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【動画レポ】DevRel JAPANカンファレンス2021トークテーマ:ノーコード・ローコード ツール・サービスならではのDevRel

2021年11月13日はDevRel/Japan CONFERENCE 2021でした。ほぼ8時間ずっと参加したのですが、そのなかからいくつかのセッションについて紹介してきましたが、今日は「ノーコード・ローコード ツール・サービスならではのDevRel」を取り上げたいと思います。

パネラー&モデレータ

モデレーター
萩野さん(アウトシステムズ株式会社)

パネラー
大島さん(グレープシティ:Forguncy)
田中さん(ワンフットシーバス:Node-RED)
吉田さん(マイクロソフト:Power Platform)


NoCode/Low-CodeならではのDevRelについて

田中さん:デベロッパーでもコミュニティ側でも伝えやすさを考える。NoCode/Low-Codeの良いところはGUIがあって見てすぐわかるところ。仕組みを伝える伝達コストが軽減される。デモも伝えられやすい。逆に言うと簡単すぎに伝わってしまうが、技術が好きな気持をしぼませずに伝えられる。シンプルに魅力的に伝えられる。

吉田さん:「はじめての〜」の場合に、どういうスキルレベルの人に話しているのかの判断が難しい。

大島さん:うちの製品の場合、ある程度層が決まっているので、どこから入るのかは悩まなくて済むが、その層の求める「何が出来るの」を伝えることに意識している。「このツールを使うとこんな事出来るんです」がわからないと使い方を説明されても理解が追いついてこない。

田中さん:Node-REDでもあります。コードを書ける人からすると「こんなに手順を踏んでやるくらいならコードかいたほうが良い」と言われてしまう。

荻野さん:ある部分だけ切り取るとそうなりますよね


DevRelのターゲットについて

荻野さん:仕事で業務システムを作る人達・・・SIerや製造業の人達が多いので広く開発者に向けてDevRelをしていくのとは少し経路が違うのが難しさ、課題。限定された領域で使われているが外れると名前も知らない・・・ここをDevRelで開拓していこうと活動しています。

吉田さん:2年前なら「市民開発者」・・EXCELの関数がわかる人達でしたが、ignight(アメリカ本社のカンファレンス)で発表されたのは「フュージョンチーム」。「フュージョンチーム」はプロの開発者も市民開発者も手を取り合ってやっていく考え方で境目がなくなりターゲットが「全部」になっている。コードもEXCELライクなものをみんなでコーディングする思想に変わって来ている。それぞれのターゲットに対応しつつコアな話はみんなPower FXで作っていこう・・・・そんな世界観になっています。歴史とともにいっていることは変わっています。

大島さん:Forguncyも最初はEXCEL使っている人がターゲットだったのですが、始めてみるとベースがない人には作れないので、マイクロソフトさんと同じようにだんだんレベルを変えてきているのが現状。今の現状としてはシステム部門の人。

荻野さん:NoCode/Low-Codeはコードは書かなくてもいいかも知れないけど全体的な設計思想は理解できていないとダメですよね。変なものができてしまう。よりちゃんとした知識がないと良さを発揮できない。

田中さん:簡単さを下げすぎて期待値がおかしくなることはあります。お二人の話を聞いてNode-REDは、発祥としてはLow-Codeよりだったと思います。コード書ける人が繰り返し処理など書いて伝えると大変なところを抽象化して書けるのが「押されてた」部分と思います。IoTとかほかのAPIも今までは文献調べてプロがコードを書かなくてはいけなかったのが、抽象化してもつなぎやすく後で見てもわかりやすい・・・という文脈でコード書いていた人がスライドしてきたと感じます。僕と似たような感じの人の間で共感が強められていったと思います。市民開発者の文脈ではハンズオンでは広げていきましたが、ニーズはあるけどロジックを意識してない人がいきなりさわって大変なことになる事とかはありました。その反面見返りも多くて、デザイナーさんやインタラクティブなコンテンツを扱う人が増えたりとか、非エンジニアの人がエンジニアとの良い接着剤になったりとか・・・というのも増えています。苦労はしているけど広がっています。


コミュニティのあり方

田中さん:Node-REDはオープンソースをベースに使う人は企業、個人、デベロッパーという感じで広がっています。あり方としては「無いものは作っちゃおう」というのがベースにありつつ、プロトタイピングの精神があるのでそういうところをポジティブに称賛するとか、全面に出ています。知見はクローズドにせずオープンにしていくというのが企業にもあります。Node-RED Conというのを今年もオンラインで行ったのですが、そのときにはグローバルトラック・ローカルトラックともに知見が集まって機密になりがちな企業の知見がオープンになっていました。もうひとつはGUIの良いところで世界中のフローでもフローを見ればわかるというのて繋がるというのが実感としてありました。オープンとポジティブが続けていくところと思います。

荻野さん:Node-REDというとディストリビューターや担いでいるベンダーはどういうシチュエーションなのですか?

田中さん:イベントに協賛される企業は居ます。なぜかというとNode-REDで使われるノードや企業で使っている仕組みがあるので継続されないと困る・・・というのもあります。難しいのはオープンソースなのでコミュニティに置いては利害や直接的関係性がないので今後どう続けていくかが課題です。

荻野さん:この間のカンファレンスではマイクロソフトやオラクルからの参加がありましたね。

吉田さん:グローバルではさまざまなコミュニティのレイヤーが存在していて、Power Users Communityという大きなくくりの月間100万人の大きなコミュニティがあってForumやIdeasという製品に対する新しいアイデアを投稿するものがあったり、コネクタの制作を誰でもコントリビュート出来る・・・というのを公開したりオープンな貢献というものがあります。私が関わっている中ではエンタープライズなユーザーによるクローズドで影響力の大きいなコミュニティも存在します。日本においてのコミュニティではJapan Powwr Apps User Groupeで「恩送り」という助けてもらった人が別な人を助けるというような形でコミュニティを形成しました。グローバルとローカルではテイストが違っています。

荻野さん:アウトシステムではほぼ同じコミュニティの構成です。オープンなIdeas、Forumといったものとトップユーザのちからのある人が集まるクローズドなコミュニティ、そしてユーザー会があって、近いなと感じました

大島さん:弊社はコミュニティはそれほどやれていないですが、プロダクトマネージャーの私がお客さんとどう繋がるかが重要と思っていて、ヒアリングを続けているのですが、NoCode/Low-Codeということで単機能ではなくお客様のバックボーンも知っていくところを意識して製品規格に繋いでいます。それが事例に繋がってくるので重要です。そうやってクローズドでやっているという感じです。

荻野さん:マイクロソフトさんのカスタマーボイスとかデベロッパーボイスというのに近いですかね。

大島さん:今後は会社さん同士の繋がりをやっていかないといけないと思っています。ある程度似通ったお客様を集めて小さい形のコミュニティをやっていくことを考えています。


OSSや他のサービスとの絡みなど

大島さん:もともとVisualStudio状の開発ツールを提供してきた会社なのでマイクロソフトさんやアウトシステムさんと繋がりがあるのかと思います。Forguncyでいうと他社との繋がりが多くないので、DWHのフロントの部分とかに入れてもらったりとかはありますね。

荻野さん:コネクタとか他の製品とつなぐモノとかはForguncyに関してはグレープシティさんで作っているのですか?

大島さん:自社開発というか、開発が好きな文化があるので自分たちでやっています。

吉田さん:PowerFXに関してignightでも発表されたのがFXがOSSで公開され、開発者の方々が欲しい関数をOSSとしてFXをどんどん拡張していこうというコラボレーションができてきています。いろいんなサービスに組み込んでいってみんなで同じ言語を使っていけば市民開発者と言われる人達がどのプロダクトでも共通の知見が使えるようになるというのがOSSにしたという背景です。コネクタに関しては既に400樹類以上あってSalesforceとかKintoneとか競合の製品とのコネクタも生まれています。「ユーザーにとっては競合であろうが関係ない、やりたいことは繋げることなんだ」という形で立場に関係なくコネクタを増やしていくということにフォーカスしているところが面白いなと思います。ほかにもパーツとかコンポーネントとかもGithubで共有していたりとかをコミュニティベースでやっていたりします。オープンな形でやっていっているのかと思います。

荻野さん:マイクロソフトさんのスタンスで良いと思うのはそこですよね。自社製品だけを使ってもらいたいというのではなく、それよりも開発者・ユーザーの立場に立って、求められていることに対する事を企業として前面に出せるかどうかがすごく題しだと思います。そこで差が出るかと思います。

田中さん:オープンソースが発祥のNode-REDなので「オープンソースに上がっているものは何でも繋げてしまえ」というのを開発者がそれぞれやっている感じです。面白そうなライブラリがでたら繋げて見る人が出てきたり、クローズドなAPIも必死につなげてNode-REDのノードにしたり・・・・開発者そのものがDevRElのマインドを持っている、それぞれが自立している感じはあります。逆に言うと作者が飽きちゃって更新されないというオープンソースの闇みたいな部分もありますが、そういうところはすごくいいところと思います。Node-REDのノードの数は玉石混交ですが3000を超えています。積極的にみんな絡んでいると思います。得意な点はIoTの文脈があってデバイスとつなぐためにNode-REDを使うとソフトウェアとつなぎやすいというが脈々とあると感じます。


感想

市民開発者の流れがそんな事になっていたとは・・・・。吉田さんの話にあったようにユーザーにとっては繋がること、使えることが大事なので今以上にオープンになっていくことに期待ですね。










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