見出し画像

母たちと過ごした夏合宿

今年の夏、一番楽しかったことは?と聞かれたら、迷いなく「夏合宿!」と答えます。

去年はまん防の発令により、直前で通い合宿への変更を余儀なくされた娘のサッカーチームの合宿。
今年はなんとか開催に漕ぎ着けることができました。

各学年から集められた合宿係さんに混じって、宿泊手伝い保護者として、三泊四日の合宿に同行することにしました。

普段、土日出勤が多く、試合の引率などを他のお母さんに甘えている分、比較的休みが取りやすい夏休みにお返しができたらと考えてのことでしたが、半分は自分の経験として楽しそうだと思ったのも、これを決めた理由でした。


女子は五年生が五人だけ。三日目からは二人合流しましたけれど。
男女混合のチームではなく、練習も試合も女子だけで行っているので、母たちも、男子メンバーたちも、ほぼはじめましての状況でした。

それでも、ノリも性格もいい母たちのおかげで、大変ながらも、とても楽しい時間を過ごすことができました。


行き帰りのバスでは車酔いしている子がいないか気遣ったり、グランドでは飲み物やおやつの準備、毎日のように企画されているお楽しみイベントや、毎食の配膳、夜の見回りなどなど、合宿係さんの指示に従い朝から晩まで走り回っていました。


最初に驚いたのは、これらの仕事が母だけで回っていると言うことでした。
サッカーと言うことで、パパコーチがいたり、試合の応援に父が来ることは珍しくなく、合宿にも保護者として父も数名参加していました。
しかしながら、その父たちは近くのホテルに泊まったり、場合によっては日帰りだったり、合宿の日程の中で、母と父はハッキリと役割分担されていたのです。

昭和の名残りなのでしょうか?

そして、そう思う傍ら、母たちの動きや、こどもたちへの接し方に、敬意と言うか、称賛と言うか、自分にない経験から積み上がった姿に、感動しきりの毎日でした。

気の利かない自分に、私、こどもを産んだことがないので、と、何度言い訳をしたくなったことか。

自身のこどもだけではなく、チームのどの子たちにも平等に向けられるその愛情溢れる眼差しは、10年近く母として培って来たからこそ自然に現れるものなのだろうなぁと、時折蚊帳の外から眺めるような気持ちで、眩しく拝見していました。

尊い。

無償の愛とはこう言うことかと、朝昼晩にその様子を間近に経験できたことは、私にとってとても貴重でした。


私にとってはどの子も可愛い。

いつもなら気になって仕方がない娘の言動も、まあこんなものかと流せるし、私たち母娘にとっても、今までにない、いい思い出になったことは間違いありません。


ミニゲーム大会で、恐らく最年長母でありながら、背中を押されて少しだけ、保護者チームに参加しました。

体育2の運動音痴であるものの、高校時代一年だけサッカー部のマネージャーをやっていた意地がほんのちょっとだけ湧いて出て、娘には負けるまいと奮闘しました。

娘の股の間を、私が蹴ったボールが抜けて行きました。

やった!


50歳の私が母二年生だと言うことで、みんなと違う世界を見ていることは誰も知らなかったと思います。

ただただ、こどもたちのためにと協力し合いながら、夜の束の間の休息時間には、こどもたちのことや自分たちの立場を忘れ、まるで自分たちが学生であるかのように飲んで笑い、地元にまた、少しだけ友達が増えたなと、夏の思い出に浸っています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?