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【マウスピース紹介②】テナーサックスVandorenT20

こんにちは!サックス奏者角口圭都です。みなさん、サックスの演奏を楽しんでいらっしゃいますか?

【マウスピース紹介シリーズ】では、私の使っているソプラノ・アルト・テナー・バリトンサックスのマウスピース紹介と使用感、合わせているリードをご紹介します。

第2回は、テナーサックスです。

マウスピース選びの参考になれば幸いです(^^♪


①テナーサックスのマウスピース紹介【VANDOREN T20】

私が使っているテナーサックスのマウスピースは、【Vandoren T20】です。Vandorenというと少し玄人好みのマウスピースってイメージがしませんか?私はVandorenを使う前は難しそうなマウスピースだなと思っていました。今では、奏者を素直に受け止めてくれるなと愛着を持って使っています。

T20はVandorenのモデルの中ではV5シリーズの仲間に入ります。Selmerもたくさんの種類がありますが、Vandorenも覚えきれないほどたくさんあります。

NONAKAの公式サイトより↓

公式サイトより引用↓

V5シリーズの特徴は、チェンバーが伝統的な丸い形になっていることです。
これらのマウスピースは、クラシックからジャズまで非常に幅広いジャンルの演奏家の方々に使用できるよう、幅広いモデルがあります。

T20は最高の音質で、コンパクトにまとまり芯のある音です。


Vandorenのマウスピースの輸入代理店であるNONAKAさんの在庫がとにかく多く、選ぶときはいつも渋谷の直営店「ノナカ・ミュージック・ハウス」(東京都渋谷区道玄坂1-15-9)さんでお部屋をお借りしています。

オンラインショップもあり、とても便利です♪

またサイトの中には、全国の取り扱いショップ一覧もありました。



②【使用感レポ】いいところ

T20は先ほどご紹介したように「最高の音質・コンパクト・芯がある」、まさにこの点が素晴らしいです。

まずは、吹奏感。ティップチェンバーが薄めに作られているので、マウスピースを咥えた時に「大きいな…」と感じにくいです。どちらかというと「薄いな…」と感じると思います。顎関節症で顎があまり大きく広げられない方にもおすすめです。(私はselmer170.180が顎に合わず挫折しました)また、マウスピースの胴回りが小さく、息がすっと楽器に届きやすいです。つまり息の量も節約できます。顎にも優しく、息の量もほどほどで演奏できるので、女性やお子さんにも向いていると思います。

音色は、艶やかで滑らか。特に高音域の音色はテナーサックスのなまめかしさを増強させてくれます。どの音域もぼやけずすっきりならせるので、音の跳躍も難なくこなせます。内径が狭いとコントロールがしやすくて楽ちんです。アルトサックスS90 180は自分で音色を作るマウスピースとご紹介しましたが、T20はマウスピースが音色を作るお手伝いをしてくれる感じがします。

私のテナーサックスでの演奏です↓

このマウスピースを使っていると、「音がいいね!」と褒められることがとても多いです。(笑)ありがたいですね~。きっと耳障りが良いのでしょう。プロでT20を使っている人は大体美音な方が多いです。

ごりごり系、どっしり系の男らしい音色が好きなら、Selmer180やC☆、Vandorenのoptimum3,4あたりがよさそうです。遠山の金さん。T20は、イケメン好青年、もしくは宝塚の男役ってイメージ。あくまで私の偏見です。笑


③【使用感レポ】気を付けていること

T20は、本当に優秀なマウスピースです。その中でも少しだけ私が気にしていたり、コントロールして賄っていることを書いてみます。

タンギングもしやすいのですが、唯一中音域(真ん中のシ~ファあたり)がタンギングをすると少し裏返りやすいような気がしています。特に、口が力んでマウスピースに圧をかけた時です。咥えた時の高さがない分、どうしても口元の些細な変化が音に影響しやすいです。そんな時は、口角をぐっと真ん中によせ、極力リードへの負荷を減らします。そしてリードに舌をあてる位置をピンポイントで狙います。

難しい話ですが、舌をリードに当てるときの面積や、リードだけでなくマウスピースの先端にも当てたり、当てる強さも変えるなど、音を聴きながら無意識的にその操作をしているような気がします。聴き手に届いた音が絶対なので、あえて奏法を崩して吹くこともありますね。


音色についてです。やっぱり野太く、どっしりとした男性的な音色を出したいときってありますよね。そんな時に少しパワー不足を感じます。「最高の音質・コンパクト・芯がある」これを裏返したニュアンスを出したいときは意識的に奏法を変えます。かなりアンブシュアを緩めて、太く息を入れます。また、響きと倍音を減らして、基音を聴かせるようにするなど、いろいろ工夫できると思います。「鳴かぬなら、小で大も兼ねさせろ」といったところでしょうか。

胴回りが小さいので、合うリガチャーと合わないリガチャーがあるので、要注意です!

ちなみに私は、BG トラディション リガチャー ゴールドプレート L41を使っています。2本レールでリードを支えているので、息が入りやすく、頑丈で長持ちするのでとてもオススメです。



④使用リード

T20に合わせているリードは、Vandoren traditional 3です。

公式ページより、引用↓

カットの違い
 弓形の角度が尖っているほどリードの背と中心部が厚く、また反対に側面の斜面が薄くなります。
カットには異なる7種類があり、それによってそれぞれのタイプで異なるフレキシビリティを得ることができます。
トラディショナルは、一番先端が薄くハートが一番厚いため、発音が歯切れよく、リッチでダークな音になります。このリードは、長年にわたって高い評価を得ている一番幅広く使われているリードです。非常に薄いティップからきわめてピュアな音質が生み出されるようにデザインされており、また振動する部分のコシが強くJAVAやV16よりも∗パレットが厚くなっています。
∗パレット 最大限に振動する部分のこと。


Vandorenはリードとマウスピースを作っており、やはり同じメーカーを使うとその相性は抜群です。

3番が時折薄く感じることもあるのですが、そんな時は、Vandoren V.12の3番もよいですね。

ダダリオも使っているのですが、T20に合う確率はもしかしたらちょっと低いような気がしています。

テナーとバリトンは5枚しか入っていないので、なるべく使えるリードが多いほうが嬉しいですね。いつもあたりがたくさんありますように、と願いながら開封します。笑 新しいマスピースのほうがどんなリードも合いやすいので、最近リードの当たりが少ないと思ったらマウスピースを疑ってみるのもありです。

Vandorenのマウスピースは、ヴァンドレンのリードのサイズがぴったり合うようにデザインされているような気がします。

リードが薄すぎると、コントロールはしやすいのですが、高音がほそくなりますし、厚すぎると乱暴な印象になりますのでご注意下さい。


最後に

余談ですが、私はB管(ソプラノ・テナー)はVandoren、Es管(アルト・バリトン)はSelmerを使っています。これは自分の音色の傾向としてすごく理にかなっています。自分の大事にしている音色のポリシーが、ソプラノ~バリトンを通して、まろやかで温かく、レガートが美しくつながるという点だからだと思います。このお話はまたそのうち。お話のカギになってくるのは、マウスピースの内側の形ですね。

テナーサックスはアルトサックス以上に音色の傾向が様々です。自分がどんな音を出したいかと明確に持ってzいないと迷子になりやすいので、ぜひセッティングの参考になれば幸いです。

マウスピース、本当にいろんなモデルがありますが、アルトに比べるとなかなか品ぞろえが良くなかったり、レヴューがあまりなかったりすると思います。もしこのマウスピースの使用感が知りたい!というお声がございましたらぜひDMなどお寄せ下さい。

最後までお読みくださりありがとうございました。

次回はバリトンサックスのマウスピースをご紹介したいと思います。みなさまのサックス演奏のお役に立てましたら嬉しいです!

今後も更新していきますので、読者登録をよろしくお願いいたします☆

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