FINAL FANTASY CRYSTAL CHRONICLES (GC版)

※本記事は、作品プレイ当時にXへ投稿した文章の転記です

(2024年7月5日)
今日から FINAL FANTASY CRYSTAL CHRONICLES (GC版)

(2024年7月14日)
FINAL FANTASY CRYSTAL CHRONICLES をクリアしました。
6年とちょっと、日記にして71ページの旅だった。

説明書を読んだ時点で、本作の核になっているのはマルチモードの方だと感じたので、ストーリーを楽しむというよりは皆でワイワイとアクションを楽しむ要素の方が強いゲームなのかなと想像しました。
ただ作品の強みがそればかりだとシングルモードに旨味がないということになってしまうので、そこを補強するのが「旅の中での出会い」とか「各地の風景や歴史に触れること」なんだろうなと。つまり本作は(特にシングルモードにおいては)旅情を楽しむゲームだと思っていたのです、初めは。
実際、旅に出たばかりの頃は、キャラバン同士の連帯感が良いなあと思ったり、ダンジョン冒頭のナレーションが雰囲気を更に深めるなあと感じたり、あとは1年2年と時間経過する中で方々に起こる大小の変化を味わえるのも風情あるよねえとしみじみしたり、まさに旅路を楽しむ様相でした。旅の目的のシビアさに対して少々のほほんとし過ぎている感を覚えないでもありませんが「しずくを集め切らない内に1年経過してゲームオーバーになったりすることはない」というルールが安心感を呼んで、そのことがこのゆったりのんびりプレイの一助になっていたのかもしれません。

しかしどうだ。プレイしていくに連れ、段々とストーリー面の様子が変わってくる。このゲームに明確な異様さを感じたのは、黒騎士が謎の光と戦っているシーンを見たときです。かねてより「最近、急に物忘れがひどくなる人がいる」という話に得も言われぬ不穏さを感じていたところ、ここではっきり「これは雰囲気を堪能するばかりのゲームじゃないぞ」と理解しました。
そしてこのとき、私からの本作の見え方がどう変わったか。3年目までで「旅の方針によっては近所の6~9ダンジョンくらいをローテーションしていれば無理に遠方の新天地を開拓しなくても延々としずくを採取できそうだけど、そういうプレイをしていても話は進行していくんだろうか」と思っていて、とは言えこの疑問もこれまでは「各地で小さなイベントが起こってそれを見届けたり解決していくタイプのゲームなのであれば成立するか」と解釈していたのですが、ここに実は「柱となるメインストーリー」が存在し絡んでいくとなると話は違ってくる。
果たしてのそのメインストーリーも、ただ漫然としずくを集めて時間を進めてさえいればひとりでに進展するものなのか? さすがに何か他の進行条件があったりするのではないか? もしそうなら「近所にのみ赴いてしずくを集めててもいい自由度」があるということは裏返して言えば「ストーリーのゴールが仮にあるとして、その到達条件はプレイヤー自らが発見しなければならない」のではないか?
本作の見え方が変わったポイントはもう一つある。黒騎士が見舞われている記憶喪失とは? 伝道師ハーディは「時が過ぎるにつれ、思い出は忘れられていく」のように言っていた。主人公も日記に「新しい思い出が増えたら、古い思い出は薄れていく」のようなことを書いていた。物忘れの症状が出ている人は年を追うごとに増えているようにも感じる。私は、このまま深く考えず思い出を積み重ね続けていてもいいのか? そう言えばメニュー画面の「思い出の数」は3桁の数字を書くようにはできていない気がするが、これは100がタイムリミットであることの示唆であったりはしないか? メインストーリーの気配と最終期限の予感を察すると共に、これまで穏やかだったはずの旅が急に緊張感を帯び始めたひと幕でした。

この推測が正しいなら、全力でストーリー進展のカギを見付け出さなければ。レベナ平野奥の瘴気ストリームは当然気になる。ガーディの詩が指すとされる砂漠も重要そう。黒騎士がかつて訪れ、デ・ナムも調査に赴いた湿原だって外せない。各地で見かけるアルフィタリアの姫?も無視できないし、少しずつ真実に近付いているかのようなスティルツキンの動向も気がかりだ。何か行動を起こす度にまた一つ増えていく思い出と、年々強くなっているように思える敵との戦いに、袋小路へ追い詰められている感覚を覚えて焦りながらではありましたが、ここが全体の旅の中で一番楽しい期間でした。
そんな旅を続けて7年目、遂に私は第5の属性に到達したのでした。結局、あのヒントがすべて開示されてから答えに辿り着いたのは悔しいところでしたが、それでもやはり「自ら道を切り拓いた」のにはテンションが上がりましたね。こういう仕掛けは、物語が固定の作品には無い格別の興奮がある :)

受難の大穴に着いてからは、一気にクリアへと突き進みました。終盤のシーンではやはりミオの問いかけに答える展開が良かったですね。確かに、明確な目的意識を持たず思い出だけが積み重なっていき、例えば20年目とかでここを訪れていたら、本来は輝けるものだったはずの思い出すら既に薄らいであれらの問いに答えることはできなくなっていたのかも。私はすべて正しく答えられました。近年、加齢に伴う忘れっぽさを自覚できてしまっている中、何とか本作の大事な部分を踏み外さないプレイができたかな。"姫"や"魔"とは無関係に思い出を失ってたら格好が付かないところだったものね^o^

さて、クリアはしたものの、心に引っ掛かっている部分もまだ残っています。瘴気でおかしくなりつつあるデ・ナムは救えないのか?(湿原に行ってはみたがどこにいるのか分からなかった) アルフィタリアの姫のイベントはどう展開していくの? マグ・メルにいたカーバンクルとは何者? あるいは、砂漠へ渡れるようになったのが5年目で黒騎士没が6年目だったから、最速で行動したら黒騎士を救うこともできたのか? など…この辺りは、引き続き10年目くらいまでプレイしてみて、なお分からないところは攻略本に当たってみようと思います。

今回の旅はほぼリルティの一人旅でした。ゲームの性格上、キャラバン人数の多い方がより情緒を味わえたはずだが…ハハハ^o^ あと、魔法が有効な敵と戦う日のためにも絶対もう一人はタイプの違うキャラがいるべきだったはずですが、成長が分散するのを嫌って孤高を貫いてしまいました^o^
もし2周目をやるとしたら、次はセルキーにしたいですね。やっぱりあの、セルキーでだけ読める湿原の石碑が気になり過ぎるので :)

#ゲーム感想 #FF

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