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【情報系学生】研究をはじめたての頃から最速で成果を出すために

こんにちは、Keitaroです。
今年の3月で僕は修士課程を終了し、4月から社会人として頑張ります。

僕は学部4年のときに研究を開始して、修士に行きました。
修士に入ってからはM1とM2で研究テーマを変更しました。
にもかかわらず、それぞれのテーマで学会発表を4回ずつの合計8回しています。そのうち海外発表を4回行い、修了時には学長表彰をいただきました。

さて、今回は情報系で研究を初めるあなたへ、僕が心がけてきた研究ノウハウをお話します。

4つのサイクルを高速で回す

初めて研究を行う場合、なにから手をつければいいかわかりませんよね。

僕が取り組んでいたのは次のサイクルを繰り返すことです。

1. 英語論文を読みまくる
2. 超短期間でプロトタイプを作る
3. 教科書論文を探す
4. 評価実験をする

順番に解説します。

1. 英語論文を読みまくる

これは落合先生のやり方を参考にしています。

僕がこれを行っていた目的は主に2つです。

目的1.英語に慣れる(初期)
目的2.研究したい分野の主流や課題を知る


目的1.英語に慣れる

研究を始めたころ、僕は英語を読むといつも眠くなってしまっていました。
でも、修士としてそんなレベルでは通用しないので学部卒業後の春休みの2週間、英語論文を毎日20本読みました。

正直、最初は論文の理解度が2〜3割程度でした。それでも、読みまくることで脳が慣れていき、次第に眠くならなくなります。

わからない部分は飛ばしていいです。とにかく英語論文を読む癖を身につけ、論文を読む精神的ハードルを下げることから研究は始まります。

僕は最終的に論文1本あたり15分から30分ほどで読むように意識していました。

目的2.研究分野の主流や課題を知る

研究を初めるには、その分野に詳しくなることが大事です。

自分これからやろうとしていることが、そもそも時代にそぐわない内容ではないのか。そもそも、現代ではまだ解決できない問題ではないのか。どんな方法が前提になっているのか。どんな方法が前提になっているのか。

など、その分野の主流を把握することが大切です。

なので英語論文に慣れてきてからは、高速で読みながらも落合先生のフォーマットで内容をまとめるようにしていました。

1. どんなもの?
2. 先行研究と比べてどこがすごい?
3. 技術や手法のキモはどこ?
4. どうやって有効だと検証した?
5. 議論や課題はある?
6. 次に読むべき論文は?

これだけまとめておくことができれば論文の重要な点を把握することができますし、あとから読みたいときでも探しやすくなります。

最初はすべての項目を埋めることが難しいかもしれません。なので最低限、

1.どんなもの?
3.技術や手法のキモはどこ?

の2点は記録するようにしましょう。

2.超短期決戦でプロトタイプを作る


さて、論文を読みまくって研究したい分野の知識や主流がわかってきたら、次は短期間でプロトタイプを作ります。

理由は自分の技術レベルと研究レベルの乖離を把握するためです。

多くの学生はインプットばかりをずっとやっていて、手を動かし始めるまでが非常に遅いです。

でも研究の最後では自分の提案方式を実装し、評価しなければ、論文を書くことができません。

つまりは、実現したいものを作り上げる能力が必要なのです。

たとえば初めて機械学習を使って予測モデルを作りたい場合、そもそも機械学習の実装の仕方や技術の種類、必要になる環境がわからなければ実装なんてできませんよね?

これらはただWebを見たり論文を読んだりするだけではわからないんです。自分でプロトタイプを作ることができれば、どこがわからないのか、何を勉強すればいいかが見えてきます。短い時間でも足りない技術や知識にフォーカスして効率的な学習をしていくことができるのです。

このフェーズで最重要なことは超短期決戦で作ることです。
期間は3日ほど。長くても1週間程度で作れるレベルのものにします。

なぜならばこのプロトタイプを1回作るだけで研究が終わるわけではなく、改良をし続けることでより良いものを作る必要があるからです。プロトタイプを改良するたびに少しずつ実装期間を見直し、必要最低限で延長していきましょう。

3.教科書論文を探す

英語論文を読みまくったあなたには、これまで読んだたくさんの論文欲しい論文を探すスキルがあります。

これらを生かして、研究で参考になる論文を見つけましょう。僕はこれを教科書論文と読んでいます。

教科書論文を探す上で意識することは主に2つです。

・被引用数が多い
・評価方法と結果が明確で再現性が高い

1つ目の被引用数とはその論文がどれだけ他の論文から引用されているかを示す数字です。一般的にこの数字が多いほど信憑性が高いと考えられます。

2つ目は評価方法と結果が明確で再現性が高いことです。これは自分の研究においても実験のやり方を参考にするときに重要です。

また、はじめて論文を書くときには、どんな実験をすれば信憑性の高い評価を行うことができるかわからいですよね。

そんなときも教科書論文を参考にすると、実験の選定に役立ちます。

また、教科書論文があれば論文の書き方を真似してみることができます。例えば、1章では軽く全体の説明をして、2章から関連研究などを説明するとかです。そうすると論文ならではの論理展開をすることができ、読者に誤解を与えにくい明瞭な文章を書くことができます。

4.評価実験をする

評価実験と書くと難しく感じますが、要は作ったプロトタイプがどれくらいうまく動いているかを調べるということです。

この実験することで何が足りていないのか次に改善すべき課題は何かを見つけることができます。


ここまできたら、その後は現状に合わせて1から4のサイクルを繰り返せばいいです。

僕も知識が不足している感じるなら、また論文を多めに読みますし、プロトタイプの改善案が思いついたならすぐに形にします。


とにかく思考を止めず手を動かしていけば研究は確実に進みます。

さいごに

いかがだったでしょうか。

僕なりに意識していた4つのサイクル、

1.英語論文の多読
2.プロトタイプ開発
3.教科書論文を見つける
4.評価実験

これらを高速で回すことができれば、どんな困難につまずいても、成果を出すことができます。


初めての研究で楽しみだったり不安だったりといろいろな感情があると思いますが、少しでもあなたのお役に立てればと思います。


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