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ハンターと危険のはなし

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狩猟者が知っておくべき「危険な世界」とは? 狩猟専門誌『けもの道』に掲載された、狩猟にまつわる危険やリスクに関する記事(マダニの感染症・ジビエや猟場にひそむ寄生虫やウイルス・猟銃…
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#獣害

キョンから考える、人が自らもたらした外来シカ問題

官民を挙げて様々なニホンジカ対策を講じている一方で、人が招いた新たな鹿問題がある。 千葉県房総半島で野生化した外来鹿キョン。それは人の手で国内に持ち込まれ、その生息数は今や5万頭に迫る勢いで繁殖を続けている。 小さな鹿・キョンとは?キョンは中国南東部および台湾に自然分布しているシカ科の草食動物で、日本国内では千葉県のほか東京都伊豆大島でも野生化している。 房総半島のキョンの成獣の体重は9~10kgほどであり、同じ地域のニホンジカの成獣の平均体重(雄60kg、雌40kg)

鳥獣害対策という仕事 〜 その持続可能性と展望

獣害対策で期待される民間企業の参入鳥獣害問題の深刻化に伴い、この分野に新たに参入する民間企業や起業が増えている。 最近では求人数も増え、私が加入しているMLへは一昔前には考えられなかったくらいの頻度で求人投稿がある。 ただ、仕事内容の多くは「捕獲」にかかわるものが多い。これは当然のことではあるが、「需要」が増加したからだ。 国は、ニホンジカとイノシシの生息数を10年後(平成35年度)までに半減することを当面の捕獲目標とし、平成26年の鳥獣法改正により、都道府県等による

新たな脅威となったアライグマ 〜 外来生物の現状と対策

脅威となった外来生物アライグマ2018年10月、猟期直前に世間を最も賑わせた野生動物は猪でも鹿でもなく、東京都港区赤坂の繁華街に突如現れた1匹のアライグマだった。 赤坂警察署の警察官や東京消防庁の職員ら多数が出動する大捕り物となり、夜の繁華街は一時騒然となった。 この個体は発見から数時間後に “逮捕” されたものの、近年、アライグマ被害が都市部近郊で顕著になっている。日本における野生化したアライグマの現状とその対策について、専門家に聞いた。 取材|佐茂規彦 アライグ

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復興の有害鳥獣捕獲活動 〜 福島県浪江町・町民帰還を迎えた捕獲隊の今

平成23年3月11日、三陸沖に発生した巨大地震によりもたらされた東日本大震災。地震と津波による甚大な被害に加え、東京電力福島第一原子力発電所の放射能事故の影響により、福島県浪江町を含む県内の一部市町村には大規模な避難指示が出された。 浪江町では全町民が避難。人がいなくなった町では、人の代わりに猪などの野生動物があふれた。除染、復興活動が進むにつれ、町では有害鳥獣捕獲隊を結成し、町内各所に箱わなを設置するなど町民帰還に備えて捕獲活動を行った(その模様は旧誌『月刊けもの道』平成

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