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母の反省

朝食のとき、なんでそんな話をしたのかはもはや忘れてしまったのですが、何かの話の流れで言っておこう。と、たぶん考えたのだと思います。

 私はね、お仕事が忙しいときにイライラが溜まって怒りやすくなってしまうって自分で気づいているの。お仕事で疲れて帰って来て貴女が宿題もせずにテレビを見ていたら怒りたくなってしまう。
 だから、お仕事が忙しかった日にはできるだけ疲れを取ってから帰りたいのだけど、忙しくて遅くなっちゃったから早く帰ってあげたいって気持ちもあって、結局その気持ちの方が勝っちゃうから、ちょっとイライラしやすい状態で帰って来てるのよね。そんな時は協力してくれると嬉しいな。その代わり、忙しくないときはたくさん貴女と遊んであげたいと思っているんだ。

そうそう。何でそんな話をしたのか思い出しました。

10月に入ったから、生活のリズムを整えましょうねと、学校が休みだからと言って11時近くに起きて来た娘に、寝る時間と起きる時間の見直しを求めた後の流れでした。

 貴女は眠たい時や疲れている時に不機嫌になりやすいでしょう?だからできるだけ、寝不足にならないように、睡眠時間を整えることが大切なのよ。
 この間お話したように、お互い自分の性格をよく知って、できるだけ気分よく過ごしましょうね。

今日の娘は比較的素直に話を聞いてくれました。
にこにこと可愛い笑顔を見せながら。

それなのに、母ときたら。

この後、お父さんとふたりでおじいちゃんの誕生日の前祝いをしに、夫の実家に出かける予定でした。

間もなく支度をしようかと言う頃に義母から電話がかかってきて、雨が強そうだから約束の時間を一時間遅らせましょうと言うことになりました。

テレワーク中で仕事モードだった私。

咄嗟に脳が反応しました。

帰りは遅くなるはず。
出かける前に時間ができたから、月初の話をしてしまおう。

せめてすぐに声をかければよかったものの、仕事中だったので、(母基準で)今着替えなくては間に合わないと言うタイミングで娘に着替えるよう促し、(母基準で)出かけるまでに10分あれば、今月のサッカーの予定を伝えお小遣いを渡すことができると判断し、着替え終わった(実際には片袖通していない)娘に、スケジュール帳とお小遣い帳を持ってくるよう指示を出したのです。

 ーえ?今?

ごもっとも。

にもかかわらず、渋々言われた通りにし、目の前に座った不機嫌な娘に、貴女の予定を教えてあげようとしているのにその顔は何?と責めてしまったのです。

ああ、自分で言ったではないですか。
仕事のときはイライラしやすいと。

ああ、夫に言われたではないですか。
出かけ間際に娘の意に反することをしてはいけないと。

とりあえず、義父のお祝いの会に不機嫌なまま送り出すわけにはいかないと、当初の予定は中断し、玄関先まで出向いた母はこう続けるのでした。

 あれー?まだ、ごめんなさいって言われてないんだけどぉ?

 ー(下を向いたまま)ごめんなさい。

 えー?謝るのに目を見ないのぉ?

 ー(顔を上げて笑いながら)ごめんなさーい。

 はーい、じゃあ、いってらっしゃーい!
 おじいちゃんによろしくねー!!

はい、ズルい母です。

何回も同じことを繰り返し、自分から素直に謝れない母です。

継母のくせに、よく似ているな、継子と。

初めて娘の写真を見たときに、なぜか自分のこどものころに似ていると思いました。
実際に自分のアルバムを開いてみると、そんなこと思ってごめん。と言いたくなるぐらい私の方が可愛くないのですけれど。
それでも、一緒に住み始めて、叱られる内容もよく似ていると感じることが多くあります。

実母ではないのに、実子のように思ってしまうのは、まるで自分の遺伝子が入っているのではないか?と思わされる瞬間が多いからなのかも知れません。

何はともあれ、娘のことを叱る以上、母も同じことは直さなければ。と、普段、忙しさを理由に怠っている仕事部屋の片付けを、娘のいないうちに終わらせてしまおうと思っているわけです。

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