豊かな社会の荒廃よりも、貧しい社会の荒廃の方が問題

SDGsの第一目標に「貧困をなくそう」が掲げられていますが、論語の中にこんな一節があります。 

「貧しくて怨む(うらむ)無きは難く、冨みて驕る(おごる)無きは易し」
(貧しくて生活が苦しいときは、人や運命をうらまないのは難しい。しかし、金持ちでいばらいのは、比較的易しい。)

人は貧しい状態が続くと、情けない気持ちになり、他人や運命を怨みやすくなる、というものです。

実際、無差別殺人等、悲しい事件の背景に貧困が背景にあることも少なくありません。親子の心中なども経済的理由が背景とされることが多いです。

また、子供の頃から貧困を経験することは、その後の行動様式に影響を与えることもあると思います。多少飛躍しているかもしれませんが、ロシアのプーチンの少年期は貧困の中にいたことも、その人格形成の遠因ではないかとさえ思ってしまいます。

貧困は自己責任、と考える人も多いと思います。確かに努力しないが故に相応の対価となることは、公平性の視点からも妥当だと思います。

ただ、リーダーが、個々の人間の強みを活かし、お客様や社会に貢献できるように導くことで大きな富を生み出し、貢献に応じて適正に還元できるなら、大きな貧困問題は生まれないのではないでしょうか。

孔子も言っているように金持ちになって傲慢となることを心配するよりも、貧困が蔓延して心がすさむことを心配すべきだし、リーダーとなる人の一番大きなミッションだと思います。

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