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ケンイチが選ぶ2018年4月のベストソング

安室奈美恵最後の全国ツアー、東京公演4デイズが幕を下ろしました。自分は残念ながら観に行けなかったのですが、観覧した人の感想を見るに、忘れ難きひとときであったことは容易に想像が出来ました。こんなに人々に愛された歌姫が引退するなんて、未だに現実味ないよなぁ。

それにしても、安室奈美恵の「Baby Don't Cry」は名曲です。そしてその生みの親であるNao'ymtの器用さたるや、並大抵のものではないなとしんみり。安室奈美恵のキャリア、ことR&Bでの再生期において、T.Kura/michicoとNao'ymtはセットで語られることがあまりにも多いですけど、「Baby Don't Cry」が商業的に成功し、今でも絶大な人気を誇っているという事実を踏まえただけでも、Nao'ymtの方が安室奈美恵とのビジネス的蜜月をスムーズに構築していたんだろうなって。

自分は個人的な思い出補正もあって、T.Kura/michicoと安室奈美恵のタッグの方が未だに好みだったりします。ただ、彼らが当てがう楽曲はマニアックな仕上がりを恐れない攻め調子がデフォルトだったため、どうしてもヒットソングとしての王道からは外れてしまうきらいがあった(強いて挙げるなら「GIRL TALK」「NEW LOOK」か。でも後者は企画色強いからなぁ)。一方のNao'ymtも、二人とは全く別のベクトルで実験精神旺盛だし、ぶっ飛んだ曲も多々存在しますが、思えば「ベビドン」しかり「Fight Together」しかり「Contrail」しかり、安室奈美恵の新たなポップ・スタンダードとなり得るナンバーをコンスタントに放ったのも彼だった。クライアントの意向を独自に膨らましつつ、それを潔くポップにアウトプットする。彼は控えめに言って、安室史に残る最強のバランサーだったと思います。

◆月1のベストソングを紹介するよのコーナー◆

本題そっちのけで書いてしまいました。こんにちは、ケンイチです。今月も遅ればせながら、月間ベストソングの紹介を。毎度停滞するのが恒例となっている4月ですが、配信という手法の手軽さもあってか、なかなかのリリース量でした。

1. 本気じゃない / CIMBA

この軽妙さ、このメロディ感、完全にハマった。彼本来のキャッチーな魅力がここぞとばかりに炸裂。クラブアーティストならではの軟派なリリックも、彼が歌うことでなんとも生々しい映え方をしております。

2. Future Wife / Ymagik

コンテンポラリーど直球を狙いつつ、リリックはいつになく直向きなラブソング…と言えば語弊があるけども、温かみを帯びたストレートな筆致は、何気に新境地じゃないかな。オーバーグラウンドにも進出しつつある売れっ子らしく、ボーカルワークやトラックにも迷いなし。

3. I'll give you all my life / X4

デジタルオンリーでリリースされた最新アルバム「XXXX」からのパイロットシングル。SHOTAが脱退し、正真正銘の4人組に立ち戻った彼ら。ユニゾンが展開するサビをはじめ、チャラさ控えめの中低音ボーカルが心地よい。

4. DREAMER / NaNa

しなやかで繊細、そして程よくセクシャル…NaNaという歌い手の持ち味が凝縮されていると言っても過言ではないのがこの曲。浮遊感抜群のメロウトラックを丁寧になぞる珠玉のハイトーンに魅了されるべし。

5. Play A Love Song / 宇多田ヒカル

「SWITCH&SPARKLING! サントゥー↑リイィー」のCMでおなじみ、Hikkiのブランニュー。プリミティブなシンセラインが演出する突き抜ける爽快感と、あくまで普遍的な言葉で形成される宇多田語録の数々。今回もまんまと翻弄されました。あわあわ。

◆プレイリスト◆

レコメンドの拡大版にあたるApple Musicのプレイリストは↓よりどうぞ。よければフォローしてくださいな!

PS. フリーペーパー「eggman」に掲載中の私の連載「じゃあ、僕がします。」でも、今月よりプレイリスト企画をスタートさせました。僕にとって思い入れの深いテーマで選曲していますので、イベント会場やCDショップなどで見かけた際は手に取ってもらえたら嬉しいです!

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