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無性愛というセクシャリティ

無性愛者

映画刀剣乱舞ー黎明ーを観に行って、中山咲月さんを知った。
彼のフォトエッセイを買って読んでみた時、共感できた。
この感じ、わかる。

中学からの同級生と大学時代に同居していた時も「背の低い彼氏」と呼ばれていた。(彼女の方が5cm背が高かったのだ。)しかし、彼女に恋愛感情があったかと言うと無く、性的な欲求もなかった。でも、彼氏。妙な関係だった。彼女といると完全に男として振る舞っていた。

子供の頃から一人称は僕。ズボンを履きスカートは滅多に着なかった。幼馴染は男の子。もちろん僕は男の子と一緒にモデルガンとトランシーバーを持って自転車に乗っての西部警察ごっこや、野球に明け暮れ、男の子と遊ぶことに何の違和感もなかった。

高校は男子校の隅っこに女子がいる特殊な環境。全寮制で全国から生徒が暑まってくる。女子寮いるのに髪を短く切り、ユーウィングのバッシュを履いていた。女子っぽいことは何もなく、男子と一緒にいることの方が楽だった。制服はスカートだったけど、一週間に一度着るくらい。
特に苦もなく制服は着ていた。
部活のブラバンでマーチング大会に出る時は男子の制服を借りて出場するのだが、前がジッパーで詰襟の制服はかっこよくて、女子高とかの子達に「一緒に写真を撮らせて下さい」と言われたり、バスの中から手を振られたりと女子にモテた。制服マジック。女子にモテたのも嫌じゃなかった。

今は結婚をして、高1の子供もいる。しかし、明確ではないが性の違和感がある。妊娠中の嫌悪感は日に日に増し、子供が生まれたてでカンガルーケアをする段階でMAXになった。我が子ながら気持ち悪かったのだ。紫色をした気持ち悪いのが身動きできないのに寄ってくる。思わず「気持ち悪い…」と言ってしまい、分娩室が凍ったのだ。
出産という女性にしかできないことを経験したくなかった。
夫とは友達程度にしか思っておらず、有り体に言えばセフレとして身体を提供してやっていたくらいのことで、恋愛感情はなかった。
昔から恋愛感情に乏しく、そもそも人間に興味がなかった。
人間に愛情を注げない。

男でも女でもない

可愛いものも好き。アクション映画や戦争映画も好き。バイクも車も好き。
ファンシーなものが好きな男性もいるんだからおかしくはない。
仕事も男性と一緒のことが多かった。
男社会に馴染んでしまい、女性と一緒だと不安になる。

ミュージカル刀剣乱舞の推し活もしているけど、美しい人を愛でるのは幸せだからだ。これは恋愛感情ではない。

他にも恋愛感情ではない推しに舘ひろしさんがいる。
4歳の頃、西部警察を観て憧れた。ファン歴は44年になる。
自転車に乗りたいと思ったのも舘さんに憧れたから。
大人になっても理想の男性像は舘さんだ。
限定解除の免許を取ったのも刀というバイクの黒カウルにWILD HEARTのロゴの入った革ジャンと革パンツと言う出立ちで、バイクを乗り回してみたかったからだった。
舘さんになりたかった。

生き方

女の形をした男。現状はこれだ。しかし、身体改造はしない。ホルモン注射や性転換手術には興味がない。
でも、男前でいたい。
女性はエスコートするし、歩道の右側を歩く。
これは気づいた時からずっとやっていること。日本人はレディファーストを知らない。
欧米人の男性に教えてもらったとがたくさんある。それを実践するだけでも男前になれる。
戸籍上は子供の母親だけど、実際は夫が母親の役をしている。子供も違和感を感じていない。このまま、うちの家庭は続いていく。

中山咲月さん

芸能界には所謂オカマと呼ばれる方や、女装家という方々がいる。
男性から女子へのトランスジェンダーだ。
しかし、女性から男性へのトランスジェンダーは知らない。
彼が先駆者になる。
彼が市民権を得て、活動の場が広がれば生き辛さを感じずに済むかもしれない。だから頑張ってほしい。
彼は僕らの希望だ。

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