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仕事に活かせる中国古典

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数千年の風雪に耐え、今なお世界中で評価されている中国古典。現代を生きる私達が「よい仕事」を取組むにあたり、どのような中国古典の教えが活きるのかご紹介できればと思います。
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#思いやり

思いやりやいつくしみも、学び、努力し続けることが大事では

子いわく「回やその心、三月仁にたがわず。その余はすなわち日月に至るのみ」 (論語、公治長第五) (先生がいわれた「顔回は、三月も仁の徳から離れることはない。そのほかの者では、一日か一月仁の徳に触れるだけで永続きしない(仁は身についていることが大切なのだ)」) 孔子は、数ある弟子の中でも顔回という弟子を最もかわいがっていました。論語を読むと、少々顔回も恥ずかしがるのでは、と思うほど顔回のことをほめあげています。現代でも使われる「一を聞いて十を知る」は、孔子が顔回のことを評し

反省

子いわく、「仁におるをよしとなす。えらんで仁によらずば、いずくんぞ知なるをえん。」(論語、里仁第四) (先生が言われた「仁(思いやり)の中にいるがごとく、判断を仁におくのが、よい生き方である。あれこれ選んで仁から外れてしまうのは知者とは言えない」) 論語が言うところの仁、他者への思いやりや配慮を大事にしようと思っていても、日々の活動の中それ以外の基準や諸々もありながら活動してしまうものです。そのうち、自分としては大事にしているつもりでも、周囲や相対する方からは、もっと内部

当たり前と思っていることも、学びなしに身につくものではない

子いわく、「性相い近きなり。習えば相い遠きなり」(論語、陽貨第十七) (先生がいわれた。「人は生まれたときには互いに似ていて近い。しかし、学びの有無によって善にも悪にもなり、互いに遠くへだたる」) 少し歳を経てきて感じるのですが、人間は幸せになる為には、本来色々なことを学ばないといけないのでは、と思うのです。 それは、決して学校の教科書的なことだけではなく、例えば、社会やコミュニティ、家族と一緒に生きていくあたり、他者への貢献であったりとか、他者への思いやり、尊重、感