過小評価されているステージとは?ヤバいステージ達と向き合った2時間
2021年10月19日。
大人気ゲーム「キングダムハーツ」の主人公であるソラが参戦した。
…『最後の』追加キャラクターとして。
そう、最後ということもあり全キャラクターが、
そして全ステージが揃ったのだ。
普段から競技シーンのスマブラだけを見ている層にはあまり気にしたことがないかもしれないが、スマブラといえば『愉快なアクションゲーム』であり「大乱闘」も「タイマン」も「チーム」も遊べる、まさに玉手箱のようなゲームだ。
その『愉快な』の要素である大乱闘を盛り上げるのはやはりファイターであり、そしてステージだろう。テニスでもコートが試合に大きく影響を及ぼすように、スマブラでもステージは大きな要素の一つだ。
私自身は競技シーンとしてのスマブラも気に入っているが、愉快な『大乱闘』も遊ぶプレイヤーであり、それが故に「どのステージが乱闘で盛り上がりやすく、どのステージがあまり盛り上がらないか」が発売してからの3年でなんとなく分かるようになっていた。
そこで、Twitterにてこのような画像をツイートした。
私自身の主観ではあるが、盛り上がりやすいステージランクを作成した。
基本的にはB以上は安定しており、Cはそもそも『ランダムステージスイッチ』から削除されてる。盛り上がったことがないので。
この画像を見た某NTさん曰く、
???
「Tier "C"のステージで乱闘をしよう」
凄すぎる。スマブラの試遊台がこの設定だったら誰一人購入しないだろう。
この設定での大乱闘を2時間ほど行い、過小評価されているステージを、真のステージランクを探し出す旅に出た…
この記事は寝椅子さん主催の
スマブラAdventCalendar2021に参加しています。貴重な機会を得させていただいたことに感謝すると共に、ぜひ他の方が投稿した記事も読んでみてください。
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Tier “B-”
B-に当たるステージは我々が過小評価していると見なしたステージ。
実はつまらなくないことが明らかになったという、当企画での1番の目的を達成した偉大なるステージである。
テンガンざん やりのはしら
テンガンざんは極太ビームや低重力化などのギミックはあるものの、ステージの構造上、分断されてしまうのでワチャワチャ感が減るのが減点。
分断されてしまうステージは基本的に減点対象になりがちである。
ニューポークシティ
思ったよりもつまらなくなかったのはニューポークシティ。
巨大すぎてカメラが遠ざかり迫力に欠けるという難点はあるものの、壊れる床・受け身がしやすいけどミスると落ちやすい左下など結構アツい要素がある。
右上の何を考えて配置したのか分からない床ゾーンはともかく、即死ギミックであるきゅうきょくキマイラなど独自要素が多めなので評価できるポイントが多いステージ。ランダムステージスイッチから消すほどではないのかなと思う。
エレクトロプランクトン
スマブラXのク〇ステとして名高いエレクトロプランクトンも過小評価ステージの1つ。
そもそも「パーティゲーなのにBGMが簡素すぎる」というのがXでの大きな減点要素だったが、今作はオレ曲セレクトで盛り上がる曲も選べるのでBGM問題は消えている。
背景がちょっと目に痛いことや、そもそもステージとして面白い要素が薄いことなど減点要素が多いものの、ひとつだけ『大きな』加点要素がある。
うおおお!!!!!
Tier “C+”
一覧を見て分かるように、
やたらデカいステージ
分断されてしまうステージ
これらに値するステージは盛り下がりやすい傾向がある。
神殿
神殿はスマブラDXから続く伝統的ステージ。
今作は吹っ飛び速度によって受け身が出来なくなるシステムが追加されてしまったが故に受け身チキンレースが出来なくなってしまったので、寿命で死ぬのがやや味気ない。
…というより、飽きてしまったのもあるだろう。
ブリンスタ深部
やたらごっちゃなブリンスタ深部は、『戦えなくはない』という評価に落ちた。小さい浮島の上でワチャワチャするのは大味ながらも面白いものがある。
むしろ、「クレイドが謎の塊を回転させ続ける」という原作でそんなシーンあったっけ?というステージコンセプトを思いついた桜井さんにじわじわ恐怖が湧いてくる。
スマブラDXはかなり開発期間が足りなかったことで有名であり、その地獄な環境下がこのユニークなコンセプトを思いつかばせたのかもしれない。休みを与えろ
Tier "C"
だんだん全員が黙るシーンが多くなってきた。
「4人で遊ぶゲームだから誰かしらは喋るだろ」という心、どこに行った?
フォーサイド
スマブラDXからの復活ステージ、フォーサイドは滅茶苦茶凝られたステージだ。原作同様にクオータービューで描かれた綺麗な街並みといい、定期的に襲来してくるUFOといい、「見ているだけでも楽しませよう」という気持ちを感じさせる。
ただ、悲しいことにこのステージも分断型ステージなのでいまいち盛り上がりにくい。
定期的に出てくるUFOもスマブラDXから大幅に弱体化しており、ツルツル滑らないただの浮島と化してしまった。滑るだけで面白かったが故に、ステージの強化パッチが待たれる。
ただ、背景といい造り込みの高さは随一。
遊ぶ分にはあまり面白くないが、眺める分には滅茶苦茶楽しいのでカメラモードで眺めてみることをオススメする。
洞窟大作戦
何かが起こりそうで何も起こらないことで有名な洞窟大作戦。
8人用ステージということもあって沢山のギミックがあるが、どれも色んな場所にあって「どこで戦うべきか分からない」…といった、「フードコートあるある」が起こる。
我々もどこが正解なのかを探るため、各階層に集まって乱闘を行った。
…結論としては、ここ。
絶妙な大砲の位置、ほどよくある溶岩、そして画面端撃墜…匠によって作り上げられた構成が美しい。アイテムもほどよく回収しやすいのも良く、楽しさはある。
しかし、そもそもとして「ステージの特定の場所に集まらなければいけない」というローカルルール押し付けは如何なものだろうか…ということはあるが、面白さが来るのを『待つ』のではなく『見つけ出す』ことが求められるのは原作の洞窟大作戦同様の楽しみ方ではないだろうか?
…ということにしませんか?
Tier "D"
「8人用ステージは4人で遊ぶものではない」
という当たり前の事実を突きつけられている。ただ、オンラインは4人でしか遊べないし、8人がオフラインで集まることも少ない。この評価になるのも仕方ないものがあると思う。でも8人で遊んだところで評価は…
ガウル平原
スマブラforで初登場したステージ。シュルクのモナドアーツを利用した機動力の変化を味わえるステージだが、それにしてもデカすぎる気がするし台が散り散りになっている。
原作にはなかった謎のジャンプ台もあり、これを踏むことで一番上の台まで移動できる。ぶっちゃけ跳ねすぎであり、これを使うだけでカメラが引いて盛り上がりが薄れるし、キャラクターの位置を見失いやすい。
ステージの目玉ギミックの一つとして、夜になると『黒いフェイス』という敵NPCが登場することがある。ステージを破壊するといったド派手な演出が魅力的だ。
…だが、『登場することがある』ということで必ず出現するわけではない。
黒いフェイスが出ないガウル平原はただのクソデカステージであり、正味面白さに欠ける。必ず出現する仕様にしてほしかった…
ついでに言うと「ステージの破壊」もランダム。やる気ないのか?
エンジェランド
オービタルゲート宙域と並ぶ2大巨頭の一つ、それがエンジェランド。
あまりにもデカすぎる上に足場が点在していて…と、悪いところがあまりにも目立つステージだが、良いところはある。
…そう、よくわからないものがいっぱいある。当たっても何も面白くならないトゲや、明らかに世界観から浮いているバネなど様々なギミックが置いてあり、玉手箱(?)とも言えるステージだ。
色々置きすぎて結果的に面白さには繋がらないものの、謎のやる気だけは感じられるステージ。原作も沢山の内容でごちゃごちゃの内容だったのでそれを尊寿したのかもしれない…
Tier "E"
このランクのステージは凄い。
「つまらない」などの悪口を超え、30秒以上全員が黙る奇跡を起こした。
パーティゲーで無言にさせるそのポテンシャルに敬意を示すと共に、その高みを紹介していきたい。
タチウオパーキング
スマブラSPで初登場のタチウオパーキング。
一応公式的には8人でも遊べる4人用ステージという扱いなのだろうか、結構広めのステージ構成になっている。
坂道で構成されているので多くのアイテムが転がって行ってしまうこと
高低差がありすぎて上手くアシストフィギュアが働かない
上下への移動がめんどくさい
左右のバーストラインがちょっと遠い
…など、目立たないけれども地味に嫌なポイントが多い。
一応左下に受け身が出来るスペースは用意されているものの、正味ここ以外にあまり面白い要素が見つからない。ジャッジ君などBGM変化など邪魔にならない程度のギミックは用意されているものの、総じて地味というのがこのステージの印象。
とはいえ、地味というのはスマブラSPの新規ステージに多く共通するものであり、天空の祭壇や始まりの塔など「ユーザーを直接的に倒すギミック」を控えめにしている傾向がみられる。
推測にはなるが、前作のスマブラWiiUではギミックが滅茶苦茶強いオービタルゲート宙域が「遊びにくい」という理由で批難されてたのでそれの反省ではないかと考えられる。個人的にはあれぐらいギミックが激しいのも恋しいものである…
75m
スマブラXからの皆勤賞、75m。
地味ながらスマブラXからSPにかけて、
屋上がすり抜け床になる
右側の足場が途切れる
足場の色合いが濃くなる
上記の大幅改修を受けている。
…受けてはいるんだけど、やはり広い上にカメラが固定なので味気なさを感じる。
おまけに、キャラクターアイコンと下の足場が被るせいでキャラクターの位置を見失いやすいという致命的な欠点を持つ。
どうにかして良い所を探したいもののやはり難しい。ジャッキ(バネ)の跳ね方が忠実に再現されているところぐらいだろうか…
結論
2時間向き合った末に生み出された低ランク層がこの画像。
やはりというか、『デカすぎる』と『分断される』というのは駄目な要素というのが結論なのだろう。
ステージのデカさだが、特に縦方向に広いのがマズい。
スティックを倒すだけでいい横方向とは違い、ジャンプや上Bといったボタン操作をも要求する縦方向は移動に手間取る。タチウオパーキングやレッキングクルーはその象徴とも言えるだろう。
苦手なステージを改めて再認識する一方、独自要素の多いテンガンざんやニューポークシティの面白さにも気付かされた。フォーサイドの細かさにも気づいた。最悪の2時間だったが、3年越しの気づきを得られたのだ。
この2時間は沈黙の時間が多かった。「ヤバいな…」と嘆くものもいた。
ただ、決して無駄な時間ではなかったと思う。
「ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド」も
というのをテーマに取り組んだ結果、固定観念を破壊した名作となりえた。どんなに長く続くものでも変化は必要なのだ。
我々もスマブラの『ステージのアタリマエを見直す』、そんな時間ではないだろうか?普段乱闘を遊ばない層も、ランダムステージスイッチを使って遊ぶ層も、是非『アタリマエ』を見直すために我々と同じように過小評価しているステージを遊んでほしい。やれ!
余談
私はステージを評価付け、「面白い」と「面白くない」に切り分けた。
では、『面白くないステージ』は必要ないのか?
その問いには、断じて”NO”を突き付ける。
理由は単純。スマブラSPは集大成の作品であり、沢山のステージはスマブラの歴史を語るには欠かせない。
スマブラDXで一番巨大なステージであった神殿を遥かに超えるエンジェランド。変わり種の作品がDSにあったことを告げるエレクトロプランクトン…
どのステージもそれぞれのヒストリーがあり、そして思い出を持つステージだ。それらをSwitchという最新世代機に持ってきてくれた製作陣に敬意と共に、感謝を示す。
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