Maker Faire Tokyo 2024行ってきた!! 〜Young Maker編
今日は東京国際展示場(東京ビックサイト)で2日間開催されたものづくりをする人たちのための展示会「Maker Faire Tokyo 2024」に今年も行ってきました。今回も興味深い作品がたくさんあったので、自分のふりかえりも兼ねてレポートしたいと思います。
ちょっと長くなったので今回は「Young Maker」までを紹介します。
Maker Faireとは?
Maker Faireはマイコンや3Dプリンター、AIなど一般化した新しい技術を中心に、大量生産では実現できないユニークなモノを作るというメイカー(Maker)の祭典です。申し込みをした個人や教育機関などが中心に作ったものを持ち寄って展示するというスタイルのイベントでアメリカや中国、台湾など全世界で開催されています。
日本では2012年からMaker Faife Tokyoとして開催されはじめ、現在では京都、Micro Maker Faireとして刈谷や大垣、浜松などでも開催され、広がりを見せています。
Maker Faireに参加(出展)するには事前の申し込みが必要で、個人出展であれば最低限で出展料が7700円で申し込むことができます。(電源が必要な場合は最低プラス6600円)・・・・つまりはやる気と作品さえあれば出展者として参加することもできます。(最近は人気のために審査があるらしい)
今年もMaker Faire Tokyo 2024は東京国際展示場(東京ビックサイト)で9月21日(土)と22日(日)の2日間開催されます。
展示されているもののジャンルとしては以下の感じ、ジャンル別に展示エリアがわかれていますが今年は学生が中心のYoung Makerのエリアが広くなっていました。
A.キッズ&エデュケーション・サイエンス
B.デザイン&クラフト
C.FAB&アシスティブテクノロジー
D,モビリティ
E.ミュージック
F.Young Maker
G.ロボティクス
H.エレクトロニクス
会場に入るまで
Maker Faire Tokyoに参加するには出展者になるほかは、入場料を支払って参加することができます。
入場チケットはWebからやローソンチケットを利用した前売り券と会場入口近くの販売所で購入できる当日券があり、それぞれ1200円、1800円で購入できます。(今年チョット値上がりしました)
今回はいきなり行ったので1800円の当日券で入りました。
チケットを購入すると、入場口に行きチケットがもぎられたあと、リストバンドが配られます。リストバンドを装着したらいよいよ入場になります。
ここから、実際に回って気になった作品やブースを紹介してみます。
Young Makerで目立った宇宙関連の展示
入場してまず目指したのはYoung Makerゾーン。そこでひときわ目立っていたのは宇宙関係に取り組んでいる大学や大学生のサークル。思ったよりも研究室ではなく、複数の大学をまたがった活動が多い感じでした。SNSなどで簡単につながることができたのでキャンパスなどの物理的な枠組みがだんだんボーダーレスに近づいている感じです。
まずは東京都市大学の宇宙科学教育コミュニティTACのロケット。
またホリエモンの参加するインターステラテクノロジー社の支援を受け、今年大樹町で打ち上げを行った東海大学のH-59もありました。
もうひとつは東京都立大学、横浜国立大学、埼玉大学の学生メンバーによるCOREのロケットです。こちらは伊豆大島で打ち上げたそうです。
ロケット打ち上げ場所といえば秋田が多かったのですが、最近はいろんな打ち上げ可能な場所が増えてきているようです。
あとTACの展示には春に行われたニコニコ超会議でホリエモンが語っていた超小型衛星の研究が展示されていました。小さな衛星が連携して大きな電子望遠鏡を構成したり、故障しても替わりの衛星がフォローして機能する夢のある話でしたが、まさにここまで来ているといった感じでムネアツでした。
ロケットや衛星のほかは「火星探査ローバー」。国際コンテストのURCに出場した複数の大学の学生によるプロジェクトであるKARURAのローバーと名古屋大学のNAFTのローバーが展示されていました。
聞いて見ると不整地を自律的に走破できることに加えサンプルを採取し、分析するところまで要求されているレギュレーションだということです。なかなか厳しいですね。
ローバーで言うと従来からの缶サット関係。東京都立大学や九州大学の学生等によるFUSiONでは耐熱に優れたオンボードコンピューターの開発とレギュレーションの向こう側を目指す開発の結果が展示されていました
そして昨年も出展していた神奈川大学の宇宙エレベーター。宇宙エレベーターは宇宙から地上にたらしたケーブルを使って宇宙までものを運ぶ技術で、宇宙エレベーターもコンテストがあって、それに挑戦し続けているそうです。
Young Makerではユニークな作品もいろいろ
そのほかYoung Makerゾーンではいろんなユニークな作品もたくさんありました。
目についたのは、ちぇりー技術さんのブースで高く積み上げられたLEDつきのボード。NANDだけで16bitCPUをオープンソースで作るという試みですが、内容の凄さよりも積み上げられた基板のかっこよさに見とれました。
あのYoutubeでよく見かけるチョット気持ちの悪い4脚ロボットを見様見真似だけで再現しようとしている名古屋工業大学のサークルときのロボットも面白かったです。本当になんの資料もないところからのスタートだったそうですが、残念ながら骨折してましたが・・・・
あと注目を集めていたのは東京理科大と大阪大学の大学院生らのサークルMEMによえう伏せて操縦する電動三輪車、MOMONGA。便利さではなく疾走感、走る楽しさを追求した機体だそうです。
なによりけっこうデカい。
そのほかは豊橋技術科学大学の「とよはし魔改造プロジェクト」。NHKの番組「魔改造の夜」に参加した電動マッサージ器の振動を利用して走らせる競技に出した作品が展示されていました。
今回はこの「魔改造の夜」関連の出展者がたくさんいて、その展示でスタンプラリーもやっていました。
そして個人的に好きだったのが、関西大学電気通信工学研究会のブース。高速で鳴らす除夜の鐘、煩悩が弾け飛びそうなアイデアです。動いているところを見たかったです。
やっぱり楽しい美術系の出展も
大学といえば理工系の学部ばかりではありません。デザインとか美術に着目した作品もたくさん出展されていました
特に目立っていたのはロケットだの衛星だのとハイテクなブースに囲まれて独特の雰囲気で子どもたちに人気だった武蔵野美術大学の「ムサビ村営軌道」。人が乗れるサイズで短いですが線路の上を走っていました。
そしてきれいな音色を会場に響かせていたのが京都橘大学 杉浦研究室の自動制御ハンドベル。京都橘大学の工学部の研究室らしいですが、完成度が高くさすが雅です。
そして京都精華大学電子工作部のテクノ行灯。いわゆるLチカがたくさん並んでいるだけといえばそうなのですが、授業がなくなって行先のなくなった100個ものMicro:bitを見事に昇華させています。最近はこういうものも大学の授業の中に入り込んでいるのですね。
そして精華大学の隣にブースを陣取っていたのが東京大学の「11時03分駅前集合」というユニークな名前のサークル。内容はNFCタグを埋め込んだカードをつかったカードゲーム「ONKAN」です。
なかなか完成度が高く、すでにネット販売もしているそうです。
がんばれ高校生・・・と思ったら中学生
Young Makerといえば大学生・・・というわけではありません。大学や高専に混じって高校の展示もありました。
宮崎県の鵬翔高校の「S++Laboratory鵬翔高等学校ロボット研究会」ではArduinoを使ったロボットアームが展示されていました。
高校生すげー!!なんて思っていたら隣の桐朋電子研では国立の桐朋中学校高等学校のメンバー。ちょうどいたのは中学生のみなさんでした。
遊ばせていただきましたー
そして実用的な作品も!
楽しい作品ばかり紹介しましたが、Young Makerでも実用的、未来が楽しみな作品や研究はあります。
まずは東京大学の学生が中心のグループ、BIRDによる展示。倉庫などの商品をドローンを使って自動的に行う・・・・というまさにもうすぐ実用化されている研究がされていました。
その他は基板のはんだ付けを自動的に行うチップマウンター「RaPick」を展示していた電気通信大学の「やえ」の展示もすごかったです。この規模で自動はんだ付けが実現できたら、ハンドメイドの電子ガジェットの生産も捗りそうです。
そして更にその上を行くのが同じ電気通信大学の「OZ」による展示です。ミストCVDという技術を使って自宅で半導体チップそのものを作るという研究です。すごいですが需要があるかどうかは不明だそうなので、実現できたら誰か使ってください。
ここまででいったん紹介を区切って、Young Makerブース以外は次の記事にしたいと思います。
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