日本の自然のすばらしさ

今から2000万年前、日本列島はユーラシア大陸から離れ、いくつかの島々として誕生しました。

日本海の形成によって現在は完全に大陸から独立していますが、日本とロシアの日本海側に存在する共通の地層が、列島が大陸の一部だったことを証明しています。

このような壮大な歴史が刻まれる鳥取県から京都府北部は、「山陰海岸ジオパーク」に制定されています。

日本の豊かな自然はその誕生の歴史に深く関わっています。大陸と海が重要なファクターです。

特に冬季はその影響を強く受けます。大陸では、大気が十分に冷却されてシベリア気団が発生します。また、黒潮から分岐した対馬海流が流れ込む日本海は、冬でも比較的高い水温を維持しています。

この上をシベリア気団が季節風となって吹き渡る時、沢山の水蒸気を抱えて列島に到達します。そして、列島中心に横たわる山を駆け上って雪雲を作り、日本を世界有数の豪雪地帯にしました。

日本ほど低緯度で雪が降る地域は他にはありません。また、列島は四方を海に囲まれているため、四季を通じて大量の雨がもたらされます。

また、日本列島では誕生から現在まで、非常に活発な地殻変動が起こっています。毎年のように繰り返される大地震や火山噴火がその証拠です。

このような凄まじいエネルギーが、狭い島国である日本に、変化に富んだ地形を作り出しました。そして、雨や雪として大地にもたらされた大量の水が大地を削り、さらに地形を複雑にしていきます。

多様な地形があるからこそ、多様な植物がそこに生息し、またそれが多様な動物を育むことになります。もちろん私たち人間も例外ではありません。

恵まれた自然条件によって農業や漁業が発展し、生活基盤が確立されたからこそ、豊かな文化が育まれました。

日本は資源が少ない国とよく言われますが、本当にそうなんでしょうか？

「国内にない資源をあえて使おうとする国」という表現の方が適切だと思います。日本には豊かな水、森林があり、四季折々に違った姿をみせる景観があります。

時に、自然は私たちに大きな試練を与えますが、それ以上に私たちは計り知れない恩恵を受けています。

自然に対する畏怖と感謝の念。それらこそが、私たち日本人の精神性や文化の根底にあるものです。