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テレサ・テンの生涯を描くテレビ番組:一戸信哉の「のへメモ」20220508

2022年5月6日の放送では、5月8日に没後27年を迎えたテレサ・テンさんの歌を、カバー曲中心にお届けしました。引き続き、制作中に発見した話題についてです。

NHK「映像の世紀」の新シリーズ「バタフライエフェクト」でも、テレサ・テンをとりあげるという予告が流れました。台灣で外省人の家庭に育った彼女が、台灣・香港でトップスターに登りつめた後、日本でもヒット曲を飛ばし、中国本土でも絶大な人気を誇った彼女の生涯。日本の歌を中国語でカバーするなどして、アジア各地で歌ったという功績もあると思います。たしかに「バタフライエフェクト」というべき影響力を持ったといっていいと思います。

調べてみると、彼女の生涯を扱ったドキュメンタリーは多く残っています。今回の企画にあたっては、没後25年を記念してTBSが制作した「テレサ・テン名曲熱唱〜没後25年目の真実」を参考にしました。関係者へのインタビュー、TBSの番組での映像、「8時だよ!全員集合」に出演したときの様子も登場します。

NHKの番組としては、「ザ・プロファイラー」の特集が手元に残っていました。テリー伊藤さんが、デビュー当時のテレサを「イモっぽかった」と評して、他のメンバーが動揺するというシーンがありました。日本語の発音が完璧ではない香港、台灣出身の女性歌手を、日本の視聴者が軽く見ていたという背景が、その発言に現れているようにも感じます。

このほか、2015年に制作されたNHKのドキュメンタリーに、「テレサ・テン 歌声は永遠に〜没後20年・アジアをつないだ魂をたずねて〜」があり、こちらは2021年末に再放送されています。テレサの歌に影響力を受けたという夏川りみさんが、台灣各地でテレサ・テンの足跡をたどり、現地でテレサの歌を歌っています。

どのドキュメンタリーでも、来日前の活躍、日本で「空港」がヒットするまで、パスポート事件、アメリカ滞在時代、日本での活動再開といったところに焦点が当てられていて、日本の関係者や家族へのインタビューを中心に構成されています。テレサ・テンさんの周辺で活躍していた音楽関係者の皆さんは、若々しい「業界人」風の姿で写真に写っているのですが、証言する皆さんはお姿はお年を召されていて、その対比にも時の流れを感じさせられます。「つぐない」「愛人」「時の流れに身をまかせ」「別れの予感」と、再来日後のヒット曲を書いた作曲家、三木たかしさんは、すでに亡くなっています。

着実に時は流れて行っているとも感じますね。



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