聖剣伝説DS CHILDREN of MANA
(2024年10月27日)
今日から 聖剣伝説DS CHILDREN of MANA
(2024年11月4日)
聖剣伝説DS CHILDREN of MANA をクリアしました。
聖剣伝説シリーズをよく知る者として、この言葉にワクワクを感じずにいられるだろうか? 主人公たちがマナの女神と戦う過去作はあったけど、「聖剣がマナと戦う」とは? 「マナ」とはマナエネルギーのことを指すのか? はたまた樹や女神をも含む表現なのか? パッケージを見ている段階からそんな想像を膨らませてテンションが上がっていました。
序盤、あの言葉が暗示していた通りなのか、聖剣が主人公を助けるべくかのように空から降って来る場面が。これ、今思うと、この時点でもうシリーズとしてはかなり異色でしたね。
過去作で描かれたマナの剣とは、ゲーム開始時点でそれを手にするに十分な資質を持つとは必ずしも言えるわけでない少年少女が、長い旅と多くの経験の中で心身ともに成長したその果て、剣自身に、或いは女神に認められてようやく手に取ることが叶うものであった。ある6人の少年少女が、ただ「フェアリーに選ばれた」という一事だけをもって、ゲーム冒頭の状態で剣を引き抜けたか(=剣と心を通わせられたか)と考えるとそれはおそらく無理だったはずだし、はたまたマナの木を親に持つとある少年だって、……いや彼なら力を失ってない状態の剣であっても引き抜くことができたかもしれないが、それをすぐさま満足に扱えることができたかと言われればそうはならなかっただろうし。
そんな聖剣がこんなに早く、それも何と剣の方からやって来た。これは、今作の主人公が過去作のキャラたちを遥かに凌ぐとんでもない資質の持ち主であったということか、或いは資格を見極めるなどという悠長なことを言っていられないほど窮した状況なのだということか。後者の気配をひしひしと感じながら「異常な聖剣伝説」が本格的に幕を開けたのでした。
中盤、謎の男の正体がマナの王であることが明かされる。マナに関連する何らかの存在であることは間違いないだろうと思っていたのでその点での驚きはなかったのですが、「マナの女神の暗黒面」的な想像をしていたのが実は「マナの王もマナの女神より生まれし者」だったのにはハッとさせられました。ここまで、本作タイトルの "CHILDREN of MANA" とは、この世界に生きる者たちのことを指した、つまりマナの女神の加護を受ける「生きとし生ける私の子供たち」というニュアンスでの CHILDREN なのかなと思い(実際、マナの王も主人公たちのことを「マナの子ら」と表現していた)、そのマナの子らが悪に立ち向かう物語なのだと考えていたが、その実マナの王のことを意味する言葉でもあったのか。
そればかりではない。終盤になると、マナの女神から溢れ出し制御することができず、遂には女神から独立して暴走し始めた意識体――マナの嬰児(みどりご)の存在も明らかとなった。これもまた "CHILDREN of MANA" に他ならない。
これは物語を解釈する上では結構大事なことと捉えました。なぜなら、"CHILDREN of MANA" が主人公たちのことだけを指すのであれば、主人公サイドを善、マナの王サイドを悪としたシンプルな勧善懲悪の構図として捉えていいと思うが、これがマナの王もマナの嬰児も含んだ言葉なのだとしたら、彼らもまた、視点を変えて見たときの主人公と言えるであろうからです。
実際、マナの王はただ無思慮に世界を壊したいと述べていたように見えて、しかしその最期は印象に残るものでした。以前は「世界をマナで満たし、世界をマナで飲み込ませようとするのが女神の望み」と言っていたが、本当は女神が自分の行いを止めたいのだと分かっていた。即ち虚飾を張って己の行動理念を表していたのであり、この事実からは、彼が「自らの使命に賛同してくれる者の不在」を、「母にさえ拒絶される孤独」を振り払おうとしていた様子が伺えなくもない。散り際にマナの剣とマナの胚を主人公に譲り渡したときの表情は至って穏やかに見えたが、その本心はどこにあったのか。これが深く語られなかったのは、マナの王がまだまだ生まれたばかりの利かん坊だったからか、はたまたこれが携帯機ボリュームの作品だったからか。仮に、母・マナの女神と対面することがあったとしたら、彼は何を話したのだろうか? そんな思いに駆られる展開でしたね。
もう一方のマナの嬰児については、まだ意思疎通できるほど成長した存在ではなかったために会話シーンは無く、エンディングでもマナの女神に抱かれる姿を垣間見られるのみでしたが、あの子もまた "CHILDREN of MANA" の肩書きを与えられた重要な存在の一端なのだとしたら、これは「もしかすると後続のシリーズで再登場する存在の可能性もあるのかな」と感じていました。後述もしますが、本作は「複数作品からなる新・聖剣プロジェクト第一作」の意味合いを持たされている作品なので、この作品内で詳細に触れられないことそれ自体には納得感があります。実際にはどうだったんだろう。後の作品にいたりするのかな。いや、過去作に出ていたあのあれが実は、みたいなケースもあり得なくはないか。ちょっと想像が飛躍し過ぎの感はありますが、なにぶん描かれている要素があまりに少ないために、淡い想像がいくらでも広げられる罪作りな子なんです^o^
ところで、中盤以降の展開を見ていて少し気になったことがありました。使用キャラによって内容にはどの程度の違いがあったのだろう。
主人公選択で私はフリックを選んだのですが、家族の影が出て来たシーンとか、その後そこで手に入る思い出アイテムは他キャラなら異なる表現になっていたはずで、それも見たかったねえ、となってました。タンブルとポップについてはキャラ説明に家族への言及があったので展開の予想はつかなくもないけど、ワンダラーは読めない。果たしてシリアスになったのかな……?^o^
エンディングの別れのシーンは、「またいつか会えるよ」とは決して言えない離別なんだと思うと心痛するものが。主人公とティスたちって、災厄のあと力を合わせて生き抜いてきた家族以上の関係性だったんだろうからなあ。フリックが沈んだ表情だったのに対して、ティスは笑って「さようなら」と言っていたのが印象的でした。ここも、選択キャラによってどんなやり取りの違いがあるのか見てみたいシーンでしたね。
いやー、あと、これはまた行き過ぎた空想なのかもしれませんけど、最後に封印されたイルージャ島(=マナの聖域)が遠い未来の聖剣3の聖域、ということだったりはしないんだろうか。虚ろなる地の雰囲気が聖剣3の聖域に近しかったので、もしやと思ってひとり色めき立っていました。
さて、本作を終えた時点で強く思ったことがひとつ。マナの女神がほぼ登場しないまま終わったのは意外だった。
言うまでもなく本作においてもマナの女神は最重要存在で、特に今回はマナの王の暗躍やマナの力の暴走などについて「どうしてマナの女神は黙ったままなのか」「もしかしてこれはマナの女神がもたらした災いなのか」という疑念にまで発展しかけるお話だったため、どこかで女神自ら事の真相を話す展開があるのだろうと思っていました。
マナの剣を遣わしたのは女神だった。
女神はマナの王とマナの嬰児を止めようと必死だった。
マナの樹までもが暴走した力によって封じられていたため女神は姿を現すことさえできなかった。
これらの事実はすべてマナの王が語ってくれたもので、もちろんそれだけでも、女神を信ずる者として安堵するには十分だったけれども、これに加えて女神直々の言葉も賜れたなら一層の救いになっただろうに、でも、それは無かった。
この辺りの演出を見て私は、開発陣が本作に込めた意志を感じた気がしました。即ち、本作はこれ単体で完結するものではなく、新生聖剣プロジェクトの出発点として長く大きく広がっていくもので、だからこの一作の中ですべてを表現・説明する必要性は必ずしもないのだと。事実、発売時期の近い次作(=聖剣伝説4)で「マナの女神はどんな御心を持った存在だったのか」あるいは「10年前に世界を襲った災厄」について深く触れられており、本作の制作時点でそういう展望があったのであろうことは明らかで、だとしたら本作の中においては「秘密多き存在」に留まらせていたのも合点がいくというものです。気になるのは、私は先に聖剣伝説4(ならびに本作と聖剣4との関連性)を知っていたからこそ今こう感じているのですが、当時この作品を先にプレイした方はどう受け取ったのだろう、ということ。女神の真意はマナの王の口から明らかにされていた訳だし、モヤモヤが残るなんてことはなく、シンプルに1つの完成した物語として解釈できていたのかな。「聖剣伝説4を既に知っている」ことは、本作の奥深さを感じる点においてはとてつもない力を発揮してましたが、これによって純粋な初見プレイからはかけ離れたかなというのは、当時のプレイヤーを羨ましく思うところです :)
アクション面では、全編通してさほど苦戦せずのプレイでした。特に今作のボスたちは総じてHP低めだったため、被弾を恐れず真っ直ぐ突っ込み武器振り回して速攻打開という無策脳筋ゴリ押しスタイルが見事ハマった形^o^
一方、そんな感じで武器が大活躍すればするほど、魔法の出番は少なくなる格好に。作風的には、いろんな精霊と一緒に冒険して様々な魔法で彩りのあるプレイにした方がいいんだろうなと頭では理解していたのですが、「非常時の回復手段がある」という安心感も手伝って初めから終わりまでずっとウィスプとコンビを組んでしまっていました。魔力に長けたキャラを主人公にしていたら、この辺りもだいぶ違っていたのかな。
本作の特色の一つとしてジェムの要素がありましたが、終盤はこのような構成にしていました。
$$
\begin{array}{l:l}
\hline
①あきらめない勇気 & HP0時に天使の聖杯で自動復活 \\
\hline
②ソードファイター & ソード 強化 \\
\hline
③ある少年への光 & ソード+守り+技 強化 \\
\hline
④ケモノのたましい & 全武器 強化 \\
\hline
⑤かんごしの心得 & HP回復アイテム効果2倍 \\
\hline
⑥急成長の心 & 経験値1.5倍 \\
\hline
⑦ドラゴンのたましい & 全武器 強化 \\
\hline
⑧天使の心得 & 天使の聖杯で復活時にHP満タン \\
\end{array}
$$
全滅ペナルティがそこそこ大きいルールだったので①のある安心感は大きかったですね。幸い、これのお世話になる機会はありませんでしたが……
それから、レベルが重要なシステムだったので経験値UPは常設。ラスボス間近になったら⑥と⑦⑧を交換する方針に。
あとはひたすら剣特化^o^ 物理最強^o^
(2024年11月5日)
クリア後、連れている精霊によって対応する属性の神獣サブイベントが発生することを発見。光の神獣しか登場しないのはおかしいなと思ってたんだ。ウィスプとしか冒険していないことの弊害がこんな形で表れていたとは。危うく見逃すところだった。
という訳で無事、8神獣すべてと会うことができ、最後にジェム「神秘のしゅくふく」を貰うところまでやりました。本作の、そしてシリーズの世界観を理解する上で大事な話を聞けたので、これはやっておくべきイベントだった。特に「おお」と思ったのは、10年前の災禍について聞いたとき「災禍のことは、いずれすべてを知るときが来よう」と言われたことで、これはやはり聖剣伝説4のことを指しているっぽいですね。本作を終えたら聖剣4(2周目)やるんですけど、本作を踏まえた上でだとどう見えるのか楽しみです :)
ところで、神獣への質問なんですが、神獣8体に対して質問項目は9つあって、1つ聞けず終いだったのがかなり気になっています。どこかにもう1人いたりするのか……? 実はそれがマナの女神だったりは……?
この先は攻略本を読んで確認したいと思います。
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