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娘の外面

ようやく、娘のママ友とゆっくり話をする機会が訪れました。

ママ友と言っているけれど、私にとって彼女は既に友達であって、恐らく彼女も同じように感じてくれていると思っています。
娘を転校させたタイミングで養母となった私は、彼女たち母娘に出会えて、本当にラッキーだったと思います。

Sちゃんと娘は、同じサッカーチームの中で唯一同じクラス同士。一学期は放課後になると、代わる代わる違うお友達と遊んでいた娘が、今ではほぼ、Sちゃんを含む三人で遊ぶようになってきました。
今、娘にとって新しい環境での一番の親友はSちゃんなのです。


娘たちが同席していた時間を含めると6時間余り話続けた私たち。
帰り際、Sママは「大変な思いをしているんじゃないかと思っていたから、もっと早く話を聞いてあげたかったんだけど。想像していた以上に厳しい状況だったんだね」と言ってくれました。

 ありがとう。でも、もうちょっと前の段階だったら、私はもっと感情的になり、冷静に話ができなかったかも知れないわ。


その日Sママから聞いた話は、もう少し様子を見てから知らせようと考えていたことだったそうです。
私が話す家でのツムギの様子を聞いて、今伝えておいた方が良さそうだと判断してくれました。


夫も私も、外面だけでも取り繕える娘であってほしいと願っていました。
実際、家の外で会う大人の前では、むしろ愛想が良い方だったので、問題行動は親に対する甘えであってほしいと思っていたのです。

そう願う一方で、そんなことをしていると友達に嫌われるよ!と、思いやりのない行動を取ることがあれば、家でできていないことが外でできるわけがないと、注意をするように努めてきました。


Sママから聞いた話で判断すると、娘は外面がいいのではなく、慣れるまでの間は猫を被るタイプだったようです。
ウチに来たばかりのころ、初めて会う養母の私を前に、びっくりするほど明るく可愛い娘を演じていたように。

自分がぶつかってしまって泣いている友達に(わざとではないにしても)謝れない娘。
鬼になった途端にやりたくないと駄々をこね、一緒に遊んでいた友達に鬼ごっこを諦めさせる娘。
サッカーチームの上級生に、あの子怖いから私から何か言うのは嫌だと思わせてしまった娘。

事態は思っていた以上に深刻でした。

Sちゃんが、きちんと善悪の判断がつく子でよかった。
Sちゃんが、困っていることをママに話せる子でよかった。

ぶつかられて泣いていた子の方から謝って仲直りをしてもらっていた娘にSちゃんは、あの子は優しい子だから仲直りしてくれたかも知れないけど、私だったら絶交だからね。と言ってくれたそうです。

「そうしたら、ヤダヤダと言って謝ったそうだから、怒っているときは人の話を聞けなくなるけど、冷静になって話をすればわかるタイプなんだね。それを繰り返せばああ言うことはしてはいけないんだって気づいていくかもね」
Sママはそう言ってくれましたが、私はそんなことはないと思いました。

単純にSちゃんに絶交されるのが嫌なだけで、相手が痛がって泣いているのに謝らないと言う行為が友達を無くしてしまうことだと理解しているとは思えなかったのです。


その日から、夫と私の間には、少し張り詰めた空気が流れています。
今のうちになんとか手を打たないと、取り返しがつかないことになるぞ。と。


Sママが私に言った言葉は夫には伝えていないけれど。

「友達だと思ってるから友達の立場で言うけれど、ケイトさんは本当にどうにもならなければ逃げてもいいと思うよ。その代わりお父さんがんばれ、だね。産んだ責任が親にはあるからね」

真に受けて逃げ出す日が来ないことを祈るばかりですが、身近な人の考え方で救われるのだと思いました。

同じようにステップマザーであることで悩みを抱えている方があれば、私から彼女の言葉を贈りたいと思います。

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