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IGUP第1回会合雑記

 12日は常磐湯本町のGuesthouse & kitchen HaceさんでIGUPの第1回会合。先月のオープニングセッションに続き、実質的なスタートを切った。今回は軽食をつまみながら、座長を務める追手門学院大・上林功先生指導の下、ワークショップを行いながらメンバー間の意識の共有や今後円滑に打ち合わせが進むことを目的に、話しやすい雰囲気の醸成を図る内容。
 ワークショップでは「いわきFC」「いわき市」「フリー」の3点から思いつく単語を委員が紙に書き出し、壁に張り出して手書きのワードクラウドを作成。さらにワードクラウド化した3つのテーマから1単語ずつを任意に抽出し、「◯◯×◯◯×◯◯」という文字列を作成し、それをプレゼンするという手法で実施。

ワードクラウドイメージ図

 いわきFCには「筋肉」や「フィジカル」「スピード」などの言葉が並び、いわき市には「フラ」「温暖」「メヒカリ」「海」「ゴルフ」など多彩な言葉が抽出され、フリーワードには「合コン」「幸せ」「子ども」などの言葉が。ではこれらを掛け算したらどういう事象が生み出されるのか。


浜のチンピラのワードも出た

 スタジアムの検討で、何故このようなことを行うのか。今回についてはアイスブレイクの意味合いを持ちながらも「可能性の広がり」を体験出来たと会合だったと感じている。上林座長はワークショップ開催にあたり、「革新的なアイデア」について「失敗を繰り返すことによる発見」とした。1000万回に1回の革新的アイデアを生み出すためには、999万9999回の失敗が必要。多様な人物が集う委員会において、出されたフレーズは多種多様で、それを掛け算することでパターンを増やす。その中から面白いアイデアが誕生する、そんなことを実感するには十分すぎるワークショップだったと考えている。

 ここからは個人的な意見となるが、いわきFCが誕生して以降、地域リーグを含め全国さまざまなクラブやクラブを取り巻く環境に興味をもってきた。新設、改修を含む様々なスタジアム問題も多く見られた。今年に入ってからも、湘南ベルマーレと平塚市、ブラウブリッツ秋田と秋田県の関係などがニュースになっている。
 どうしても「スタジアム」と言うと、場所や予算の話題が先行してしまい、「Jリーグが求めているから」という理由以外にスタジアムを作る理念や目的、出来ることによって地域住民や地域そのものにどういうメリットがあるかという視点が後回しになってしまっていた。場所や予算規模は関心が非常に高い部分ではあるのだが、まずは理念やビジョン、目的を明確にしましょう、そのことによって地域課題にどう向き合うことが出来るのかを委員だけではなく、地域に生きるより多くの人々を巻き込みながら考えましょう、そもそもこの地域特有の地域課題とは何だろう―という部分からスタートしていることは、ビジョンを重要視するいわきFCらしいスタートと言える。

 今後しばらくはサッカーやスタジアムという視点以外の「この地域に必要なものは何か」「地域課題は何か」というまちづくり的な議論が続くはずだ。その中では10代を中心とした若者たちが意見を出し合うユースプロジェクトや、スタジアムや様々な場所での意見聴取、パブリックコメント的な意見募集があるかもしれない。「関係ないこと」「関係なく見えること」が組み合わさることによって新たなアイデアが誕生する。各地域ごとに特色があり、俯瞰して見るとモザイク的な魅力に包まれたこの地域にあって、限界を設けず様々な意見を出し合いながら、集約していった先に成長するスタジアムが誕生していく。混沌から生まれる物がどんな物になるのか、ワクワクしている。


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