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タバコを吸うのがカッコよかった時代

僕の喫煙歴は33年

僕の父は喫煙者だった。
僕が小さい人だった頃はテレビでタバコのCMが流れ、ドラマや映画の主人公たちはタバコを吸っているのが当たり前だった。
しかもカッコいい俳優さんがタバコを吸っている姿がカッコ良かった。
例えば西部警察。
署内でスパスパ、事件が終わったら一列に横並びしてスパスパ。
それがとにかくカッコ良かった。
僕は舘ひろしさんが好きで西部警察ごっこをするときは駄菓子のココアシガレットをくわえてチャリに乗り、モデルガンを手に走り回っていた。

海外ドラマでもマイアミバイスのドン・ジョンソンがタバコを吸っていて、それの吸い方がカッコ良かった。
男はタバコを吸う者だと思い込んでいた。

僕がタバコに手を出したのは14歳の頃。
つるんでいた不良のお姉さんの影響と、舘さんやドン・ジョンソンのカッコ良さから。

初めて吸ったのはマルボロライト。
不思議と簡単に吸えて、むせたりしなかった。
お姉さんと一緒にスパスパ。
家に帰ってからも親の目を盗んで吸っていた。

ある日の夜、自室でバージニア・スリム・ライト・メンソールを吸っていたとき、母がいきなり部屋に入ってきて見つかってしまった。
激怒する母の鬼のような顔を忘れられない。
リビングのフローリングに正座させられて、激怒した父にぶん殴られた。
その後の一言が面白かった。
「俺がタバコ吸うたんは16や!2年早いねん!それと自分の金で吸え!」
何それ?(笑)
タバコは没収された。
でも、僕はそんなことでタバコを止めるわけない。
不良のお姉さん家にタバコを預かってもらい、お姉さん家で吸った。

高校は寮生だったので、1年間は禁煙した。しかし、2年になったら風呂掃除をしながらタバコを吸い、夜中になったらベランダで吸った。
高校を卒業してからは大学でも吸った。
仕事に就いてからもやめなかった。

子供ができて妊娠中も吸い、出産した次の朝から喫煙所に通って吸った。

ストレス解消法だった。
酒とタバコは必ずセットで、タバコが吸えるお店を探して吸っていた。

僕がタバコを卒煙したのは去年だ。
気づいたらタバコを吸い始めて33年経っていた。
禁煙外来に2回通ってもやめやれず、一念発起してやめた。
やめた理由はタバコを吸うのがバカらしいことだと知ったから。
何を今更なんだが、タバコの税金が高すぎること。
マルボロ赤が600円(´⊙ω⊙`)
バカらしい。
やめだやめだ!
喫煙所も少ないし、吸えるお店がなくなっている。
気づけば完全なマイノリティ。
禁煙外来より良く効く卒煙ができた。
タバコの匂いが鼻につく。
タバコが如何に臭いものだったと知る。
もう2度と吸うことはないだろう。

映画やドラマから喫煙シーンが消えた

僕はプルース・ウィリスのダイハードシリーズが好きで、全部ディスクを持っているし、繰り返し観たんだけど、3作目頃からタバコが吸えなくなるシーンが増えた。
プルース・ウィリスもタバコが似合う俳優だった。
アメリカ映画でタバコを吸うシーンやシチュエーションが気持ち悪いほど消えている。
タバコが社会悪になっているのだ。
昔、日本のテレビでマルボロやなんかのCMを散々流して、買え!買え!と専売公社にプッシュしていたのに、いきなり、タバコを吸うなんてなんて愚かしいことが!と、掌を返した。
その波に日本も飲まれ、嫌煙運動が始まった。
いち早くインテリ層はタバコをやめた。
今じゃ喫煙者は珍しがられるくらいだ。

ヨーロッパはタバコに関しては寛容だ。
コーヒーやお酒と同じ嗜好品の1つで歴史があるから特にお咎めない。
迷惑をかけない限りは大丈夫らしい。
カフェの外の席などでタバコを吸える。
テレビで観たヨーロッパの景色にタバコを吸っている女性の姿がカッコ良かった。
風土の違いがよくわかる。

僕もバイト先でタバコを吸っていた時、「kemoさんは本当に美味しそうに吸うね」
と言われた。
本当にタバコが好きだった。
それは先人のカッコ良さが僕の憧れだったからだ。
口寂しいこともなく、卒煙できた。
卒煙したら喘息が見つかった_| ̄|○
なんてことだ…。

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