テイルズ オブ シンフォニア -ラタトスクの騎士-

※本記事は、作品プレイ当時にXへ投稿した文章の転記です

(2024年7月20日)
今日から テイルズ オブ シンフォニア -ラタトスクの騎士-

(2024年7月21日)
ラタトスクの騎士はプレイ2日目にして早くも全滅2回。もしかすると難ゲーなのか。もしかすると装備をケチる時代はもう終わったのか^o^

(2024年8月6日)
テイルズ オブ シンフォニア -ラタトスクの騎士- をクリアしました。
エミルとマルタへの思い入れが大爆発した一作。

もうとにかく、この2人の関係性がめちゃめちゃ良かった。過去シリーズにはいなかった「好意を隠さず真っ直ぐグイグイ来るヒロインポジションキャラ」のマルタがとても可愛く、彼女に翻弄されまくるエミルとの掛け合いが微笑ましいのなんの。直近のテイルズの主人公⇔ヒロインはケンカ多めのコンビが何作か続いてたから、その分さらにほんわかしたというのもあったかも^o^ プレイ中、何度も思いましたもんね。ああ、どうかこのまま最後まで平和平穏相思相愛であってくれと。

だが、普段のエミルとラタトスクモードのエミルは別人格であることが確定的になってきた辺りで私の中に不安が渦巻き始めた。
ラタトスクモードが単なる状態変化なのではなく、自我を持った意識なんだとしたら、エミルは最終的にどうなっていくのだろうか? ラタトスクの復活(=騎士としての役目の全う)をもってラタトスクモードが消滅するのか? いや、ラタトスクモード表出の頻度が徐々に増していることを考えると、ラタトスク復活をもってラタトスクモードが完成され、普段の人格の方が飲み込まれるという可能性も?
いずれにしてもこの物語の結末は「(少なくとも)どちらかの人格との別れ」になるではないか。どちらかが死んでしまわなくてもだ。どう転んでもだ。時系列的にはこれを察した少し前の話になるが、テネブラエが「…どうせマルタさまの想いは叶わないのですから」とこぼしてもいた。これはもう…
マルタが今は両方の人格をどちらも「私が好きなエミル」だと言ってくれているけれど、これも先々を不安に思わせる要素で、つまりマルタはいつかどちらかとの別れに直面するのだ。こんなにしっかり思いを言葉にしてて、私はそれを応援したくて仕方ないのに、これが運命だというのだ。気が重い。
そしてこんな想像が頭の片隅にあると、ただでさえ良かった2人のやり取りがもっと愛おしく見えるようになってくる。マルタはエミル一筋で、一見すると彼に対して盲目にも見えるが、良くないと思ったことにはきちんと意見して道を正そうとするし、自分の存在について思い悩むエミルの支えになっていた(今にして思えば、マルタこそが"ラタトスク"の騎士だったんだな)。そんなエミルもマルタとの絆を深める中で「マルタを護る者」として成長していくし、常に直球なマルタの想いに言葉でも行動でも少しずつ応えられるようになっていった。マルタ以外の人間なんてどうでもいいと言い放ったラタトスクモードのエミルでさえ、マルタと関わる中で考えを改めていき、驚くほど変わっていった。

そんな3者の関係性に愛着ばかりが募り募ったその果て、辿り着いたのが「エミルとラタトスクの人格を一つにすべき」という結論だった訳です。ここ、エミルの決断が唐突に思えて戸惑ったんですけど、そのあとテネブラエに対して決意を語るシーンがあったでしょう。あそこで大泣きでした。どうか幸せになってくれという私の思いには反して、一番悲しい結末へ向かうのか。でもラタトスク人格を封じたことに負い目があるのも理解できるから「何でだよ」とも言えず、やるせないばかりで泣ける。人知れず悪役になって消えていこうとするエミルを思うともう泣ける。残されるマルタを思うととにかく泣ける。
このシーンは、最後までその決意に従うと言い切ったテネブラエの忠誠心も良かったですね。ラタトスクの振る舞いによっては、最後に敵対する展開も十分ある立ち位置のキャラだと思っていたので、こう寄り添ってくれる姿が更に涙を呼びました。

そしてラストの、マルタが真相に気付くシーンですよ。号泣。結末まで全部良かった。プレイ開始時は「シンフォニアの続編であること」が一番の注目ポイントだった本作ですが、そことはまったく異なる角度からこんなに心を揺さぶられるとは。個人的「テイルズベストコンビ」はこれまでロイド⇔コレットが君臨してましたが、エミル⇔マルタはその双璧を成す2人でしたね。幸せであれ。
あとロイド⇔コレットのとき(前作クリア時)にも強く思いましたが、もっと2人の掛け合いが見たいので、クロスオーバー作品に出演しているならかなりプレイしたくなりました。調べておく :)

「シンフォニアの続編」としての本作の感想も。いったいに続編とは「前作で問題解決した世界にまたもや問題が降りかかる」ものなので、確かに「懐かしのあのキャラに会える」「久々にあの場所へ行ける」といったワクワクがある一方、前作に思い入れがあればあるほど「また皆に試練が訪れるのか」「一度勝ち取った平和がまた脅かされるのか」のような心的負担もあるものだと思っているのですが、まさに今作もその側面がありました。
「世界を救った英雄」という立ち位置では全然ないロイドの登場の仕方。これには心がざわつきましたね。シリーズ中でもトップクラスの真っ直ぐキャラだったので「オープニングのあれは本人ではない」と確信はしながらも「何者かに操られた本人」の可能性は捨て切れないのでモヤモヤは募る一方。更にエミルが、作中に登場する人物の中でもかなり強めにロイドへ憎悪を向けるキャラだったので、エミルに感情移入すればするほど「エミルの心情を慮りたい自分」と「ロイドを信じたい自分」との板挟みになっていき、話を進めるのになかなかの精神力が要る序盤中盤でした。
この息苦しさを緩和してくれたのが、リフィル登場あたりのイベントでの、エミルへ向けたテネブラエのセリフです。

「誰だって自分が好感を持っている相手を否定されれば腹も立つでしょう」

これは前作を知るプレイヤーがエミルに対して感じていたことの代弁でもあったのかなと感じました。そしてこの言葉が、頑なだったエミルの心情を融かしたと同時に、私にも「ああ、かつてのロイドを深く知る者として、憤ってもよかったのかな」と思わせてくれたと。真剣に本作と向き合おうとする上で随分と心が軽くなった場面でした。そしてテネブラエ。普段はあんなにお調子者なのに、要所要所では年長者として、知識人として、侍従として、重みのある言葉をかけるのが非常に格好良かったですね。

ロイドの疑惑が晴れて以降は、心底「シンフォニアの続編」を堪能していたことは言うまでもありません。
特に、ロイドがエミルに諦めないことの大切さや強さとは何かを伝えていた場面はかなり熱かったですね。自らの経験を基に、人としての、困難に挑む者としての大事なことを教える偉大な仲間。しかも強い。そしてただ無敵の超人と化したのではなく前作ゆずりの抜けた一面も変わってない(温泉で称号がアレに固定されたのは焦ったが^o^)。これは完璧な「前作主人公」だと。一番遅れてやって来たけど、決めるところでしっかり決めてくれて満足の活躍ぶりでした。

バトルについて。プレイ2日目で全滅2回という絶望の立ち上がりでしたが、装備をちゃんと新調するようにした…というか宝箱に装備品が結構入れられてくれていたお陰で、最終的には4回に抑えられました。終わってみればこれは難ゲーではなく、ただただ自分の油断がもたらした2敗であった。
いや! Wiiリモコンによる操作にまだ不慣れだったことも一因だったのではあるまいか! 初めの内は何度もユニゾン・アタックを暴発させてたしな!(何ひとつフォローにならない^o^)
最後の全滅はアリス+デクス戦でした。前作メンバー離脱イベントの直後で、あんまり育成できてないモンスターが引きずり出されたイヤなタイミングを見事に突かれた形。キタナイ^o^ クヤシイ^o^

仲間モンスターシステムについても少し。これ、モンスターを仲間にすればするほど、その属性のセンチュリオンを従えたときにより強くなると言われていたので積極的に契約を迫っていったのですが、実際のところ強さに反映される仕組みだったのだろうか? まあ、そこの詳細は攻略本で確認するとしよう。
勧誘には積極的だった一方で育成にはあまり熱心でなかったのですが、最終メンバーに入っていたファフニールだけはLv.97まで育ってました。種族や見た目がどうこうで選んだというよりは、たまたま備わっていたシンクロ「精神のくつろぎ(自身と先頭キャラのTP大回復)」の使い勝手があまりに良くてレギュラー落ちさせられなくなり、いつの間にか誰よりも強靭になっていたのでした。こんなに立派になるんなら、強化アイテムを注ぎ込んで更に最強にしてあげてもよかったかもな^o^

いやはや名作でした。本作を、テイルズの旧分類におけるマザーシップタイトルでないことを理由にプレイしていない人がいるのなら、かなり勿体ないなあと思っています。
折しも昨年、前作シンフォニアのリマスターが発売されましたし、それを機に本作をプレイする人が増えていたら嬉しい限り :)

#ゲーム感想 #テイルズ #テイルズオブ

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