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鳥猟犬に情熱を持ったトライアルマン 〜 英セターに会いに行く

本稿は『けもの道 2018春号』(2018年4月刊)に掲載された記事を note 向けに編集したものです。掲載内容は刊行当時のものとなっております。あらかじめご了承ください。


文|八木進
写真|佐茂規彦
取材日|平成29年12月24日

日本のフィールド・トライアルと鳥猟界の盛衰

日本における鳥猟犬のフィールド・トライアルは、昭和8(1933)年に開催された「第一回全日本猟野競技会」が本格的なスタートとされ、その機運を受け翌昭和9年に「全日本狩猟倶楽部」(以下「全猟」)が発足した。

トライアルは、平成29(2017)年度で第76回を数え、チャンピオン戦としても第60回を迎えており、現在では西富士で開催される全猟「全日本チャンピオン戦」に優勝することが、我が国のトライアルマンにとって最高の栄誉であり目標となっている。

私が狩猟を始めた昭和49(1974)年11月号の「全猟」誌(全猟が発行する月刊誌)は166頁あり、その中での猟犬関連の記事は全て鳥猟犬関係であった。

巻末の分譲広告では鳥猟犬関連129件、ビーグル犬関連31件、大物猟犬関連7件で、「狩猟」と言えば鳥猟が大多数であり、獣猟はビーグルによる兎猟が盛んで、獣猟犬による大物猟はマイノリティーであった。

そして平成29年11月号全猟誌は74頁と半減以下となり、内容もトライアル関連を除くと鳥猟犬関連記事は皆無で、巻末分譲広告も鳥猟犬関連は9件となっており、全体的な狩猟者の減少に伴う鳥猟愛好家も激減していることが伺える。

現在フィールド・トライアルを主宰する全猟でも会員数が減少しており、それを支える鳥猟家・トライアルマンも高齢となり将来が危惧されている。

英セターに会いに行く

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