なもし

こんにちは。こんばんは。シュールな笑いが好物です。シュールな絵画も大好きです。

なもし

こんにちは。こんばんは。シュールな笑いが好物です。シュールな絵画も大好きです。

最近の記事

わあわあ

浅はかなパスタをすすって 天井の格子を見つめる 金星人のクロワッサンが ゴミ箱で光る 生きている意味はあるんでしょうか クロワッサンが明滅 パスタが渦を巻く とぐろを巻く 四角い箱のなか すべては箱のそと 意味はない 生きている意味は 作るのは私 作るのはあなた すべてはパスタの思し召し とぐろが箱から溢れ出して 私ごと押し流す 油と芳香にまみれて 手に光るはクロワッサン 何もない世界に 意味のない意味を見出すの

    • 草むら

      天鳴り 野良のミケ走る 大粒の雨 一粒ぽちり 置き去りにされた カタツムリが 草むらのなかで 「その時」を待つ

      • 残夏(ざんか)

        手をのばし 夏の雲千切る 三尺の 踏切を渡り 引き戸には のれんが揺れて ひまわりに 会釈を返す、水風呂はいる

        • うた

          久しぶりに大声で歌った うおお 気分がスッキリした

          毛玉

          毛玉に「お黙り」 毛玉に「お黙り」 階下で鳴く鳴く 飯くれ飯くれ 私はあげない お前にゃあげない せいぜいニャオニャオ 鳴いてりゃいいさ 気まぐれ毛玉は おやつが欲しい ニャオニャオ ミャオミャオ お黙りお黙り

          黒糸に 通した 虎の子の五円 鈍く光って 金色の筒

          青竹の道に 天道(てんとう) 充ち満ちて そこだけ時が 止まったかのよう

          怪獣

          夜の怪獣が 静かに呼吸をしている 息づくカーテン その向こう側に 夜の怪獣は いる

          スーパーマーケット

          粛粛と 棚に居ならぶ 缶詰は 澄まし顔して 白光の下

          スーパーマーケット

          黒光るシリーズ(調理器具)

          熱せらる油が 鬨の声あげて 黒光る鍋に 火は噴きあがる 黒光る鍋 厨房で狂おしく 踊る合間に 炒飯は成る 黒光る鍋は 油も水も菜も 一挙に喰らう 厨の玄人

          黒光るシリーズ(調理器具)

          幕末に憧れる

          尊王攘夷とか幕末の志士とか、日本のことを真剣に考えるアツい日本人がいた時代に憧れる。 彼らはどんな風に話し、どんな風に生きていたのだろう。 小説やドラマで身近に感じて想像することはできても、実際には本当にその通りかはわからない。武士に混じって刀を差して江戸や京都を駆けまわりたい。いまこのままタイムスリップして、その時代で生き直したい。 そうやって150年ほど前の日本人と酒を酌み交わして語りあったら、私の惰弱な精神も 血気盛んな彼らに感化されて、もっと良いものになるんじゃ

          幕末に憧れる

          愛想は誰のため

          つい数年まえまで、「愛想が悪い人って何が楽しくて生きているんだろう」と思っていた。 会話中は真顔だし、ムスッとしていてなんかこわい。ちょっとくらい笑っても良さそうなのに、などと思っていた。 当時の私にとっては「愛想がいいこと」こそが人付き合いの最たるマナーだった。相槌も話すときもなるべく笑顔。それは決して無理してでも元気っ子を演じたかったわけではなく、小さい頃から自然と「そうであるべきもの」として身についていたのだった。 人によってはそんな私を「ヘラヘラしているな」と敬

          愛想は誰のため

          えんえん

          畳がえんえん泣く 寝ころんで伸びをすると 背中の下でえんえん泣く 空には雲 軒下で知る雨の匂い 畳のえんえん 梅雨は もうそこに

          えんえん

          なまぬる

          尻馬ふわふわ 稲妻ビカビカ 桃色の酒 とくとくトロリ なまった体に青魚ぴしゃり みちのくの水 ザブザブかぶり とろけた脳ごと全身洗え

          なまぬる

          個人情報にまつわる、ただの愚痴

          通販の定期購入を解約したと思っていたのに、荷物が家に届いていて愕然とした。 記憶をたどってみると、解約うんぬんのことを考えていたのはちょうど数カ月まえに引越し作業をしていたときで、部屋の掃除や住所変更やらの手続きがたまっていた時期だった。 うっすらと思い出すうちに、引越し後に購入を再開するかもしれないので、住所だけちゃちゃっと電話口で変更しておいて解約はその場ではしなかったのではないかと思えてきた。恐る恐る当時のメモ帳をめくるとご丁寧にも「まだ解約はしない」と自分の字で書

          個人情報にまつわる、ただの愚痴

          残骸

          数値化して データ化して 具体的でわかりやすい未来になっていく 曖昧は悪 淘汰されてしかるべき そうやっていつか切り捨てられていった たましいの残骸に囲まれて 私は生きていきたい