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ラジオにおける匿名希望と質問箱:一戸信哉の「のへメモ」 20211124

今週の収録で「質問箱」の話題が出ました。TwitterやInstagramに埋め込まれる、匿名での質問を受け付けるサービスです。他大学の番組のインタビューを始めたところ、そちらでは質問箱での質問を番組で取り上げているのだとか。

一方、先週高校の先生の会合にお邪魔した際には、校内のSNSのトラブルの一因として、質問箱があがりました。高校生はInstagramストーリーにはりつけて、質問に回答する遊び(暇つぶし?)をよくやっていて、おそらくは好意的なコメントが集まってくることを想定していたところ、いきなり匿名のDisコメントに見舞われて動揺するというのが、典型的なパターンのようです。そしてその悪意あるコメントは、同じ学校の生徒からだとか(そうではないか)ということで、トラブルになっていくということなのでしょう。

ラジオはもともと、ハガキ職人の時代から「匿名希望」を歓迎し、名もなきリスナーの声を番組に反映させてきました。ハガキ職人は当初名もなきリスナーですが、「職人」と呼ばれるぐらいになると、その後放送作家・構成作家としてデビューするというケースもあったと思います。まあそういうわけで、もともと大量のボツはがきの中から傑作を見出していたのでしょうし、その中にはDisコメントも少なからず含まれていたのでしょう。それでもなお、名もなきリスナーとの対話が、ラジオ番組の存在意義だといわれれば、たしかにそうなんですよね。

ただ、うちの学生たちも質問箱から罵声を浴びせられて心が折れるという現象は、たぶん予想してなくて、好意的な質問が飛んでくると想定していると思うのですが、果たしてそうなるかどうか。人々の善意を信じて、でも裏切られても心が折れないような準備をしておく必要はあるでしょう。

以前から用意してあったGoogleフォームをひとまず告知して、様子を見てみようかなと、私の方はちょっと慎重ではあります。もう少し学生たちと話し合ってみたいと思います。


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