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MCエッセイVol.99 「戦争を知らない私の戦争描写: その言葉の軽さ」(岸田瑠々)

大変お久しぶりでございます。先月23歳になりました元元キャンパスレポMC岸田です。

この度、ありがたいことにNHK様から自分が制作を担当した「満州柏崎村の軌跡」について取材をして頂きました。

周囲の方から様々反応頂きまして、見たよ見たよと口を揃えて言われる中、実は自分は恥ずかしくてずっと映像が見れていませんでした。

引き籠もり時代を支えてくれたのは紛れもなくNHKの番組で、この頃得た知識は大体NHKによるものと言っても過言ではありません。
そんなNHKに特集されるのは嬉しいと同時に恥ずかしかったです。
若者らしいうっすい戦争観と映像への半端な熱意を見透かされる様な気がし、それを公共電波に乗せて発信する羞恥は耐え難いことでした。

話している時も見返した時も思うのは「いい子ぶってんな、自分」ということ。
戦争が選択肢を減らし日々の楽しみを奪う。そう思います。
同じ過ちを犯さないために歴史を継承することは意義深いことである。勿論思っております。

けれども、話してみると抽象的かつ判で押した様ないい子ぶった回答しか出来無いのです。
漠然とした戦争観、漠然とした反戦意識、漠然とした歴史継承への義務感。それらによって作られた「満州柏崎村の軌跡」は漠然と始まり、それらしい言葉で情報が延々と羅列され漠然と終わります。
歴史を知ってはいるが、理解はしていない。戦争について考えることの重要性は分かるものの、授業で習った以上の考えは持つことが出来ず自分事として捉えられていない。
この傾向は同世代の面々全般に当てはまり、一種の平和教育の弊害なのではないかとさえ思わされます。

と、責任転嫁も大概にして1つ言えることは「満州柏崎村の軌跡」が如何にも戦争を知らない若者による作品だということです。若者の戦争観に見られる雲を掴む様な空虚さこそ、自分がこの作品で1番伝えたかったことなのかもしれません。
NHK様々、改めて考え直す機会を下さりありがとうございました。
歯切れの悪い終わりとなりますが、自分からの報告は以上です。

現在午前3時。5時間後の出勤を憂鬱に思いながら眠りに就きます。おやすみなさい。

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