唯一送信ボタンが押せなかった相手
大学を卒業した。
その時に、お世話になった人に手紙なりLINEなりでお礼を伝えた。
家族を含め、何人かに伝えた感謝の気持ちの中に、1人だけLINEで送信ボタンを押そうとして、押せなかった相手がいた。
同学年の元カノ(以下、彼女)だった。
1年以上に別れたAは、初めて付き合った彼女であり、初めて別れを経験した彼女でもあった。
今思うと罪悪感が湧いてくる別れ方をしてしまったので、ずっと気になっていた。
こちらから別れを告げているのに気になっているなんて、自分でも都合が良いなとは思う。
back numberかMy hair is badの歌詞にありそうな未練タラタラの状況。
気になっているまま、卒業式を迎えた。
卒業式当日は、所属していたサークルで飲み会があり、自分もそれに参加していた。
2次会の会場は、大人数のグループが混在するような大きな会場で行われた。
最初は、自分たちだけだったが、途中から1つのグループが別テーブルで飲み会を始めた。
その30分後くらいには、もう1つのグループが別テーブルで。3つのグループが混在するカオスな空間になった。
その最後にやってきたグループの中に、彼女がいた。
彼女は、そのグループの中で卒業生としてお祝いされている中心メンバーだった。
自分の知らない人間関係の中で、お祝いされ卒業生として輝く彼女を見た。
その瞬間、忘れかけていた罪悪感を思い出し、急に過去の過ちを謝りたくなった。
そして、LINEで文章を書いた。
あとは、謝罪の文章と感謝の気持ちを送ろうと思って、ふと我にかえる。
この文章は、なぜ送るんだと。
謝罪したところで、彼女につけたはずの傷は修復されないだろうし、自分のした行為も帳消しにできない。
彼女との関係を戻すために送るわけでもない。
じゃあ なぜ送るのか。
考えた結果、自分は許されたかったのだと思った。
過去に罪悪感を持ったまま、卒業することに不安を感じ、最後に許されることで未来へ視点を向けたいと思っているのだろうと感じた。
そう考えると、自分が送ろうとした文章は、なんて浅はかで、棘を持った文章のなのだろうとも思った。
相手の再度傷つける可能性も考慮せずに、送信ボタンを押そうとした自分。
自分自身が恥ずかしくなり、書き終わった文章を消した。
このnoteを書くことで、自分が背負ってる罪悪感を薄めようとしているのかもしれない。
送信ボタンを押す権利はないと思いつつも、黙って罪悪感を背負う覚悟もなく、フラフラしている自分。
どうするのが正解なのかな。
過去に戻ってやり直したいことが、また増えた。
そうやっても過去には戻らない。
そんな過去を背負って、これからも生きていきたい。
今日も覗きに来てくれてありがとうございます。
ではまた。
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