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仕事に活かせる中国古典

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数千年の風雪に耐え、今なお世界中で評価されている中国古典。現代を生きる私達が「よい仕事」を取組むにあたり、どのような中国古典の教えが活きるのかご紹介できればと思います。
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2022年7月の記事一覧

率先垂範はリーダーの大事な資質

子いわく「その身正しければ、令せずして行わる。その身正しからざれば、令すといえども従わず」(論語 子路第十三) (先生がいわれた。「上に立つ者の身のあり方が正しければ、命令しなくとも民は自然に従い、物事は行われる。反対に、その身が正しくなければ、命令しても人は従わない。」) 6月の弊社北海道合宿時に江戸時代の名君、上杉鷹山についてお話しさせて頂きました。 鷹山は治める米沢藩において、色々な改革を行いましたが、そのうちの一つが支出を減らす質素倹約でした。 米沢藩は、最も

マネジメントやリーダーの責任とは

子曰く、「君子は人の美を成し、人の悪を成さず。小人は是れに反す。」(論語 顔淵第十二) (先生がいわれた。「君子というものは、人の美点を励まして向上させ、逆に悪いところは正してなくさせる。小人はこれとまったく逆のことをする。」) これは、シンプルに言っていますが、なかなか実践が難しいものです。 他者を見る場合、心のなすがまま、という事であれば、どうしても悪いところが目に行きがちとなります。ですので、意識して人の良いところ、美点に注目して、更に伸ばしていくことが大事です。

リーダーは自己本位な思いに左右されず、社会で求められる役割を果たす

「顔淵、仁を問う。子いわく、「己にかちて礼にかえるを仁となす。一日己にかちて礼にかえれば、天下仁に帰す。仁をなすは己による、しこうして人によらんや。」」(論語 顔淵第十二) (顔回が人の道である仁のことをおたずねすると、先生はこういわれた。 「自分の欲にかち、礼という規範にかえるのが仁ということだ。一日でもそれができれば、世の中の人もこれを見習い、仁に目覚めるであろう。仁を行うのは自分しだいだ。人に頼ってできるものではない。」) この論語の一節は、論語がリーダーとなる人に

適切な水準は何の視点で考えるべきなのか

「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」(論語、先進第十一) (中庸が大切なのだ。ゆき過ぎは足りないのと同じだ。) 生きていると思いますが、真面目な人ほど何事もやり過ぎたりして、本人は良かれと思ったことでも、周りからするとどうでもよかったり、むしろ迷惑なことがあったりもするものです。 (もしかしたら、私がさほど真面目とも自分自身は思いませんが、自分もそのようなこともあるのかもしれません。) 迷惑をかける、ということであれば、それは結局足りないことと同じなのでしょう。 それで