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素直さって諸刃の剣だ。

昨日、マンガ版「君たちはどう生きるか」を読みました。

その中に、自分の中に響く言葉がありました。

ストーリーは省きます。

以下引用です。

もしも君が、学校でこう教えられ、世間でもそれが立派なこととして通っているからといって、ただそれだけで、いわれたとおりに行動し、教えられたとおりに生きてゆこうとするならば、ーコペル君、いいか、ーそれじゃあ、君はいつまでたっても一人前の人間になれないんだ。
子供のうちはそれでいい。しかし、もう君の年になると、それだけじゃあダメなんだ。肝心なことは、世間の目よりも何よりも、君自身がまず、人間の立派さがどこにあるか、それを本当に君の魂で知ることだ。

(中略)

世間には、他人の目に立派に見えるように、見えるようにと振る舞っている人が、ずいぶんある。そういう人は、自分がひとの目にどう映るかということを一番気にするようになって、本当の自分、ありのままの自分がどんなものかということを、つい、お留守にしてしまうものだ。僕は、君にそんな人になってもらいたくないと思う。
だから、コペル君、くりかえしていうけれど、君自身が心から感じたことや、しみじみと心動かされたことを、くれぐれも大切にしなくてはいけない。それを忘れないようにして、その意味をよく考えてゆくようにしたまえ。

読んだ瞬間に「あー、僕に足りなかったのはこれか。」と納得した文章です。

「ミーハーという免罪符。」でも書きましたが、僕はミーハーです。
人が良いっていうものを素直に取り入れ続けた結果、いろんなものが好きになりました。

他にも、多くの大人たちから
「学生は素直が一番。なんでも挑戦してみた方がいいよ」
って言ってもらうことが多かったので、いろんなところで言われた言葉を素直に受け取ってきました。
その結果、いろんな情報を受け入れすぎて、矛盾が生じることもありましたが、
「今はまだ自分で判断する時じゃない。」
と言い聞かせて、素直に受け取ることだけを心がけていました。

そんな日々を過ごしていましたが、最近こんなことを言われました。
「君はいろんな情報知ってるし、さまざまな角度からの意見を紹介してくれるけど、その情報や意見に対して、自分はどう思ってるって言わないよね。それって君が話す価値ある?」

その方は、続けます。

「自分がどう思ってるかを話さないと、Googleで調べれば出てくるような情報や意見ばっか言うつまんない人になっちゃうよ?君はどう思ってるの?
自分のコトバを付け加えて、初めて君が話す価値のある情報になるんだよ。」

こんなことを言ってくれる人は、いませんでした。
素直に受け取ることだけを心がけてきた自分(もしくは、素直に受け取る姿勢を装ってきた自分)は、自分の意見を付け加えることをしてきませんでした。
まだ学生ごときが何を言ってるんだと言われるのがオチだ。
今はまだ素直に受け取り、自分の中で判断する時期じゃないと思ってました。

でも、「君たちはどう生きるか」を読んで、自分はただ素直に受け取るだけだった、ただの優等生を目指した子どもだった。と知りました。

周りから優等生に見えるかもしれません。でも、それでは平均点を超える人にはだったん

これを読んだ後に考えたことですが、素直さって諸刃の剣だと思うんです。

素直に受け取る方が学生らしいし、可愛げもあります。
でも、素直に受け取るだけだと、周りの影響を受けすぎて、中途半端な人間にしかなれません。
どんなことも素直に受け取るべきではなく、自分の中で判断することこそが大事だった。

結局、自分の人生に納得感をもたらすためには、自分で決めるしかないのかなって。

学生は素直になれ。大人のアドバイスを無視するとは生意気だという方もいるかもしれませんが、素直に聞かなかった結果失敗してもいいと思うんです。
自分で判断して失敗することって、今後の糧になる。
失敗することで、どんどん判断が上手くなっていくでしょう。

それでもまだ全部素直に受け取れと言ってくる人は、ただの自分の言うことを聞く傀儡が欲しいだけだと思います。
無視しましょう。

善意からのアドバイスかもしれませんが、「善意=正しい」ではないので。

すっごく尊敬できる人なら、期間限定で全部素直に聞くのもありです。

学生と関わる皆さんへ。
**学生が提供できる価値は、たぶん素直さ以外にもあると思います。 **

サポートいただけたら、秘密のメッセージが出ます。。。