春眠


民家のなかの更地

何度もまえを通っていたのに

そこに何が建っていたかを思い出せない


夜空の下に

並んだ赤い三角コーン

首を垂れた 無人のショベルカー

竹ぼうきは横たわり

電燈は仄白く タイヤの跡を照らしている


春の猫ら

甘ったるく鳴きあう声が響く


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