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映像制作で「総合力」を伸ばす:一戸信哉の「のへメモ」20220122

先週末1/21は、毎年学生たちが応募している新潟県のコンテストの締切でした。応募できたチーム、挫折したチームとさまざまで、なんとか提出できた作品のクオリティもさまざまだと思います。吉報を待ちたいとは思います。

そしてこの日の夜、敬和キャンパスレポでは、にいがたデジコングランプリで受賞作になった作品について、制作した学生たちのインタビューを放送しました。テーマは「大連と新潟」。戦前の日本社会、新潟、中国大陸の関係を、ほぼ予備知識ゼロの状態から解いていった作品です。


この作品のメンバーも、昨年のこの時期、なかなか完成させられずに苦しんでいたのですが、その後の努力でレベルアップさせてくれました。

学生によるドキュメンタリー映像作品の制作は、もともと持っていた知識やスキルにより、ゴールまでの道のり、その難易度が変わってきます。特に私のゼミが取り組んでいるような歴史モノでは、ソフトウェア操作やデータを扱う技術面の知識とともに、歴史その他の人文学的な知識、その前提となる本を読む力、文章力、知的好奇心、最後は粘り強さや執念、さまざまな能力が必要になります。就活や試験のように、はっきり結果は出ませんが、これまでの勉強の足りなさゆえに、力の限界を感じる学生は多いと思います。ラジオ制作もそうなのですが、映像制作の場合にはとりわけ「総合力」が鍛えられます。

リベラルアーツ大学でさまざまな領域を学びつつ、関心を深めていきたいという学生たちには、とても合っている取り組みだと自負していますが、「特定のキーワードやテーマを輪読で学ぶ」というようなゼミに比べると、何をするのかわかりにくく、挫折を恐れる人には、選択しにくいかもしれません。

いずれにしても、最後まで作品にして、こうやって賞をいただけるところまで行った学生は、自信を持ってその経験を語るようになっています。「大連と新潟」の話の中にも、新潟県の対外関係についての歴史、航路開設、日満航路、戦争の記憶、大連という街のなりたち、さまざまな知識が詰まっていました。それぞれに、明日すぐにこれで仕事ができるというようなものではなりませんが、いずれきっと、このとき学んだ内容が役に立つときがくるでしょう。



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