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「お年寄りに配慮」はお年寄りに本当に優しいのか?

アドベントカレンダーも終了し、ブログ記事を書くこともなくなったので、年末にこんなこと考えてみました。ってGYOMUハック/業務ハックが空いていたので12月17日の記事としてアップします。

デジタ/ル化の壁

そういえば菅政権の目玉政策としてスタートした「デジタル庁」。コロナやらいろんな疑惑とかでお茶の間の話題からは影が薄くなってしまっているのだが、やっぱりこの政策には激しく期待したい。

こういったデジタル化を妨げるものとしては様々なものがある。行政組織の縦割り、横割りの問題や変化を受け入れない風土、そして複雑怪奇に絡み合った法制度や、背後で動く様々な既得権などなど、壁はたくさん存在する。

しかしながらもっと大きな壁は存在する。それがお年寄りに配慮という「正論」である。デジタル化するとPCやスマホが使えないお年寄りが行政サービスを受けにくくなってしまうので、そこに配慮せよという考え方だ。これに関しては政治の世界でもマスコミでもまったく反論されることが無く、絶対的な「正論」として扱われている。

しかし、これって従来の紙のプロセスとデジタル化されるプロセスを両方残しながらデジタル化を進めよという事で、ボディーブローのように効いてくる足かせになっている。

脳の老化

その一方で、健康食品とかのコマーシャルフィルムを見ていると、年を取ってからも元気に生活をするためには「新しいことにチャレンジ」しろって言ったりしている。・・・・なぜかこちらのほうには「お年寄りに配慮」みたいな話は出てこない。容赦なく「歩け」とか「外に出ろ」とか言っている。

脳というものは・・・脳に限らずに人間の体には共通して言えるのだが、使わなければ急速に衰えていく、脳に刺激を与えなければ、つまりはモノを考えなくなってしまったら脳は衰えるのである。生活に変化が少なければ脳は衰え、体も動かなくなり、健康が損なわれていくのである。

その脳に対する刺激で一番良いことは「新しいことにチャレンジする事」。新しいものに触れることで「考え」「記憶する」などの脳の機能が使われることになり、それが脳の活性化を呼び、脳の老化を食い止めることになるのではないか・・・・そう考えてもおかしくはないはずです。

本当はお年寄りに優しいデジタル

・・・・とはいえ老化と言うものは残念ながら鬼にでもでもならない限り、確実にやってくる。それは脳だけでなく身体能力も一緒でsる。むしろ身体能力のほうが取り戻すのは難しかったりもする。そう考えるとデジタルってものすごくお年寄りに優しいのである。だって市役所にも郵便局にも行かなくても行政手続きが済むのである。しかもZoomなどのコミュニケーションツールをうまく使えば公民館の老人クラブに歩いて行かなくても参加できるし、旅行しなくても孫に会えるのだ。ドラマとか映画、ニュースだってテレビで一過的に流れるよりも繰り返し視聴できる動画のほうが圧倒的にお年寄りに優しいのである。

それがなぜかデジタル化というと「年寄りの敵」と扱われてしまっている。


お年寄りにこそデジタルを

どう考えてもお年寄りに配慮してデジタル化しない道を作るよりも、むしろ積極的にお年寄りに対するデジタル化を進めるのが正しい道な気がする。お年寄りにデバイスを配布してネットワークを整備し、そこから行政サービスや、買い物サービス、医療サービスを受けられるようにしていって、使い方がわからないご老人には使い方を教えて「脳を活性化」できるようにしたほうがお年寄りにとっては良いはずなのである。

むしろ「お年寄りに配慮」は足腰が弱ってきたお年寄りに「もう歩くな!一生寝ていろ!」と言っているようなもので、むしろ厳しいのだ。

おそらく「嫌だ」というご老人もいるかもしれない。でもこれが「外に出る」ことだったら「さぁ頑張って外に出ましょう!」って言って連れ出しますよね。それとおんなじで、辛抱強く働きかけるしかないのです。

インターネットの「シルバーパス」が日本には必要かもしれません。

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