継娘と喧嘩中にPTA役員になりました
今思えば、中学校に入学し、堂々とTHE思春期を謳歌しているツムギのいつもの気のない返事など、気にしないで流せばよかったとわかるのですが、その前日は中学初の公開授業を夫と楽しく参観し、放課後は三人で買い物に繰り出し、その日は早朝仕事に出かける夫と共に起き、有意義な休日を過ごしていたところだったので、つい、口にしてしまったのです。
「そうやって、何か買って欲しいものがあるときだけニコニコして、自分の都合の悪い話になるとむくれるような態度取るのやめてよ」と。
「じゃあ、ケイトにはもう買ってって言わないよ」
本当にいいのね?と、何回も念を押して、考え直すチャンスを与えたのに、ツムギはトドメの一言を発してしまったのです。
「いいよ。欲しいものがあったら、お父さんに買ってって言うから」
ブチっ!
夫の名誉のために、あまりこういうことは言いたくありませんが、
あんたの父さん、お金なんか持ってないんだからね!
あんたの父さんにお金自由に使わせたら、ウチなんて簡単に破産するんだからね!
この三年間の生活費だってイベント費だって、ほぼほぼ私が払ってるんだからね!!
(すべて私の心の声)
心が沸騰したので、それ以上ツムギと話をするのはやめました。
(正確に言うと、その後、昼食を作って、一緒に食べながら、そんな言い方をされたら傷つくと話し、謝るキッカケを作ってみたけれど、何の効果もありませんでした)
夫にわーわー言ったけれど、その後ツムギと話し合っている様子もないし、とりあえず、もはや何回目かもわからない冷戦を、またしても続けています。
所謂PTA役員については、お知らせ記載のURLから入って第三希望まで入力するアンケート方式でした。
後から聞いた話ですが、これは今年度初の試みで、紙で提出するアンケートよりも、かなり回答率が低かったそうです。
つまり、出したもん負け?
役員は、常任委員とイベントごとのスポットに分かれており、それぞれ活動時期や内容が簡単に紹介されていました。
フルタイムで働いている身なので迷ったのですが、ほとんど知り合いの保護者がいなかった小学校はずいぶんと孤独だったので、せっかく他校と合流して一年生からスタートするのだから、常任委員をやって、一人でも多くお友達を作ろうと、学年委員を第一希望にしました。
『学年委員に選出されました』
お知らせのメールがきたときは、でしょうね。と思いました。
きっと、自ら手を挙げる人なんて、そんなに多くないでしょうと思っていましたから。
すぐに、第一回目の召集がかかりました。
土曜日だったので、仕事を休む必要もなく、娘とは公開授業の次の日から話をしていませんでしたから、娘にも夫にも役員会のことは伝えていませんでした。
集まった学年委員は6名。
各クラスから2名ずつ選出されていましたが、C組はなり手がいなかったと言うことで7名、1名は仕事で欠席でした。
前年の役員さんから引き継ぎの説明を受け、今年度の委員長と副委員長を決めることになりました。
「昨年度は、決めるのに時間をかけたくなくて、早々にくじ引きで決めましょうと提案したら、言い出しっぺの私が委員長を引いてしまいました」
一年楽しんで活動できたし、後悔はひとつもありません。と、出席された3名の前年度役員さんは口を揃えて話してくださいました。
今年はどうしましょうか。
内心、消極的な決め方は嫌だなぁと思っていました。
大の大人が、譲り合いながら渋々引き受けるのは、お茶会の正客ぐらいで勘弁してほしいと。
それなら自分が真っ先に手を挙げたらいいと思ったのですが、正副委員長は、各委員が集まる合同委員会にも出席が必要とのことで、そこまでの負担を負えるだろうか?と、迷いが生じていました。
すると、「私、委員長やります!」と、手を挙げてくださった方が。
なんでも、昨年度の委員長さんとはお子さんが保育園のころからのお友達だそうで、その方がわからないことがあっても聞きやすいでしょうと、率先して担ってくださったのです。
残りの5名に安堵の空気が流れ、では副委員長は…?と一瞬、間が空きました。
「それなら副委員長は、私がやります!」
委員長が立候補で決まったのに、それ以外をくじ引きにするのは嫌だと思った私は、続いて手を挙げました。
もうひとつ、第一学年が担当するイベントのリーダーも決めることになりましたが、それにも立候補の手が挙がりました。
なんと気持ちのいい人たち。
いいタイミングで、いい組織に属することができました。
きっと三年間、この関係は続いていくのだろうと確信しました。
ツムギと出会わなければ無縁だったPTA。
後から夫にはバレて「また忙しくなっちゃうけど大丈夫?」と聞かれましたが、今のところ楽しみでしかありません。
夫は、一昨年、ツムギのスポーツクラブの係を引き受けたときの私が大変そうだったことを思い出して心配しているのだと思います。
小学生のスポーツクラブは、親子セットで動かなくてはいけないことが多くて大変さが倍増していたのです。
PTAは基本的には、ツムギとはほぼ無関係に動けます。
今、PTAは絶滅危惧種ではないかと思いますが、せっかくなら、知らない世界を覗いてみたいと思います。
人がやりたがらないことについ首を突っ込んでしまう癖は、こどものころから変われないようです。
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