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[無料]山で泊まる技術 その1山小屋編

最初は日帰りのハイキングや低山登山から始める方が多いと思いますが、大きな山や長いコースを歩くには山中で宿泊しないと困難になります。宿泊することで行動範囲は大きく広がります。

これから6回に渡って、山で泊まるために必要な情報を書いていきます。『技術』なんて書いてしまいましたが、実はそんなに難しい話ではありません。

山で泊まるメリット

泊まらないと見られない景色がある
普段は下山して見られない山での夕焼け、星空、朝焼け、朝の雲海など、泊まらないと見られない景色があります。

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知らない人と山小屋で交流するのは楽しい
感染症が流行ってる時期だと難しいかも知れませんが、お酒を飲みながら山小屋で知らない人と山の話をするのは楽しいものです。山という共通の話題で、いつまででも話していられます。

衣食住を全部背負ってのテント泊も冒険的で楽しい
テントについてはまた次回書きますが、すべての装備をザックに入れて歩くのは冒険感があって愉快です。山小屋泊に慣れたらテント泊も検討してみて下さい。

日帰りでは歩けない範囲の山を無理なく歩ける
山に泊まればそれだけ長い距離を歩くことが出来ます。日帰りでは難しいコースも余裕のある計画で歩くことが出来ます。

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山で泊まる方法

山で泊まる方法は大雑把に言えば『山小屋(営業小屋)、テント、避難小屋、ビバーク』の4つです。今回は山小屋編なので、山小屋について書いていきます。

山小屋とは?

個人や自治体が有料で運営している、いわゆる『営業小屋』です。オーナーや小屋番が常駐し、食事や寝床が提供されます(食事なしの小屋もあります)。売店や食堂としての営業も行われることがあります。

一部に管理人が常駐して売店を開いたり有料で宿泊できる避難小屋もあるので境界は曖昧ですが、有料で人を泊めて小屋番さんがいる営業小屋を『山小屋』と呼ぶことにします。

山小屋のメリット

明るく快適な環境と温かい寝床
なんと言ってもこれ。快適です。山小屋ごとに差はあっても、テントよりしんどい山小屋はありません。冬はそれなりに暖房が入っているし布団で寝られます。 

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食事や寝床があるので装備が軽い、日帰りと大差ない
寝袋やテント、食料や火器を持たなくていいので日帰りの装備と大差ありません。行動食を少し多めに持てばいい程度です(山小屋で買えればもっと軽く出来ます)。

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山小屋の主人や他のグループと交流できる
テント泊などでは他のグループと交流する機会があまりありません。山小屋は食事の前後に食堂や談話室で会話できます。もちろん個人のコミュニケーション能力に依存しますが、山は不思議なもので初対面の方とも話しやすいです。

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乾燥室が使える
どうしたって服は汗で濡れるし、雨具やハードシェルなどは雨や雪で濡れます。そういう装備を乾かすのに最適なのが山小屋の乾燥室。テントでは濡れたものは着て体温で乾かすしかありません。テントの内壁は結露するのでむしろ濡れます。乾燥室を使えるのはとても大きなメリットです。

悪天候時でも快適に過ごせる
雨や強風の中でのテント泊はしんどい。山小屋なら、一歩建物の中に入れば安泰です。風で多少建物が揺れることはあっても、テントごと一晩中風に揉まれるのと比べたら快適です。

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山小屋のデメリット

メリットばかりではなくデメリットもありますので、公平を期すためそのへんも書いていきます。

繁忙期はごったがえして寝床が狭い
昨今は宿泊人数を絞っているのでそこまで混まないと思いますが、例年のゴールデンウィークやシルバーウィークの混雑は凄まじく、1枚の布団に3人が寝るような状態になるそうです。私はそういう混雑は体験したことありませんが、ちょっとしんどそうです。

荷物の紛失、取り違え等が起こりうる
それだけ混めば装備が混ざってしまうこともあります。靴の取り違えや乾燥室に干した雨具が無くなるなんてことがあります。昨今は意図的に盗んだと思われるケースもあるので、装備の管理には注意して下さい。詳しくは後述します。

基本的に予約が必要
以前は予約なしで泊まれた小屋でも、今は予約が必要な場合が多いです。感染症対策で宿泊人数を絞っているケースもありますので早めに予約しましょう。テント場も土日や連休中は予約が必要な場合があります。

食事の時間、消灯、起床などの時間が決まっている
テントだといつ食事をするのもいつ寝るのも自由ですが、山小屋は食事も消灯も時間が決まっています。とはいえ、テントでもあまり遅くまでどんちゃん騒ぎは感心しません。21時を過ぎたら声を落として早めに寝ましょう。

プライバシーやいびきなど他人との望まない接触や気遣い
個室を使える山小屋もありますが、大部屋の場合は広いスペースに布団が敷かれ、隣に知らない人が寝ることが多々あります。静かに寝てくれる方ならいいのですが、大いびきだったりするとなかなか厳しいものがあります(一度だけ本当に、わざとなの?ってくらいの大音量で揺すって起こしたことがあります。でも、そういう人に限ってすぐまた寝るんですよね…)。また、他の人との交流をデメリット、わずらわしいと感じる人もいると思います。

お金が掛かる(1泊2食付き8,000円~1万2千円程度)
快適な環境や食事には対価が必要です。テント泊なら数百円から高くても2000円程度ですが、小屋泊だと食事付きで1万円前後が相場です。お金はかかります(テントも最初にテント装備でお金は掛かりますが)。

食事は山小屋次第、カレーライスからステーキまで様々
山で贅沢は言っちゃダメなんだと思いますが、最近はご飯が美味しい山小屋が増えたと思います。それでも設備や物資が乏しい山小屋では非常に簡単な食事のところもありまして、食事の内容は山小屋次第です。大抵は宿泊費に反映されていて、食事の質が高い山小屋は料金も高かったりします。

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素泊まりという選択肢

食事付きを前提に書いてきましたが、食事なしの『素泊まり』という選択肢もあります。素泊まりなら宿泊費を抑えることが出来て、好きなものを食べられます。山小屋で自炊するのが楽しみで素泊まりを選ぶ登山者もいます。

ただし、食材や道具を担ぐ必要があるので荷物は増えます。また、自炊や片付けには時間や手間が掛かるので、そういう時間も計画する必要があります。そして、自炊は指定の『自炊部屋』でやるように指示されることが多いです。自炊部屋は狭い、寒い、変な匂いなど環境がよくない場合があります。そうじゃない自炊部屋もありますが。

以上のようなメリットとデメリットがあることは理解しておきましょう。夕食は小屋の食事を食べて、朝食だけお湯を沸かしてカップ麺やパンを食べるという選択肢もあります。小屋の朝食時間の前に出発したい場合は朝食自炊もよい選択です。

なお、素泊まりのみという山小屋もあります。宿泊者は全員自炊をすることになります。

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山小屋泊で持っていると便利なもの

ヘッドランプ
日帰りでも必須装備ですが。ヘッドランプを首に掛けたり枕元に置いておくと、夜中トイレに起きるときに使いやすいです。ただし、ヘッドランプで寝ている人の顔を照らすと迷惑なので注意して下さい。赤色灯があるヘッドランプが便利です。 

明るくなったら忘れないうちにザックにしまって下さい。枕元に置いてそのままにしておくと、畳んだ布団に埋もれて無くしてしまいます。

着替えのシャツやズボン
布団や小屋を汚さないし快適です。厳冬期はダウンパンツがあるとあたかく過ごせます。濡れた衣類は乾燥室で乾かせます。

枕カバーやタオル、手ぬぐい
枕の汚れが気になる人は用意しておくとよいでしょう。昨今は感染症対策もあって、キレイな枕カバーを用意してくれてる山小屋も多いです。

ウェットティッシュ
風呂に入れなくてもサッパリできます。

お金
買い物はテント泊や立ち寄りでも、営業していれば可能。お酒や飲み物、食べ物はたいてい買えます(350mlビールで500円、ペットボトル飲料400円程度)。小屋のオリジナル手ぬぐいやバッジなどのグッズも、欲しいなら忘れないうちに買っておきましょう。最近はPayPayを使える小屋も出てきましたが、基本は現金です。宿泊費+買い物の分を余計に持ちましょう。

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マイカップ
消灯まで飲酒するときなどに使います。

テントシューズ(象足)
秋や冬は足が冷えないし濡れません。積雪期は装備などに付いていた雪が床に落ちて水たまりを作っていることがあります。

山用のワンピース
女性はゆったりすごせて、着替えもしやすいそうです。

イヤホンや耳栓
他人のいびき対策に。夜中音楽を聞くときは音漏れしないようにしましょう。

個人的お泊りセット
使い捨てコンタクトレンズの換えや化粧水など、自分にとって欠かせない用品も忘れずに持ちましょう。

マスク
昨今は感染症対策で必須ですが、寝るときも着けて寝ます。喉や鼻の乾燥対策になりますし、埃っぽい山小屋もあります。

小型のAC→USBアダプタ
コンセントで充電出来る小屋もあります。充電禁止のとこもあるので禁止だったら諦めてモバイルバッテリーを使いましょう。

山小屋に泊まる手順 1.予約

予約をしましょう
予定が決まっているなら予約してください。今どきは山小屋の名前で検索すれば連絡先が出てきます。予約制の小屋が多いので予定が決まったら早めに予約して下さい。直前に予約しようとすると満員になってしまいます。

以前は予約なしでも泊まれる小屋もありましたが、感染症対策で宿泊者数を絞っている状況では基本的に予約必須です。

予約の際は代表者名、日時、人数、食事の有無(夕食と朝食)を申告し、料金と食事の時間を確認して下さい。料金は季節によって変わることがあります。金額がわかっていれば受付前にメンバーから集金できます。

食事の時間は計画を立てる際に必要な情報です。朝食前に出発したい場合は、朝食をお弁当にしてもらうことも出来ます。予約時に確認して下さい。

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キャンセルなど
宿泊日が近づいてきて、キャンセルや人数の変更があるなら必ず連絡して下さい。昨今は前日や当日だとキャンセル料が発生することもあるので早めに分かっているなら早めに連絡しましょう。特に、食事を用意する場合は人数分の食材を準備するため当日の朝いきなりのキャンセルは迷惑がかかります。

登山道の状況を聞くなら
山や道の状況は電話で小屋番さんに聞くと教えてもらえます。ただし「私でも登れますか?」はNGです。あなたがどれくらいの登山者なのかわからないので答えようがありません。客観的な情報(例えば雪はあるのか道は凍っているのかなど)は教えてもらえることが多いです。

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余裕がある計画を立てましょう
山小屋にたどり着ければ何時でもいいわけではありません。夕食をお願いしたのなら、夕食の1時間前には到着していたいものです。17時に夕食なら16時には着きたいです。でも16時でも遅いわけで、目指すべきは15時到着でしょう。

食事の時間にいないと小屋の人に迷惑がかかりますし、余計な心配をさせてしまいます。余裕がある計画、体力、無理のない装備の重さに留意しましょう。

行程が遅れていて夕食に間に合わなそうなとき、携帯電話が繋がるなら電話して遅れる旨を伝えましょう。

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山小屋に泊まる手順 2.小屋に着いたら

装備を外す
まず、アイゼンを付けていたら外で外してください。アイゼンのまま小屋に入るのはあり得ません(八ヶ岳の某小屋でアイゼンを付けたまま入ってくる人を見たことがあります)。軽アイゼンでも12本爪アイゼンでも同じです。入るときは外で外し、出発する時は外で着けて下さい。

悪天候時の雨具やザックカバーは玄関に入ったら速やかに外して、出来るだけ床を濡らさないように注意して下さい。

悪天候でないなら外で登山靴の紐を緩めたりスパッツを外したり、玄関が混雑しないようにしてください。上がり端に腰掛けてのんびりやられると身動きが取れなくなります。朝と15時くらいの玄関は混みます。

受付
代表者が受付をしてください。朝の出発時などに宿泊費を集金しておくとスムーズです。支払いと宿帳の記入などを行います。大抵は名前、住所、電話番号、宿泊人数、翌日のコースなどを書きます。

このときに夕食の時間や小屋のルールなどを案内される事が多いです。しっかり聞いて下さい。

装備をまとめる
ストックやピッケルは指定の位置に置いて下さい。ザックや手提げバッグに入るサイズなら入れてもよいでしょう。同じ装備を使っている人に間違えられるのを防げます。

ザックや登山靴は案内された場所に置いて下さい。ザックを布団の上に置くと布団が汚れてしまうので、「ザックはここに置いて下さい」と言われたらそのとおりにして下さい。

着替え
着替えを持ってきているのなら、小屋用のゆったりしたズボンなどに着替えてしまいましょう。濡れたシャツや泥が付いたズボンで寝ると布団が汚れます。

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豆知識:装備の管理、取り違え防止

山小屋にはたくさんの人が泊まるため同じブランドの装備を使っている人もいます。見た目が同じだと取り違えられてしまったり、自分が間違えてしまうこともあります。

名前を書きましょう
取り違えを防ぐのに有効なのは『名前を書く』です。あらゆる装備に名前を書いて下さい。メルカリで売ることなど考えず、油性マジックで書いてしまいましょう。テプラでも構いません。

名前が書いてあれば、そのへんの落ちてた装備を「これだれのですかー?」と聞く時間も節約できます。記名は大事です。

登山靴の取り違えを防ぐ方法
靴箱に入れた登山靴は、名前を書いてあっても間違えられてしまうことがあります。名前を書き、名札をつけ、中敷きを靴に立てておく(乾くし)、名前を書いた洗濯ばさみを挟んでおく、左右の靴の紐を束ねて結んでおく、似た靴の近くに置かないなど工夫をしてください。履く前の手間を増やせば、(悪意がないなら)気づいてくれる確率が上がります。

グループでまとめておくのも有効です。小屋によってはビニール袋を渡されてザックと一緒に管理するように言われることもあります。

なお、靴箱に靴を入れるときは上の方に置いたほうが乾きやすく、上にある濡れた靴からの水滴を受けにくくなります。出来るだけ上の方に置きましょう。ただし場所を指定されているならそれに従って下さい。

貴重品は自分で管理
鍵がかかるロッカーなんてありません。貴重品は服のポケットに入れておくなど、自分でしっかり管理してください。最近は小屋での盗難も起きているそうです。高価な装備の管理も注意しましょう。散らかしておくと他人の装備と混ざってしまうこともあります。整理整頓は大事。

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山小屋に泊まる手順 3.寝床

山小屋の寝床は小屋や部屋によって違います。広間に布団を敷いてみんなで寝る、ベッド状に分かれている、個室など様々です。個室の場合は予約時に個室希望の旨を伝えます。大抵は個室料金が掛かります。詳しくは山小屋のWebサイトを見て下さい。

下の写真は北アルプス、燕山荘の寝床です。荷物は左側の棚に置き、右の布団スペースで寝ます。一人分のスペースはおよそ一畳ですが、混雑時はもっと狭くなるのかも知れません。

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自分が寝る場所がどこになるのかは、小屋番さんの指示に従ってください。先着順に案内されたり、定刻になったら決めて場所を教えてくれるなど小屋によって違います。

山小屋に泊まる手順 4.食事

受付時に案内された夕食の時間になったら呼ばれたりアナウンスがあったりします。自炊の場合は好きな時間に食べ始めてください。おかわりの仕方や飲み物については食事の前に案内があります。

混んでいる場合は、客が二回転や三回転しますので、食べ終わったら片付けます。食器や残したものの片付け方は小屋によって違います。指示に従って下さい。

朝食をお弁当にしてもらった場合は、夕食後に受け取れる場合が多いです。

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山小屋に泊まる手順 5.消灯まで

夕食が済んだら消灯時間までは自由時間です。食堂が空いていれば食堂でお酒を飲みながら山談義をしてもいいでしょうし、談話室がある山小屋もあります。好きに過ごしてください。

ただし、消灯前にやっておくことがあります。

歯を磨く
寝る前に歯を磨きますが、歯磨き粉を使えない小屋が多いです。歯磨き粉無しで磨いてください。その後、GUMのメディカルドロップを舐めるのもおすすめ。

翌日の準備
消灯時間前に翌日の準備を済ませてください。水の補給や使用頻度が低いものは下に入れ、脱ぎ着する衣類は上に入れるなどしてください。翌日すぐ出発出来るように荷物をまとめて下さい。

ヘッドランプ
ヘッドランプを枕元に置いたり、首に掛けておきましょう。消灯後は発電機が止まるのでほぼ真っ暗になります。

水が入ったペットボトル
山小屋は意外と乾燥しています。夜中起きて喉が乾いていることが多いので、枕元にペットボトルを用意しておくとよいです。

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山小屋に泊まる手順 6.朝食、出発

まず水を飲む
朝食の30分くらい前には起きて身支度をしてください。起きてすぐとりあえず水を1杯飲むと腸が動きはじめて早めに排便が済みます(そうでない場合もありますが)。

忘れ物をチェック
朝食を食べたらトイレを済ませて荷物を持って出発。布団の間にヘッドランプやスマホなどを忘れがちなので、出発前に必ず忘れ物がないかチェックしてください。

他人の装備や登山靴を間違えて持っていってしまわないように、自分が加害者にならないようにも注意しましょう。

出発
山小屋にチェックアウトはありません。出口の近くに小屋番さんがいたら挨拶して出発しましょう。見当たらなければ適当に声を掛けて出発すればOKです。小屋番さんも忙しいので仕事の邪魔をしないようにしてください。

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山小屋にあったり無かったりするもの

山小屋は街の宿泊施設とは違います。

お風呂
一部山小屋を除いてお風呂は無いのが基本です。安達太良山のくろがね小屋、八ヶ岳の赤岳鉱泉(冬は無し)、夏沢鉱泉、雲取山の三条の湯、御在所岳の内藤小屋などはお風呂がありますが、普通はありません。

更衣室
更衣室はあったり無かったりします。あっても簡易的だったり乾燥室と兼用だったりします。それでも最近は更衣室がある山小屋が増えてきたような気がします。

トイレットペーパー

基本的には営業小屋ならありますが、稀に無い(切れてる)ことがあります。ポケットティッシュを持っておくと安心です。なお、バイオトイレを使っている場合は、紙を便器に捨てられません。備え付けのゴミ箱に捨ててて下さい。

水場
普通はあります。まれに小屋から10分程度歩く場合もあります。ごくたまに丹沢の蛭ヶ岳山荘みたいに水場がない小屋もあり、そういう小屋ではペットボトルの水を買うことになります(500mlで500円程度)。

食事
二食付きを選べる小屋が多いですが、素泊まりのみの小屋もあります。

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山小屋でのマナー

小屋番さんの指示に従って下さい。昨今は変わってきましたが、それでもまだ「泊まらせてもらっている」と思ったほうがトラブルを減らせます。少ないリソースになかで安全や自然環境に配慮して決まっているルールがほとんどです。

時間を守りましょう
食事の時間など、時間に関する決まりを守りましょう。消灯10分前には寝る準備をし、消灯後は静かにしましょう。

飲酒
飲酒はほどほどに、酩酊しないでください。山小屋の階段は急だし、酔って夜中の外に行けば死ぬこともあります。酔うといびきも大きくなります。お酒を飲みすぎると寝ている人への気遣いもおろそかになります。標高が高いと酔いやすくなるので、くれぐれもほどほどに。

夜中トイレに行くときの注意点
消灯後にトイレに行くときなどに寝ている人の顔をヘッドランプで照らさないでください。赤灯や電球色のあるヘッドランプがおすすめです。人の足や枕元のスマホなどを踏まないように注意しましょう。お互いに不幸になります。

レジ袋の音
ガサガサと音がうるさいので、特に早朝は迷惑になります。スタッフバッグや音がしないビニール袋を使いましょう。寝る前に装備を整えておくのも大事です。翌朝は朝食を食べて着替えたらザックの中身はいじらずに出発出来るように準備しておきましょう。

いびき
いびきをかくと言われてる人は横向きかうつ伏せで寝てください。私もいびきをかくらしいので、寝るときはうつ伏せにしています。夜中に起きて仰向けだったら横向きに変えます。寝ている間にいびきをかくのは仕方ありませんが、少なくとも減らす努力はした方がよいでしょう。

細かいこと、いろいろ
・玄関が混んでいる時は外で靴紐を結んでください。上がり端に座り込まれると外に出られません。
・出来るだけ床を濡らさなようにする。特に冬は雪や氷を持ち込まない様に小屋の外でよく落とす。
・アイゼンは小屋の外で着け外ししましょう。
・早朝に出る場合は寝ている人に配慮して静かに出ていきましょう。
・熊鈴は小屋に近づいたら鳴らさないようにしまってください。
・トイレで使用した紙は流さず備え付けのゴミ箱へ捨ててください。
・タバコは指定の場所で、吸い殻は当然持ち帰りましょう。

要は、狭い空間に大勢の人が入るわけですから、他人に気を使いましょうということです。

その他は各小屋のルールに従ってください。

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個性的な小屋番さんとの付き合い方

山小屋と街のホテルは違うので、個性的な小屋番さんもいらっしゃいます。寡黙、言い方が厳しい、謎ルールがあるなど様々です。言い方が厳しい方でも、基本的には山を愛し、安全に登山をしてほしいと願う人なので、気持ちを汲んでください。

人道的に間違っていない限り、小屋番さんがルールブックですから指示に従って下さい。 ポットを部屋に持っていくなと言われたら、持ってきちゃダメです。

言い方が厳しい小屋番さんはネットであれこれ書かれてしまうこともあります。が、基本的には上に書いた様に『山を愛し、安全に登山をしてほしいと願う人』です。風評を真に受けないようにしましょう

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山小屋の値上がり問題

昨今はヘリコプターによる物資輸送費の高騰や感染症対策で多くの費用が掛かるため、宿泊費の値上げが行われています。経費は嵩むのみ宿泊人数は減らしているのだから大変です。

それでも一泊1万2千円程度で快適な環境と食事が提供されるのですから、文句を言わずに払いましょう。山の上で食事と寝床を用意してくれてるだけでありがたいですよね。たかがお金で解決します。お金を稼いで使いましょう。

まとめ

・山で泊まれば、泊まらないと見られない景色を見られます。

・山小屋は多くの制約の中で経営されています。そのためのルールなどがありますので、小屋番さんの指示には従って下さい。

・狭い空間に多くの人が入るため、様々な形で他人との接触が増えます。お互いに気を使って快適にすごせるように努力しましょう。

・山でお金を使うのはよいことです。

わぁい、サポート、あかりサポートだい好きー。