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古内東子というラブソングの神様【プレイリストあり】

ここ数日、数ある新譜の鑑賞もそこそこに、古内東子さんの旧譜を一気に聴いていました。

古内東子。1993年にシングル「はやくいそいで」でメジャーデビュー。1996年にはシングル「誰より好きなのに」がヒットを記録し、自身の代表曲に。1998年発売のアルバム「魔法の手」はオリコンチャート1位を記録。2018年現在でも、ライブを中心に活動を続けています。

古内女史の音楽の持ち味と言えばやはり、”恋一筋”な点になるのでしょう。出逢い、別れ、最中の浮き沈み…恋愛の歓びや葛藤を切り取った普遍的な歌詞は多くの女性に受け入れられ、”恋愛の神様”なる異名を取るほど。

また、サウンドに関してはR&BやAOR、ジャズなどからの影響が色濃く、ほとんどの曲の耳当たりが心地よくグルーヴィー。そこに、古内東子のネットリと艶っぽい歌声が乗り、昼下がりのセレブ妻、あるいは真夜中の淑女よろしく優雅過ぎるセッションが繰り広げられるわけです。実際、R&B方面との関連性も深く、これまでにCHEMISTRYやSkoop On Somebodyへの楽曲提供のほか、2009年にはKREVAとのコラボも実現しています。

…と、どこからどう見てもR&Bリスナー垂涎なアーティストなのですが、恥ずかしいことに、最近までディープに鑑賞することをしてこなかった私です。もちろん、主要な作品はすすんで聴いてきたし(「銀座」「Peach Melba」など)、あの独特なボーカルが嫌いというわけでもないんですけど、今思えば「恋だけを歌う、女性の目線・感情に寄り添う」という面で、ちょっと敬遠している部分があったのかな。

ただ、それももはや後悔でしかないです。「そういえば、ちゃんと聴いてこなかったな」と突如として思い立ち、1993年発売の1stアルバム「SLOW DOWN」から計16枚のオリジナルアルバムを時系列で聴いていくというセルフ企画を実行。すると何ということでしょう、身震いするぐらいに素敵な作品ばかりじゃないですか。一流ミュージシャン達による立体的なサウンドの妙味は言わずもがな、歌詞の世界観や目の付けどころにも不思議な感性が働いていて、色んな作品を味わえば味わうほど彼女の魅力が浮き彫りになる。シチュエーションこそやりきれなくとも、どこかホッとした余韻を残すのもまた、彼女ならではの魔術なのだと思います。

そうして、古内東子の虜となった僕は居ても立ってもいられず、彼女の燦然たるキャリアを探索しつつプレイリストも作りましたとさ。奇しくも昨日、デビュー25周年の節目ということで、半ば運命のようなものを感じつつ…!

今回はあえて、R&B好きの方のアンテナが反応しやすいよう、グルーヴの効いた名曲を中心にまとめてみました。古内東子という名前が頭の中で一人歩きしている僕よりも若い世代の人、そして僕と同じように彼女の音楽を敬遠していた人とは、ぜひこの機会に「古内東子の至高ぶり」を享受出来たらと思っています。無論、歌詞を見ながらの鑑賞推奨です。

ちなみに、自分が初めて聴いた曲の中で特に心を奪われたのは、数少ない男性目線で歌われた曲「10%」。こんなにもメロウで温かい曲があるんだと感動しました。歌詞は、うん…これは胸が張り裂けるやつ。

「Groove Selection:古内東子」
https://itunes.apple.com/jp/playlist/groove-selection-%E5%8F%A4%E5%86%85%E6%9D%B1%E5%AD%90/pl.u-daxWF69p1L

SLOW DOWN / Distance (Remix) / Strength / PURPLE / 心もつれて / だいすき / OK, OK / Lighter / Devotion / オンナらしく、オトコらしく / 心にしまいましょう / 恋の不思議 / ブレーキ / 映画を観よう / Peach Melba / Dark ocean / 45分 (album mix) / ルール / ear candy / 助手席 / スロウビート(古内東子×KREVA) / 10% / 銀座

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