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コーヒーの歴史

みなさん、緊急事態宣言の中どうお過ごしでしょうか?今回は私たちの生活に身近なコーヒーの歴史について語ろうと思います。私たちが普段何気なく口にしているものもその歴史を知れば信じられないほど美味しく感じられることもあります。ぜひ、コーヒーの歴史を学んで行ってください。

まずは、コーヒーの豆知識から紹介しようと思います。
コーヒーは、アカネ科の常緑樹で赤道を中心に南北25度前後の熱帯・亜熱帯地方の雨量、土壌、気候などの気象条件で300〜1800mで栽培される。
平均気温18〜24度で寒暖の差がないところが良く、年間雨量が1600〜2000ミリあって十分な日照があるところが栽培に向いている。

二種のコーヒーの木
・アラビカ種
原産地はエチオピアで世界で生産されるコーヒーの約3分の2を占めている。

・ロブスタ種
1895年アフリリカのゴンゴで野生コーヒーが発見される。世界のコーヒー生産量の3分の1を占めている。アラビカ種の2倍のカフェインを含んでいる。

コーヒー豆の種類
原産地エチオピアから世界中に広まり、今では世界60カ国で栽培されている。その国は北緯25度から赤道を挟んで南緯25度の間のコーヒーベルトと呼ばれる地域に集中している。それらの国々で栽培されているコーヒー豆の種類を紹介しよう。

・ブルーマウンテン
カリブ海の国ジャマイカで生産されていて、ジャマイカの中でもブルーマウンテンと言われる山脈の限られた地域で栽培される良質なコーヒーのみがブルーマウンテンとなる。
酸味、苦味、コク、香りなどが絶妙なバランスでコーヒーの王様とも言われている。

・モカ**
山洋飼いのカルディの伝説で有名なコーヒーの発祥の地、エチオピアの港『モカ』にちなんで名付けられた。標高1600〜2000メートルの高地で昼夜の寒暖の差が大きい地域で栽培されている。フルーツのような甘酸っぱい香りとまろやかな酸味とコクが特徴のコーヒーである。

・キリマンジャロ**
アフリカ東部に位置するタンザニアにあるアフリカ最高峰キリマンジャロの山の斜面で栽培され、強い酸味と甘い香りが特徴。

・ハワイコナ**
ハワイの西部、コナ地区で栽培され、火山灰の影響を受けコーヒーの木に必要な栄養分が豊富な土壌など理想的な地形で蜂蜜のような甘い風味が特徴。

世界のコーヒー生産国**
1位 ブラジル
2位 ベトナム
3位 インドネシア
その後はコロンビア、インド、エチオピア、メキシコと続く。

コーヒーの歴史

さあ、こっからは歴史についてみて行こう。
私たちが普段から飲んでいるコーヒーにもいろいろな事情があったんですね!

コーヒーの起源説

コーヒーの始まりは2つの説があります。どちらを信じるかはお任せします(笑)

・エチオピア説(キリスト教説)
エチオピア高原にカルディという山洋飼いがいてある日、羊が夜遅くなっても帰ってこなくてカルディは心配になり様子を見にいくと羊は、赤い実を食べて興奮して走り回っていた。不思議に思ったカルディは近くの修道院の僧侶に相談し、一緒にその赤い実を食べてみると、みるみるうちに気分爽快になった。そこからコーヒーが広まったとされている。

・アラビア説(イスラム教説)**
中東イエメンのとある町にシャーク・オマールという僧侶がいた。その僧侶は、山の中を歩いていると一羽の鳥が赤い実を食べながら元気に飛び回っていた。それをみてオマールはその実でスープを作り飲んでみると驚くほど疲れが取れて元気になったという話がある。

コーヒーの広まり

コーヒーを飲み物として積極的に飲み始めたのはアラビア人で次第に中東全土に広まっていった。当時は、イスラム教寺院内だけで飲用されていたが、一般の人たちにも広まっていった。
それを知ったメッカの高官はコーヒーはイスラム教の教えに反しているとして、コーヒー禁止令を出したがエジプトの国王が激怒し、禁止令は撤回された。それから何度かコーヒーの弾圧は繰り返されるが、地中海貿易によってヨーロッパへ広まっていく。その後ヨーロッパではコーヒーの人気が高まり、キリスト教の飲み物として認められた。そして、各地にカフェができ、各国でコーヒーの飲み方が発明され、地域によってコーヒーの特徴が生まれ始めた。

アメリカへの広まり

アメリカには、1640〜1670年あたりでオランダ人によって伝えられた。当時のアメリカではコーヒーは高級品で一般市民にはあまり飲まれなかった。その後、1980年代にニューヨークに国際的なコーヒー取引場所が作られ各地でコーヒーハウスがオープンした。
そんな中、ボストン茶会事件が起きアメリカ人は紅茶離れし、コーヒーが広く飲まれるようになった。この大規模なコーヒーハウス開店もボストン茶会事件の動機づけだったという説もある。

江戸時代末期に日本に伝来

日本に初めてコーヒーが伝わったのは、元禄文化に長崎の出島にオランダ人が持ち込んだとされている。この頃は日本人はコーヒーを好まなかったが、明治時代に入り開国されると積極的に飲まれるようになった。この頃に日本で最初の喫茶店、可否茶館がオープンした。それから徐々に広まっていった。だが、この頃は身分の高い人たちを中心に飲まれていた。
しかし、戦争が始まるとコーヒーの輸入がストップした。(今、コーヒーの輸入がストップされると大変なことですね笑)
その後、戦争が終わり1950年に再びコーヒーの輸入が再開されると一般市民にも行き渡るようになり、1956年にはインスタントコーヒーが初めて日本の市場に出回り出した。

コーヒーの栽培史

コーヒーは生産地が限られていて今と違ってとても高価なものだった。イエメンのモカでは商人たちがコーヒーの利益を独占しようと、コーヒー豆を加熱して発芽できないようにしてから輸出していた。しかし、ヨーロッパの植民地から次第にコーヒー栽培が広まっていき、今では安価に飲めるようになった。

コーヒー豆栽培がピンチ?

世界の人々から飲まれているコーヒーだが、2080年までに世界から野生種のコーヒーが絶滅する可能性があると言われている。
原因は、やはり地球温暖化で現在も主要なコーヒープラントでは収穫量が減少傾向になっている。気候変動により木に病気をもたらし、生産量が激減し現在のように安価でコーヒーを飲むことができなくなる時が来るかもしれない。

フェアトレード商品を積極的に買って行こう!

気候変動による収穫量減少よりも先に私たちが考え直すべきことがある。それは、生産者の貧困についてだ。私たちがコーヒーに支払ったお金はコーヒー農家にはほとんど行き渡らず大部分がカフェや小売店、輸入業者に入っている。
これらの企業、店は設備投資や広告費に使われている。
多くの小規模農家はコーヒー豆をタダ同然の価格で買われ、貧困を余儀なくされている。そんな状況を改善するためにフェアトレード制度が取り入れられた。みなさんもコーヒーやチョコレートを購入するときは是非フェアトレード商品を選ぶよう意識してみてください。

次回はコーヒーの科学について書きたいと思います。是非フォローの方もよろしくお願いします!

本日の参考文献 コーヒーの歴史 歴史研Q所

コーヒーの秘密 主婦の友社

カフェインを含む嗜好品 梶本哲也