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MCエッセイ Vol.14 驚嘆と無知、要約と展開(岸田瑠瑠)

前回のMCレポでも話した通り、敬和キャンパスレポは「ゲストによってMCが啓蒙される番組」です。さて今回の記事ではそんな啓蒙されたことの示し方について書いていきたいと思います。

啓蒙されたことを示す最も楽なやり方は「驚嘆と無知の表明」です。つまり自虐です。
「え〜知らなかった〜〜!!」「自分○○だと思ってましたよ!」「自分には絶対出来ません!」というような。無知な自分と有識者なゲストを自虐によって比較するのです。
多くの場合、人は大きなリアクションと素直な無知、加えて持ち上げられることを好みます。啓蒙番組においてゲストに気持ちよく話していただくにはこれらが欠かせません。
これはバラエティ番組に散見される手法で、出演者は我先にと驚嘆し無知を顕にします。視聴者はきっと啓蒙される快感を覚えると同時に出演者の無知に共感し安心感を得るのでしょう。

何だか斜めに構えた嫌らしい話になって参りましたね…。ここから先はもう少し「いい子」な文体を試みたいと思います。

啓蒙されたことを示すには驚嘆と無知以外にもう一つの方法があります。それは「ゲストのお話を要約し展開すること」です。
「〇〇ということなんですね。ということは✕✕なんですか?」「〇〇は✕✕だったようですが、これは✕✕な私にも耳寄りな情報です。私は以前…」というように、言葉と態度で内容の理解を示すことで啓蒙されたことを表すのです。
某公共放送の番組はこのやり方が多めですね。キャンパスレポの重鎮こと有本らなさんは毎回巧みにこの業を使いこなしています。これはゲストに満足感と議論の余地を与えると同時に視聴者に深い理解をもたらし、番組の内容を一層厚いものにします。ただしこれを習得するには傾聴力と理解力、事前知識等が求められるため驚嘆と無知に比べると難易度は高めです。

毎度毎度これみよがしに驚嘆し、無知をひけらかしてばかりではあまりにも芸がありませんから、来年からは要約と展開を習得しより実りある番組を視聴者の方々にお届けしたいと思います。そのためには台本の読み込みは勿論のこと、何より実践をこなすことが大切。トライアンドエラーの精神で的外れな要約とちぐはぐな展開を繰り広げてみせますとも、と言うのは冗談で的確な要約と筋道だてた展開を心掛けたいですね。

では良いお年を。


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