパートナー型コンサルタントという考え方は既存顧客に対しても使えるものになります。

コンサルタントとしてクライアントに期待されるようにしたいというのは誰しも考えるものです。しかし、多くの場合、コンサルタントにはズレた思い込みがあると言います。それは以下です。

①この人は私の知らないことをたくさん知っていると思われようとする
②この人のアドバイスをもらわなければならないと思われようとする
③先生としての威厳がなければならないと思われようとする

上記はいずれも間違った思い込みです。上から教えるような先生型コンサルタントであれば必要ですが、横に並んで盲点に気づかせる「パートナー型コンサルタント」の場合は不要となります。

ではどんな期待を描いてもらうと良いかですが、それは以下の3つとなります。

①この人と話をしたら頭がスッキリ整理されたな
②見落としている盲点によくぞ気づかせてくれた
③この人と話していると先が見えてワクワクしてきた

これが、パートナー型コンサルタントに必要な要素となります。

◆相手の「お困りごと」を言語化するスキルは「本質をつかむ」「ボキャブラリー力」

相手のお困りごとをズバリ一言で言語化するのは、コンサルタントとして最も価値提供ができる能力です。そもそもコンサルタントとは言葉を使ってクライアントに行動させ、気付きを与え、成果を出す職種だからです。

言語化スキルは2つの力の掛け合わせだと本書では語られています。それは以下です。

言語化スキル=本質をつかむ力×ボキャブラリー力

本質をつかむは言葉の通りですが、表面的な問題や課題にフォーカスするのではなく、よく問題の周囲ある状況を観察、整理し何が本質なのかを見極める力です。そしてもう一つ重要なのが、ボキャブラリー力です。本質が分かったとしても、伝える表現を知らなければ、理解が得られません。

この力は人によって『センス』が関係しているなどと言われますが、著者自身も過去の失敗経験談から語る通り、鍛えれば身に付けることができる後天的な能力であると述べています。

そして、であればこの2つを磨くためには、コンサルの現場において何をすべきか。それは以下の質問を自分に投げかけ続けることが有効だと述べています。

「1番:この現象の本質は何か?」
「2番:なぜ私はそう考えるのか?」

この自問自答を3回繰り返します。さらにボキャブラリー力を磨くためには、人から聞いた言葉でピンときたものを、あるいは心に引っかかったものをその場でメモして、次に使えるように蓄積していくということです。

ほとんどの人は『ボキャブラリーを蓄積する』ことに無頓着なので、大切なキーワードが目の前にあるのに気づかずスルーしがち。そのため意識して取り組むことが重要です。

◆コンサルタントの仕事の80%は相手の状況を正しく把握すること


コンサルタントとして、会話が弾まずに沈黙が生まれてしてまった経験は誰しもあるはす。本書では、沈黙が生まれるのは質問が多すぎる、質問が唐突過ぎるから、フリーズしてしまうと言います。

その場合、本当にこの人が知りたいことは何だろう?という視点をもつことが大事だと紹介されています。コンサルトークとしては以下です。

①なぜ、それがあなたにとって問題ですか?
②それはあなたにとって、どんな意味がありますか?
③それをそのまま放置しておくことは、どんな不都合につながりますか?

なぜここまで質問をするかといえば、それはコンサルの仕事の80%は相手の状況を把握することだからです。コンサルタントと頭の中と、クライアントの頭の中では、重なっている部分と重なっていない部分があります。その部分をヒアリングしながら、情報量を一致させる必要があるのです。

多くのコンサルタントは、相手の描いている絵と違う絵を、勝手に自分の頭の中に描いてしまって、そこに自分の持っている解決策を当てはめようとするからズレてしまいます。そのため、相手の状況を正しく把握することが重要となります。

◆1つの質問で相手の核心に辿りつくマジッククエスチョン


コンサルタントは相手の相談に乗るよりも、もっとも大切なのは問題の核心を突き止めることです。コンサルとして、相手の意図とズレた提案をしてしまうケースはよくあります。

一方で外堀を埋めるような質問ばかりしても、相手の時間を奪ってしまうため、コンサルとしての価値提供になりません。

一瞬で相手の核心に踏み込むためにはどうすれば良いか。それは、相手に質問を投げかけて、返ってきた答えに「なぜ?」と問い返す事です。その場合のコンサルトークは以下になります。

・ある会社で、その同じテーマについて、▲▲と言っていた人がいましたが、Aさんの場合は、なぜそうお考えなんですか?
・世間には、例えば〇〇という意見もあるようですが、あなたはなぜそう考えるのですか?


◆まとめ

本書を選定した理由は、直近コロナウィルスを巡る騒動で広告STOPがかかることが多くなってきた現状に対して、会社からのトップダウンではなく、自分自身クライアントに継続いただくための運用面ではなく、『コンサルティング』面を強化しなければならないと考えが元になっています。

書籍を実際に読んでみてTodoベースの内容も考え方も新鮮で自分自身の思考の枠を広げることができましたが、その中でも特に印象的だったのは、①コンサルタントとしてのスタンスや立ち位置を設定する、②パートナー型コンサルタントという概念、③言語化スキルの重要性の3つでした。

長くお付き合いいただいているクライアント、また新規で対応する顧客。それぞれに対して今回学んだようなスタンスを立てて取り組んでいたかと言われると正直答えは否でした。

運用者としての視点も重要ですが、コンサルタントとしての立ち振る舞いをより自分の中で形作って行く必要があります。ビジネスの作り方や寄り添い方などもっと勉強する必要もあるなと感じました。

直近5月6日(それ以上に伸びる可能性も高いですが)までテレワークなどが続きます。その中で行うWeb会議上でこれらのビジョンを伝える。パートナー型コンサルティングとしての自身を形作るための練習+価値を感じてもらい継続を阻止するための取り組みを実践してみます。

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