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叙述トリックおすすめして良い?

おはようございます。またはこんにちは。あるいはこんばんは。

叙述トリック好き。楽しく騙されるのが心地よい。でも、アンフェアという人がいる。アガサ・クリスティのアクロイド殺しの頃からいるらしいから、叙述トリックというものの持つ宿命みたいなものかも。フーダニット、ハウダニットに目が向けられることが多い気がするミステリ小説。ドラマだと、ホワイダニットが多めかもと思ったりするけど、実際のところは知らない。普通の読み手にとって、こういう分類にあまり意味は無く、評論家とか専門の方がやれば良いと思う。一億総評論家みたいな時代ではあるけど、ミステリ小説に限らないけど、フィクションでは楽しまないと損なんじゃないかな。

はい。前置きが長くなったけど、これから叙述トリックの個人的なおすすめを思いつくままに書いてくつもり。でも、その前に注意を!

叙述トリックって分かるとネタバレになるかも知れないので、それすら知りたくないという方はここでUターンを。叙述トリックの面白いのを知りたいけど探すのが大変という方で、叙述トリックだよって分かってても楽しめる方のみ読み進めてみて。

はい。ということで、ホントにこれから書きなぐりますです。

その前に忘れてたので補足を。叙述トリックってなんだよー?って人に。簡単に言うと、作者が読み手を文章で騙すようなトリックのこと。いろんなテクニックがあるけど、だいたいが読み手を巧みに誤認させるもの。性別、年齢、時代、時間、作中作、人間関係、妄想などなど、とにかくいろんなテクニックで騙してくる。見直すとそのヒントがちりばめられているので、あちゃー騙されたなー気付かなかったなーとなる。それをズルいと感じる人は多分好みに合わないんだと思うけど、もしかしたらホントに楽しい小説に出会って無いだけかも知れないので、諦めないで探して欲しいと思う。その手助けに少しでもなれたら良いなと。

はいはいはい。前置きだけでこんなに長くなるとは。さて、ここからはだだだっと紹介してくよーネタバレになることが多いのであまり書けないから短めのコメント付きでいきまふ。あと、昔の作品が多いので記憶が曖昧なのも許してたもれ。

まずは定番中の定番。折原一作品から3作。

「倒錯のロンド」
小説家志望の人物が盗作されてその盗作された作品が賞を受賞。小説家志望の人物がその犯人と真相を追っていくみたいな話。作者がこれで賞を取れなかった。それが良いネタになってる気がする。盗作と倒錯をかけたタイトルがお洒落ね。

「沈黙の教室」
過去のいじめと同窓会で起こる復讐劇みたいな話。いじめが陰湿というか、恐怖新聞というアイテムのせいでホラーっぽい雰囲気なのも素敵。ホントに謎が謎呼ぶ展開でひとつ解決かと思うとまたひとつ増えるみたいな繰り返しで最後まで飽きない。

「覆面作家」
有名作家が失踪。数年後帰ってきて、人目を避けながら別荘で新たな小説を書き始める。するとおかしなことが身のまわりで起き始めて、みたいな話。作家が書いた文章が現実とリンクしていくのが不思議で不思議でたまらなかった。結局最後まで騙されてた気がする。

折原一って凄いね。叙述トリックだよって分かってても騙される。疑って読んでたのに騙される。ここまで行くとすがすがしい。ということで、おすすめ作家は折原一。専業ではないけど、折原一作品といえば叙述トリック。ここまでこだわって多作の方も珍しい気がする。社会派のテーマ作品とか、ホラー的な作品とか、いろいろあるけど、やっぱり叙述トリック。

次は、叙述トリックがおすすめの作品は他にもたくさん。国内国外問わず面白いと思ったのを何作か。

「ハサミ男」(殊能将之)
ハサミ男という猟奇殺人犯の偽物が出て、本物が偽物を追う話だったかも。ベタな展開かも知れないけど、展開が早くてイライラはしなかった。一時期とっても流行ったメフィスト賞作家のひとり。作者が覆面作家のまま若くして亡くなった。でも、その生き方がミステリアスで惹かれるものはある。死後数年が経ってプロフィールが公開されたらしい。

「殺戮にいたる病」(我孫子武丸)
連続猟奇殺人が発生。犯人は誰だーとなって、探して行く話だったと思う。記憶が曖昧だけど、大体あってるはず。騙されポイントが分かったとき、つまりトリックが明かされたとき悔しかった思い出が。分かってたのにーみたいな。

「歯と爪」(ビル・バリンジャー)
死体なき殺人とか、奇術師とか、復讐とか。ネタバレ要素が多すぎて書けない感じ。裁判シーンが挟み込まれてたような気がする。細部はかなり忘れたけど、面白かった。解決編というか謎解きのところから袋とじになってて、先が気にならない人は袋とじを開けずに編集部にそのまま送り返すと返金されたらしい。だいぶ昔に買ったので、今もそうなのかは知らない。ネタじゃなくて、本気で返金してもらった人っているんだろうか? メッチャ続きが気になるので、普通はムリじゃない?

「蛍」(麻耶雄嵩)
クローズドサークルもの。館ものでもあったかも。登場人物が魅力的で素敵。麻耶雄嵩といえば新本格の人であってるかな? アンチミステリではなかったと思うけど、そういうのも書いてたかも。とにかく文章の引きが強くて、読み始めたら止めるのが難しい。徹夜で何作も読んだ思い出。

まだまだたくさんあるんだろうけど、これにておしまい。きりがないし。気になるタイトルはちょこちょこあるので、また読んだらまとめようかなと。

では、しーゆーねくすとたいむー

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