vol.1 『働き方の損益分岐点』


・価値→それを作るのにどれくらい手間がかかったか。
・使用価値→それを使って意味があるか(有益かどうか、役に立つかどうか)で測られる。
・商品の値段は価値をベースに決まる。そのうえで使用価値、需給によって値段が動く。
・労働力も商品
・労働力の価値は明日も同じ仕事をするために必要なものの価値の合計
・労働力の価値には準備にかかった時間も含まれる。
・医者と介護士は準備にかかる時間、コストが違うため給料が異なる。
・オジサンの給料が高いのはあたりまえ→家族手当
・労働者は明日も同じ仕事をするために必要な分しかもらえない→必要経費方式
・必要経費分しかもらえない、つまり必要以上はもらえないから生活に余裕がない。
・必要経費分とは社会一般的な量となる。
・他社との給料の差は需要と供給の問題。給料が少なくても他社に転職しない社員がいるから給料が安い。
・労働力の価値が基準となり、そのうえで使用価値が判断される。その使用価値次第で、その労働力への需要が決まる。
・古い企業には良い時代の労働力の再生産コストが高い時代を踏襲した給与体系となっているケースもある。

・利益の生み出し方を理解することは資本主義経済の構造を理解することにつながる。
・労働者が生み出す剰余価値が企業の利益
・ものを仕入れて販売する。その差額が利益になる。というイメージがあるが、資本論を紐解くとまるで違う方法で企業が利益を生み出している。
・取引は原則として価値通りに交換される→いくら取引しても同じ価値のものを交換しているだけで利益は生まれない?→商品を生産する過程で剰余価値が生まれるから利益が生まれる。
・生産しても原材料、機械の価値はそのまま。生産前と後でどこで価値があがるかというと労働の部分。労働者に自分の給料以上の価値を生み出させることによって、はじめて剰余価値が生まれる。その剰余価値が企業の利益。いちばん重要なのは新たな価値を付け加えることができるのは労働者のみ。
・生産性を高めると、労働者が生み出した価値と労働力の仕入れ値(労働者の給料)が違うこととなる。企業は労働者を雇い、働かせることで、剰余価値を生み出していた。
・労働者の労働は2種類。自分のために給料分の価値を生み出す労働者→必要労働 資本家のために剰余価値を生み出す労働→剰余労働 この合計が総労働時間
・労力が変わらなければ生み出す価値も変わらず、剰余価値も変わらない。
・剰余価値は3種類
・絶対的剰余価値→剰余労働そのものの長さを絶対的に増やすことで得た利益のこと。必要労働時間を超えて労働時間を延長することで生み出される価値
・労働力の価値分だけお金を支払えば、その日に労働者にどれだけ働かせるかは企業の自由
・絶対的剰余価値には限界がある。
・相対的剰余価値→商品の価値が低下すれば、それを使っている労働力の価値も下がることになる。発展途上国の人件費が安いのはその理屈
・労働力の価値が下がれば、給料が下がります。そして、給料が下がれば、自分の給料分を稼ぐ時間も減ります。これが、必要労働の時間が減るということです。ここで総労働時間を変えなければ、相対的に剰余労働時間が増えることになります。その結果生み出されるのが相対的剰余価値。
・資本主義経済の下では、相対的剰余価値は自然と生まれていく。
・特別剰余価値→生産性を高め、労力・コストが少なくなったのに、売値は変わらない。社会的価値と個別的価値の差額分だけ、他の企業より多く儲けることができるということ。この差額が特別剰余価値。
・資本主義経済において、企業の競争力の源泉はこの特別剰余価値にある。
・イノベーションで商品の値段が下がっても、自分たちの給料も下がるので恩恵を受けない。
・熱帯雨林の木々のようにがんばっても得られるものは変わらない。(日光浴びようと伸びても、他の木も一緒に伸びるということ)

・ぼったくり商品の構造は、使用価値があるから買ってしまう。しかし、価値がないから納得感がない
・人は使用価値があれば進んでお金を払うわけではない。
・商品を販売するときに、よく顧客の利便性を考えろと言われるが、それだけで顧客が納得して商品を買ってくれるわけではない。
・顧客に進んでお金を払ってもらうには他の要素が必要。それが価値。
・その商品を作るのにはそれだけの労力がかかっている、だからその値段を払ってしかるべきと買い手に認めてもわらなければならない。
・使用価値だけでなく、価値もなければいけない。
・価値はあっても使用価値がない商品に高いお金を払わないのはわかりやすいが、使用価値さえあれば商品は売れるは間違った認識。
・電子書籍が紙の本よりも値段を安くしないと売れないのも同様。要するにその商品を作り上げる費用が少ないから値段が安くなってしかるべきと考えている。
・使用価値だけでなく、価値もなければいけないのは労働力という商品も同じ
・労働力の使用価値とはその労働力を使って得られるメリットのこと。
・労働力の使用価値を上げるのは、残業をすること
・しかし、給料のベースは使用価値ではなく価値で決まっている。
・なれば労働者は高い使用価値ではなく、高い価値をもたないといけない。順番を間違えてはいけない。
・労働力の価値は積み上げによってのみ変えることができる
・より高度な仕事をするために費やしてきた労力が労働力の価値として認められる
・企業や経営者やリーダーが垂れ流す成長しようという耳障りの良いフレーズを信じて、その裏にある構造、仕組みに目を向けようとしない。
・自分の生きている世界の正体を知らないマトリックスの世界の住人

・自己内利益の方程式
年収・昇進から得られる満足感−必要経費
・自己内利益の損益分岐点を知る。
・上を目指すには費用がかかり、その費用を回収するためにさらに上を目指さなければいけなくなる。わたしたちの人生の損益分岐点も商品の損益分岐点と同様に逃げていく
・アダムスミスは要約するとどんな環境や状況にも人は必ず慣れてしまう。ヘドニック・トレッドミル現象
・上を目指しても、満足感がなくなり、激務(必要経費)だけが残る
・一度上がった損益分岐点は下げられない
・ひとは得ること、増えることよりも失うこと、減ることのほうがより強く感情が変化する。プロスペクト理論
・行動経済学入門では、人は1万円失ったときに感じる失望感を解消するには2万円もらわなければならない。

・世間相場よりもストレスを感じない仕事を選ぶ
・好きを仕事にしようという意味ではない。
・楽しい仕事というのは興味を持てる仕事。
・労働力の価値が上がれば給料もあがる
・年収が上がる幸福感はすぐに消えてしまうためコストを下げる働き方を取り入れなければならない。要は精神的なコストをできるだけ抑える働き方。それは自分がこれまで築いてきた土台を活用して仕事をするということ。
・自分がこれまで築いてきた資産の活用方法を知ること。
・これから身につけなければならないのは技術や知識でなく編集力。
・自分が持っているものを相手が欲しいものに変える力。
・まず積み上げによって土台を作り、その土台の上でジャンプする
・近視眼的に即時性を求めてしまうと労働力の価値を積み上げることを軽視しがちになり、いつまでも土台ができない。
・労働力の価値を積み上げるには自分の労働力を消費せず投資すること。
・BS思考で考えよう。
・資産を作る仕事を今日どれだけやったか。
・得意なことで他人により貢献しようという視点を持ってください。苦手なことを克服をする必要は必ずしもありません。
・人は、1年でできることを過大評価し、10年でできることを過小評価しすぎる。

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