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プライベート出産当日

8/22の朝、この日もいつも通り、朝日が昇り、外が明るくなり始めたAM6:30頃に起床。シャワーを浴びると桜奈と武蔵も起きてきた。

今日も良い天気だ。

妻とも軽く会話をした。「陣痛はどんな感じだ?」ゆる〜い陣痛がきているようで、2人目の武蔵を産んだ時の感覚からすると、恐らく今日の夜に産まれてくるだろうと言う返答だった。

実は一昨日、急に軽めの陣痛が朝から来たので、急遽仕事を休み、妻に負担をかけないよう2人の子どもの面倒を見ながら陣痛の様子を見ていたのだが、夕方過ぎには完全に陣痛が収まってしまった。

しかし、今日は急な陣痛ではなく、比較的穏やかな感じだからある程度の家事はこなせるし、子どもたちの面倒も見れる状況だということで、早目に仕事を切り上げてくれば大丈夫だと言うことだった。

ということで妻の感覚と意見を尊重しながら、心配ではあったが、いつも通りフェリーに乗って仕事に向かった。

ただ、やはり心配だったので、この日はかなり駆け足で仕事を終わらせて島に戻った。

島に戻ると、今日は長女桜奈のバレエのLessonの日。妻の要望としては、弟の武蔵も車に乗せて送迎をして欲しいということだった。

陣痛がある中で運転するのはしんどいというのと、子どもたちがいない静寂な間に出産に向けた様々な準備と、気持ちの準備をしておきたいということみたいだ。

出産当日は、いつもと変わらず普段通りの生活でリラックスすることが大事。お腹の赤ちゃんともしっかりと会話をし、意思の疎通を図ることも大切なこと。

僕が子どもたち2人(特に武蔵はうるさい)を連れて出かけている約2時間の間に、妻とお腹の赤ちゃんにとってはお産に向けて有意義な時間になったのではないかと思う。

そして、子どもたちは普段通りに陽が落ち始めた夜19時頃に就寝。

出産の瞬間に子どもたちが起きているとギャーギャーうるさくてお産に集中出来ない事は目に見えていたので、子どもたちが普段通りに寝てくれたことはとても良かったし、ベストな状況。

彼らが寝たと同時に、陣痛の間隔も少しずつ短くなり、痛みも少しずつ強くなってきていたようだ。

うん、色々と順調だ。

ただ、今回産まれてくる子はマイペースで落ち着いた子なのか、割とゆったり事を運ぶのが好きみたいで、妻に眠気が襲ってきた。

痛みはまだまだ穏やかだからすぐには産まれないし、もしかしたらこのままリラックスして寝てしまうかもしれないという。

だけど、せっかくいいタイミングで陣痛も来ているし、この大きな身体を抱えたまま、武蔵や桜奈の面倒をこれ以上観るのはしんどい。だから、妻は今日産んでしまいたいのだと言う。

ということで、妻は家の中を歩き回りながらお産に向かって心と身体の準備を整え、精神を集中させていくことにした。

この行為は、アスリートが試合前に精神を研ぎ澄ませて集中する行為に似ているのではないかと思う。

なのでなるべく話しかけたりしないで放っておいて欲しいというので、僕は自分の部屋で仕事をすることにした。

いよいよ出産!というタイミングが来たら妻の方からお声掛けがあるということで、部屋にいながら待っていた。

そうは言っても何だかんだそわそわして来たので普段話しかけたりしない無口な僕が、「どんな感じだ?何か飲むか?何か必要なものとかして欲しいことはあるか?」と、ちょいちょい話しかけていた。

これが若干ウザかったらしい笑。

そして夜の22:30頃、ようやく妻の方から「陣痛の間隔が3分間隔ぐらいになってきたからそろそろお風呂に入って出産体制に入る」ということで僕もとりあえず照明を全て消している浴室に入った。

お風呂に入ると陣痛が緩和され、より一層眠気が増してきたという。

これは、病院出産では絶対に考えられない出産前の超リラックス状態。

この、普段と殆ど変わらない環境で、緊張がない状態、リラックス状態を作ることが、無事で安全なお産をする為には1番大切なこと。

普段とは環境が大きく異なる環境(周りにいる人や匂い、不必要な明るい照明や、普段しないような体制でいること等々)が、難産を誘発する1番の原因なのだ。

出産の時に逆子になってしまったり、なかなか産まれてこない難産状態になる1番の理由は病院出産。

このことについてこれ以上書いてしまうとかなりのボリュームになってしまうので、病院出産=危険な出産。ということについてはいつか改めて綴っていきたいと思う。

と、ここで準備した水中出産をする為のお風呂について、どんなお風呂環境を作ったのか説明しておこうと思う。

酸素が発生したり、銀イオンやマイクロバブルが発生したりするような高級バスでは決してなく、銀釜風の風情のあるいい感じのお風呂を、出産約1week前ぐらいからSharkのスチーム洗浄機で5.6回洗浄をし、下地を作った。

お風呂の温度は38〜40度ぐらい。そこに塩を3kgと、木炭500gほど。そしてレモン約半分を絞ってビタミンCを入れ、麦飯石パウダーを大さじ半分ぐらい入れたお風呂だ。

これらは、塩素を無害化し、水質を向上、殺菌効果があると言われています。そして出血への対策にもなると。これらを入れたお風呂が、水中出産をする時に推進されているお風呂環境なのだ。

そんな抜群の出産環境が整ったお風呂に浸かると、3分間隔だった陣痛が5分間隔に伸びたり、10分になったりと、なかなか間隔が安定しない状況が続いた。

僕が話しかけたりすると、陣痛のイキミ逃しに集中出来なかったり、集中力が切れるから話しかけないで欲しい!と一括されたので、とりあえず僕は自分の喉が渇いて来たので水を飲み、妻の分も用意した。

時折妻がペットボトルに手を伸ばそうとした時にアシストし、キャップを開けて渡すぐらいで、それ以外は見守るだけ。

ただ、前回武蔵を産んだ時はお互いプライベート出産は初めてでかなり不安があったし、陣痛の間隔が狭まり、痛みが増してきているのにいつ産まれてくるのか全く予想出来ないことから、妻の方から「今どのくらい子宮口開いてるかな?あとどのくらいで産まれるの?」という質問が飛んできたが、今回はそんなことは皆無。

妻の方が感覚的にわかっているようで余裕もあったようなので、僕は何も言わなかった。

前回、そういった質問が来た時は正直全然分からなかったが、妻を不安にさせるのはマズイと、陣痛の間隔を見ながら秒速で適当(的確)に答えていた。

その辺は適当ではあるが大体僕の予想通りの時間で武蔵が誕生したので、改めて自分は天才だなと感心していた。

そんなことを思い出してるうちに、ようやく本格的でかなり強い陣痛が来たようだ。

正直、この本格的な陣痛の痛みがどのくらいの痛みなのかは僕には全くわからない。

しかしながら、目の前の妻の表情や仕草、叫び声を聞く感じからすると相当キツイんだろうということはわかる。

「大丈夫だ。」

そんなことしか僕には言えない。

そんなこんなで、ついに来たるべき瞬間が来た!

妻が、「あ、産まれた!」

と一言発したのだが、武蔵の時のようにポコっと水面に浮いてこない…。

「ん?どうした?まだ頭だけしか出てないか?」と思うと、

「へその緒がちょっと絡まってる。」という。

まあ、慌てず指でちょいちょいっと引っ張れば取れると言うことは妻も僕も熟知していたので慌てることなくへその緒を解いたようで、ゆっくりと水面に浮かんできて、妻が無事にキャッチした。

そして、可愛い産声が聞こえた。

良かった良かった。本当に良かった。

何とも言えない感動の瞬間だった。

奥さんよく頑張った!

前回同様、本当に感動的で素晴らしい出産だったと思うし、病院出産に比べるととても安産だったと思う。

自宅出産をして、立ち会ったのが僕だけだという話をすると、必ず聞かれることがある。

「え、じゃああなたが赤ちゃんを取り上げたの⁉︎」てね。

だけど、今回もそうだし、武蔵の時も僕は取り上げるということはしていない。

というか、そもそもお産をするのに「赤ちゃんを取り上げる」というような場面は本来あるべきではないのだと思う。それはとても不自然なことだと思うから。

赤ちゃんが産まれてくるということに関して、そもそも本来は赤ちゃんが自らの力で出てくるもの。

それを上手くアシストして産むのが母親の役目で、見知らぬ誰かが取り上げるとか、取り出すとかいう行為はとても不自然な行為なんだと思う。

だから「赤ちゃんを取り上げる」という行為は本来あり得ない行為であり不必要なこと。強いて言うならならば、「赤ちゃんをキャッチする」そんな言葉や表現が適切なんだと思う。

お産という行為は、赤ちゃんと母親の2人の力で完結できるものだし、それが本来の在り方なんだと僕は思う。

旦那である僕にできることは何もない。ただただ見守り、妻を不安にさせないこと。

自分の力だけで産めるんだと自信を持たせ続けることが僕の役目であって、そのために色々と準備をして、出産について学んでおくこと。もしも何かあった時に助けてあげられるのは自分だけ。

だから、もしそんな状態になった時の対処法を学んでおくこと。そして、それよりも大切なことは、そんなもしもの状況が起きないようにしっかり準備をして、環境を整えておくこと。これが旦那であり、僕の役目なんだと思う。

出産をして感謝を伝えるのは、病院の先生ではなく、妻だけでいい。それがとても自然な流れだと思う。出産で1番頑張ったのは妻だし、心から感謝している。

ありがとう。

さて、この後の出産後の処理や胎盤の処理(というか調理方法)、へその緒を切るタイミング等々。武蔵と桜奈と赤ちゃんの感動のご対面。等々については次回!綴っていきたいと思います。

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